作品一覧

  • 京都人の舌つづみ
    -
    「うちは、レールものを買わへん」という祖母の台所哲学によって味感を育まれた著者。いまも“ほんまもん”を求めて「京を食う日々」を暮らす。春には掘りたての筍、夏には鮎や鱧、秋から冬には京野菜の鍋と漬物、さらに豆腐や湯葉や生麩、そして、鮒ずし、鯖ずし、「へしこ」といった発酵食品に舌つづみをうつ。かしこまった京料理におさまらない著者の食欲は、真摯で求道的でさえある。「かつて日本は貧しかったが、食材への気配りは京都だけでなく全国どこの家庭にもあった」と懐かしむ。植物染を専らとし、日本の伝統色と染織史の研究家でもある著者は「料理も染色も基本は同じ」と語る。すなわち「素材を見極める」「時間を見計らって火の強弱を気遣う」という点が同じだという。そして、染色も料理も「早く済ませたいと、どこかで手抜きをすると必ず失敗する」という。垂涎のエッセイ集である。
  • 日本の色を知る
    4.5
    化学染料を使わずに天然素材で糸や布を染めていた時代の色彩とは。植物染による日本の伝統色を追究してきた著者が、折々の季節、行事にまつわる色を解説。物語や歌に込められた四季の想いを手掛かりに、古来の色彩感覚を甦らせる。紅花(べにばな)、藍、刈安(かりやす)などによる古法の染色方法を解明しつつ、古くは平安時代にさかのぼり、日本人が色とどのように付き合ってきたかを紹介。美しいカラー写真とともに綴る、「日本の伝統色」入門書。
  • 日本の色を知る

    Posted by ブクログ

    ・日本の豊かな自然とそこに暮らす人々の繋がりを、古今和歌集や万葉集等を交えながら色という視点から描いている。
    ・日本古来から培われた色に対する感性を追体験でき、脳内にある塗り絵に色を満たしていくような感覚を覚えた。

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    2024年05月09日
  • 日本の色を知る

    Posted by ブクログ

    ・吉岡幸雄「日本の色を知る」(角川文庫)は 染織家の書いた書である。昔風に言へば染め物屋の著作である。当然カラーである。文庫本ながらきれいな本である。見てゐるだけで楽しい。色だけでなく花や風 景の写真も、その色に関連して載る。さういふのも美しい。例へば襲の色目、これは古語辞典や国語図録等によく出てゐる。しかし、それゆゑにどれが 本当の色なのか分からないことがよくある。似てゐると言へるのならまだ良い。へたをするとほとんど別の色である。それが同じ襲として出てくる。素人はどちらを信じたら良いのか分からなくなる。いや、どちらも信じられなくなる。さういふ時、標準になる色の図鑑等があればと思ふ。ところが、

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    2016年05月01日

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