作品一覧

  • 海馬を求めて潜水を――作家と神経心理学者姉妹の記憶をめぐる冒険

    海馬を求めて潜水を――作家と神経心理学者姉妹の記憶をめぐる冒険

    ビジネス・実用

    4.5
    1巻3,740円 (税込)
    探究心旺盛なノルウェー人姉妹がコンビを組んで、記憶の不思議をめぐる旅へ。海馬はいつ見つかった? 記憶と思い出す場所の関係は? 記憶力をよくする方法とは? なぜ人は忘れるの? 未来を想像するのにも記憶力は必要?――ときに記憶研究の歴史を紐解き、ときに記憶に問題を抱える人たち(テロの生存者、海馬を損傷した人など)を訪ね、ときに記憶のスペシャリストたち(研究者、タクシー運転手、チェスのグランドマスター、舞台女優、オペラ歌手、記憶力チャンピオン、未来予測家など)の門を叩く。生きることと記憶のよき関係を探る、人生の処方箋になること請け合いの一冊。ヒルデ:私はもっと忘れたいわ。つまり、人生における否定的な経験を。そんなの永遠に消えてくれたらいいのに。忘却は過少評価されている。イルヴァ:悲しい思い出だって真珠のネックレスの一粒なのだから、忘れることが必ずしもよいことだとは言えないわ。それでも私は、日常生活の忘却については異議を唱えたかったの。いつでもどんなことでも記憶しておこうという試みはやめるべきよね。
  • きのこのなぐさめ

    きのこのなぐさめ

    小説・文芸

    4.0
    1巻3,740円 (税込)
    悲しみの淵にいた私を、そこから連れ出してくれたのは、きのこだった――。マレーシア人の著者は、文化人類学を学ぶ交換留学生としてやって来たノルウェーでエイオルフと出会い、恋に落ちた。夫婦となった二人は深く愛し合い、日々のささやかなことも人生の一大事についても、何でも話し合う仲だった。ある朝、いつものように自転車で職場に向かったエイオルフが突然倒れ、そのまま帰らぬ人となる。最愛のパートナーを失った著者は、喪失の痛みのさなか、ふと参加したきのこ講座で、足下に広がるもうひとつの世界、きのこ王国に出会う。きのこたちの生態は、不可思議な魅力に満ち満ちていた。苔むす森でのきのこ狩りの効用と発見の喜び。きのこ愛好家間の奇妙な友情と不文律。専門家・鑑定士への「通過儀礼」。絶品きのこトガリアミガサタケ。悪名高いシャグマアミガサタケ。色・形・匂いの個性とその奥深さ。とっておきの、きのこレシピ。悲しみの心象風景をさまよう内面世界への旅と、驚きと神秘に満ちたきのこワンダーランドをめぐる旅をつづけ、魂の回復のときを迎える、再生の物語。約120種類のきのこが登場。
  • 予測脳 Placebo Effect 最新科学が教える期待効果の力

    予測脳 Placebo Effect 最新科学が教える期待効果の力

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻1,870円 (税込)
    「期待(プラセボ)効果」の仕組みを知れば、人生が豊かになる! 生存を有利にするため、脳は占い師のように常に少し先を予測しています。その予測や期待は、メンタルだけでなく、身体機能にも多くの影響を及ぼすことがわかっています。薬効成分のない偽薬であっても本物の頭痛薬だと信じて服用すると、体もだまされて体内の痛み調節機能が働き、頭痛が和らぐことがあります。 こうした現象は、プラセボ効果(期待効果)と呼ばれています。プラセボ効果は医療だけではなく、スポーツや日常生活など様々な場面で起きます。ノンアルコールビールで酔っぱらったり、同じワインなのに「高い」と言われたほうにおいしさを感じたり。 人間の選択や思考は自分が思っているほど合理的ではなく、自分が何を信じるかに左右されます。「信じていること」と「自分の感覚器から得た情報」にかい離が生じたとき、脳はその差を縮めようとし、場合によっては「自分の感覚」よりも「信じていること」を優先させます。このとき、プラセボ効果が生まれます。 「自分の感覚をどこまで信じられるか?」 「体の感覚や反応はどの程度、期待によって形づくられているのか?」  本書では、プラセボの医学的研究だけでなく、日常生活における期待効果についての研究をもとに、これらの疑問に答えていきます。 心と体に作用する「期待効果」の仕組みを理解できれば、仕事や生活がより豊かになり、健康管理にも役立ちます。
  • 幸福についての小さな書

    幸福についての小さな書

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,188円 (税込)
    ★スウェーデンベストセラー! 学術調査・歴史考察・実経験に基づく たしかな幸福論、世界に先駆け日本上陸! ★ストックホルム商科大・教授が教える よりよく毎日をおくる「13の小さな習慣」 ★小さくて読みやすい! すぐに読める北欧生まれの小さな本 コロナが影を落とした2020・2021年。 心機一転、明るいスタートを切るために読みたい 2022年・希望の書。 ストックホルム商科大学 経営戦略・マーケティング学部教授の ミカエル・ダレーン氏。 幸福研究のスペシャリストである同氏は、 学術的に効果が確認されている 毎日をよりよく変える小さな習慣を13突き止め、 小さな本にまとめました。 「感謝」する/小さな「親切」をする/「運動」する/「思い出」にひたる…… 読んだその日からできることばかりのメソッド。 前向きな気持ちになり、毎日を、そして人生を たしかに変えるアクションが詰まった 小さな一冊です。

ユーザーレビュー

  • 海馬を求めて潜水を――作家と神経心理学者姉妹の記憶をめぐる冒険

    Posted by ブクログ

    海馬(≒記憶)を主題とする本書は、専門的で難解な内容を扱いながらも、意外なほど平易で、むしろ物語を辿るかのような読書体験をもたらす。
    「大切なことを覚えておくために、不要と判断したものは忘れていく」や「幸せな記憶は、誰もが持つ抗うつ剤ではないか」といった印象的な一節が随所に散見され、記憶に関する本質的な洞察を静かに提示している。
    本書を通じて、記憶や物忘れという現象を、従来とは異なる視座から捉え直す契機を得ることができた。

    0
    2025年08月13日
  • 海馬を求めて潜水を――作家と神経心理学者姉妹の記憶をめぐる冒険

    Posted by ブクログ

    人間に宿るタツノオトシゴ…脳にある海馬を、つまり記憶のしくみについて書かれた本。
    タイトルと表紙の雰囲気に惹かれて手に取った。
    神経科学や認知心理学など、科学の本でありながら歴史、文学、心理学、建築学、神話学、生物学、環境問題などいろいろな分野の話題を組み合わせながら、情緒的でユーモラスでもある。
    そんな本書はノルウェー人の作家&神経心理学者の姉妹によって書かれている。姉妹同士であることの屈託のなさから、時には喧嘩をしつつも、好奇心旺盛な彼女らはとことん記憶について突き詰め書いたとのこと。とても愛着の湧く本だ。
    姉妹は様々な記憶に、海馬に関する過去の事例や先行研究を紹介しながら、自身らでも実験の再現をしたり、それらを鑑みた上で、どんなことでも記憶しておこうという試みはやめるべき。と記憶の衰えに日々憂える私たちに寄り添うように語りかけてくれる。

    第1章 海の魔物――海馬の発見
    第2章 二月にタツノオトシゴ(海馬)を求めて潜水を――記憶は脳のどこに定着するか
    第3章 スカイダイバーが最後に考えること
    ――個人的な記憶とは
    第4章 カッコウのひな
    ――虚偽記憶はいつ(正常な)記憶の中に忍びこむか
    第5章 大掛かりなタクシー実験とかなり奇妙なチェス対決――記憶力をよくする方法
    第6章 忘却は思い出の真珠を作る――なぜ人は忘れるのか
    第7章 脳内のタイムマシン
    ――過去を思い出すことも未来を想像することも

    どの章も面白かった。
    記憶の捏造は誰でも簡単にしてしまいがちであることがとてもよくわかった。
    とりわけ目から鱗が落ちたのは第7章だった。
    記憶は過去にも未来にも双方に働くというのは、薄々生活の中で分かっていたはずなのに、このようにわかりやすく科学的に説明されるとハッとしてしまったのだ。
    過去の記憶があるからこそ未来を想像できる。
    未来が想像できるからこそ、文学が生まれたのだ。
    また、うつ病などを患うと未来の想像があやふやになり難しくなる。孤立を深めても未来の想像があやふやになる。生き詰まりそうになる。
    そんな時は「物語」に触れるのが良いのだそうだ。
    物語に、他者の人生に多く触れることで、生き詰まっていたところに、「今」以外の未来を見ることができる。
    そうか…だから私はこんなにも物語を欲しているのか。とものすごく腑に落ちた。物語に触れるのは私にとって、とても大事なことだ。

    具体的に未来をシミュレーションすることで、さまざまなシナリオの細部が明確になりどれを選ぶか判断しやすくなるという未来思考を「エピソード先見(⇔エピソード記憶)」と、トーマス・ズデンドルフ氏は呼んでいるらしく、とても興味深かったので書き留めた。
    またノルウェーでの事例・研究やノルウェーで活躍する人物などもたくさん知ることができるのでそこもいい。

    本書ではたくさん先行研究を調べていて、それでもまだ未知数な部分の多い記憶。人間の脳のしくみ。
    もっともっと知りたいと思った。
    そして何度でも本書を読み込みたいと思った。
    もちろん、多くの人に読まれてほしいとも。 

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    2022年06月23日
  • 海馬を求めて潜水を――作家と神経心理学者姉妹の記憶をめぐる冒険

    Posted by ブクログ

    海馬から始めて記憶への考察実験が始まる。お決まりのラットに電流を流すものからMRIや不幸なきっかけで海馬を除去したヘンリーの記録、ダイバーによる記憶やイルヴァ自身による100日間の実験など実に多方面から記憶を見つめる。そして未来との関係、鬱との関連など興味は尽きない。
    忘れることにも意味があり、忘れてもいいんだよということにほっとした。

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    2021年10月07日
  • 海馬を求めて潜水を――作家と神経心理学者姉妹の記憶をめぐる冒険

    Posted by ブクログ

    人の脳に棲むタツノオトシゴ——海馬。作家のヒルダと心理学者のイルヴァ姉妹は、地理と記憶の関係性や、他人の記憶を捏造することは可能かどうかなどを過去の研究に基づいて自らも実験し、記憶を司る器官の謎を探っていく。また、警察官、タクシー運転手、チェスプレイヤー、俳優、テロ被害者でもあるテロ研究者など、幅広い人びとへのインタビューを通じて「人の生にとって記憶とは何か」という問いに軽やかな答えを提案してくれる、記憶と忘却にまつわるノンフィクション。


    面白かった!オリヴァー・サックスに近い読みごこちだが、サックスが脳神経科医として患者の脳に接しているのに対して、こちらは作家と心理学者のコンビなので固い定義に拠らない、柔らかい意味での〈精神〉や〈心〉に触れるような書き方。この距離感がとても読みやすかった。「私たち」という一人称複数も心地よい。
    面白かったエピソードは、まず脳の機能不全でエピソード記憶がない人が一定数いるということ。意味記憶はあるので日常生活を送るには支障ないが、他人が幼少期の記憶をありありと語るのを聞いて「作り話だ」と思っていたという。なにせ他人の頭のなかの話なのでわからないが、こういう人はそれなりにいるんだろうな。個人的にはエピソード記憶がないとどんな夢を見るのか気になる。見ないのかな。
    PTSDのような心的後遺症を残さないためには、激しいショックを受けた直後にテトリスをすると記憶が定着するのを防げる、という実験の話も面白かった。実践向きじゃないと言われてたけど、たぶんみんな好きな芸能人のスキャンダルにショックを受けたあと、自然とスマホゲームして記憶定着を防いでたりするよねきっと。ノルウェーのウトヤ島で起きたテロ事件の被害者へのインタビューによって浮き彫りになる目撃証言のみを頼ることの危うさや、かつて脅迫めいた取り調べを行なっていた警察官へのインタビューも印象深かった。
    人はなぜ過去を記憶するのだろう。本書の著者、オストビー姉妹によれば、それは未来を想像するためだ。〈未来思考〉と〈過去の記憶〉は分かち難く結ばれている。

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    2021年07月21日
  • きのこのなぐさめ

    Posted by ブクログ

    ノルウェー で文化人類学者をやっているマレーシア人のエッセイ。ノルウェー 人の夫を失った悲しみのケアときのこの喜びへの目覚め。

    きのこの匂いセミナー
    教科書的に語られるきのこの匂いは実情とことなる。

    香水の研究をしている知人にきのこのアロマの嗅ぎ分けについて相談。きのこの匂いもハーモニーのように説明できるか?

    ノルウェー ではマツタケは靴下の匂いがする食べられないきのことして扱われている。名前も悪臭きのこ。日本ではマツタケは高級品。

    ノルウェー で発見されたのが先だったので、臭いきのこで学名登録されそうになった。これに日本のロビイストが抗議したため、学名もマツタケで登録された、というエピソード。

    マツタケの旨みは水溶性で、油溶性ではない。マツタケの真骨頂は炊き込みご飯。ノルウェー でやるようなバター焼きでは旨みはでない。

    ノルウェー で非食用とされてるきのこが日本では高級品なように、ノルウェー の高級きのこはフランスでは非食用のことも。トガリアミガサタケ。

    野生のきのこの方が養殖きのこより美味しい。土が良いから。

    マレーシアの森はジャングルなので森に入るのは一般的でないが、ノルウェー では森はレクリエーションの場。

    その他、きのこのレシピも。

    きのこの学名を覚えると、世界中のキノコ愛好者とやりとりできるし情報を集められる。

    キノコをたべるのはノルウェー の伝統ではない。森に親しみ、きのこを取ってたべるのは、一昔前のモダンな知識人の習慣だった。

    保守的な人ほどキノコフォビアで、お腹を壊さないか。毒にあたらないか心配して怖がる。

    マレーシアで習った詩、オジマンディアス
    パーシービッシュシェリーが書いた

    「我が名はオジマンディアス。王の中の王だ。全能の神よ、わが業を見よ。そして絶望せよ」

    砂のなかに半分沈められた、壊れた王の像に刻まれていたのは、これらのわずかな言葉だけだった。

    栄誉と名声ははかないもので、最も硬い素材でつくられた石造も、時が経つに連れ、崩れ去る。

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    2020年09月22日

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