テレビ局の未来がどのように語られるのだろうと期待して読みました。
感想としては期待していた未来は出てこなかったという印象です。
前半の汎テレビ時代(パクステレビーナ)の回顧は日テレの現場で
実際に経験した当事者の立場から語られており非常に面白かったのですし
放送法にがんじがらめにされたテレビ媒体に
...続きを読むついてもよく理解できましたが
後半については少し物足りなかったです。
203Q年や204Q年という形で未来の見通しが具体的に語られていますが
10年ズレている印象です。
また、テレビ局の再編を政界や金融業界のそれになぞらえて
業界の在り方は変わっても大事なものは残る=テレビは終わらない
と結論付けられていますが、見通しは甘いのかなと思います。
電波での放送という形態は間違いなく衰退に向かっていますし
その流れは押し留められることはないと思います。
ソフト・ハード一体というある意味特殊な形態でずっとやってきた
日本のテレビ局がその在り方を見直していくこともそうですが
テレビというよりマスメディアの存在価値・存在意義すら
怪しくなってくる時代が今後10年以内には来ると思いますので
テレビ局としても映像市場を中心にしていくとは思いますが
別業態に変わることも含めてゼロベースで検討していく必要がある
と思っています。
そのた検討のための一助となる本ではあるかなと思います。