ゲーム制作の基本的な流れの説明の後に、複数の執筆陣によるそれぞれのゲーム制作における考え方等が書かれている本。
後者に大半のページが割かれているため、体系的なゲームデザインの知識を得るには情報が少ない印象を受けます。ゲームデザインについて詳しく学びたいなら、その内容に特化した他の本を手にしたほうが
...続きを読む良い気がします。
本書はどちらかというと、他のクリエイターの意見・考えを知ることができる、という点に価値があるように思います。
個人的には鈴木理香氏の書かれていた内容が、とびぬけて素晴らしかったと思っています。ゲームシナリオ作成に対する考え方、実際に手掛けた作品での事例紹介、そして何より圧倒的な文章力の高さ。値段の安くない本でしたが、この部分を読むだけでも値段分の価値はあったと思っています。
他の執筆者についても、皆ベテランで有名タイトルを手がけた人もいるので、参考になったり考えさせられる部分はあるのでは、と思います。ただ、人によっては自分に酔ってる感があったり、新しいゲームやアイディアを生み出す可能性を狭めるだけの意見もあったりするので、合わない部分があるかもしれません。
そういう点もあって、ちょっと人を選ぶ本という印象。学生や新人のような「まっさら」な人より、3年くらいキャリアがあって、ゲーム制作に関してある程度自分の考えを持った人が、知見を広げるために読むのに向いてるような気がしました。