フランス人哲学者による、巷で騒がれるシンギュラリティに対して疑問を呈する著作。
シンギュラリティという言葉はもはやバズワードとなりつつありますが、筆者はその背景にハイテク企業による傲慢、不安、そして目くらましがあると説きます。
ムーアの法則が永遠のものではないことは少し考えれば分かりそうですが、それ
...続きを読むをもってシンギュラリティは幻想だと言えるのか。個人的にはシンギュラリティはSFの題材としては面白いと思っているので、色々とニュースなどを追ってはいるのですが、なかなか先行き不透明感が強いようです。ただ、GAFAなどのハイテク企業は利益追求のために、シンギュラリティに至る技術を開発、それを独占しようとする動機はありそうです。
人文系の教養の高さが時折伺える筆運びです。日本ではそれほど多くないタイプの知識人で、フランス人らしさを感じました。