■1URL 1コンテンツの原則とは
検索エンジンがWebページを取り扱う際に、すべての基本となる原則があります。「URL単位でベージを区別する」原則です。URLが1文字でも異なれば別ページと認識されます。
また、ユーザーに提供する情報で偏りをなくすために、検索結果には可能な限り多様なドメインのペ
...続きを読むージを掲載する仕組みが採用されています。そのため、同一キーワードに対して同一ドメインの複数ページで対策しても、検索結果にはいずれか1ページしか表示されない可能性があります。つまり、一方のページはSEOの観点で無駄なページとなってしまいます。
反対に、1ページに多くのコンテンツを詰めこみ、多数のキーワード対策を検討するケースもありますが、ユーザーが求める情報とは無関係のコンテンツが多くなり、目的の情報を見つけにくくなります。つまり、検索結果に表示され、かつユーザーにとっても分かりやすいページにするには、前述の「1URL1コンテンツの原則」を守る必要があります。
■noindex/nofollow
noindexはページをインデックスさせたくないときに使用します。noindexを指定すると、クローラにインデックスされなくなるため、対象ページは検索結果にも表示されなくなります。下記に挙げるページなどで利用します。
・サイト内検索結果ページ。特にヒット件数が0件のページなど重複コンテンツになるページ(重複コンテンツへの対応は「2-1-2 URLの正規化」を参照)
・質が低く検索結果に表示させたくないページ
・キャンペーンページなど、検索からの流入を避けたいページ
・会員ページ管理画面など、特定のユーザーに限定公開しているページ
noindexを指定する場合、ページのリンクを辿って欲しくないときに指定するnofollowとセットで記述します。「noindex」のみや「noindex/follow」も記述可能ですが、長期的には「noindex/nofollow」と同じだと、 Webmaster Central Office Hoursでも言及されています。
■構造化マークアップ
そもそも「要素」に意味を付与するとはどういうことでしょうか。例えば、お菓子の新商品が「ふわふわねじねじ」の名称で発売されたと仮定しましょう。コンピューターは「ふわふわねじねじ」が何かを知りません。そのため、「ねじ」として間違って分類する可能性があります。日曜大工で「ねじ」が必要になったユーザーが、Googleで検索して「ふわふわねじねじ」が表示されたらどうでしょうか。目的は達成できず、UX(User Experience=ユーザー体験)は損なわれます。そのため、この未知の「ふわふわねじねじ」が「食べ物」でお菓子の「名前」であると、コンピュータに正しく認識させる必要があります。
そのため登場したのが構造化マークアップです。構造化マークアップを利用することで「ふわふわねじねじ」が商品としての食べ物であり、お菓子の名前であることをHTML上に記述できます。検索エエンジンは構造化マークアップのおかげで、より質の高い検索結果を返し、ユーザーは探したいページを簡単に見つけられるようになります。
この通り、有用な構造化マークアップですが、その普及当初は複数の規格が存在していたことが障壁でした。そこで、2011年に検索エンジン大手であるGoogleとMicrosoft、Yahoo!が共同でschema.orgプロジェクトを立ち上げて規格の統一を図りました。現在はschema.orgが定めた規格に則り、構造化マークアップが行われています。
■Webページの表示プロセス
離脱率の上昇
・サイトの表示までに3秒以上かかると40%以上のユーザーが離脱
・表示が1秒遅れるごとにコンバージョン率は7%減少
・読み込みが1秒から3秒になると、直帰率は32%上がる
・読み込みが1秒から5秒になると、直帰率は90%上がる
・読み込みが1秒から6秒になると、直帰率は106%上がる
・読み込みが1秒から10秒になると、直帰率は123%上がる
リピート率の低下
・79%はパフォーマンスに不満を持ったサイトを再び利用したくないと感じる
・通販サイト利用者の52%がサイトのロイヤリティにおいてページの表示速度を重視
結果として、表示が1秒遅れるごとに顧客満足度は16%落ち、さらに44%が友人にオンライン上での悪い体験を共有する模様です。
この通り、Webページの表示速度はユーザー体験に多大な影響を及ぼします。そのため、Googleはユーザー体験の向上のために、Webサイトの表示速度を評価要因として採用しており、ユーザーの観点はもちろん、SEOの観点でもページの表示速度の高速化が重要になっています。そこで本節では、ページの表示速度を高速化するため、まずはWebページの表示プロセスを説明します。
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Webページの表示までの流れを時系列で追ってみましょう。
まずはWebブラウザでのURL入力を起点に、ネットワークを介してWebサーバーヘリクエストが送信されます。それを受け取ったWebサーバーはリクエスト情報に応じて、HTMLファイルを作成してブラウザへ送り返します。
ここまでの流れである、WebサーバーからWebブラウザに最初の1バイトが返ってくるまでのプロセスに要する時間を「TTFB」(Time To First Byte)と呼び、Googleは200ms(0.2秒)以内に収めることを推奨しています。
■モバイルフレンドリーにするための注意点
・読みやすいフォントサイズ・行間にする
・タップ要素間に適切な間隔を空ける
・再生できないコンテンツを掲載しない
・インタースティシャルを回避する
・表示速度を速くする
■AMPページで得られる効果
表示速度が速くなることで、クリック率だけではなく滞在時間やコンバージョンにも影響を与えます。Google I/O 2018では、 すべてAMPで構築されたニュースサイトでは、AMPページの滞在時間が2倍、セッションあたりのページビュー数が3.5倍に向上した事例が紹介されています。
また、AMPプロジェクト公式サイトでは、フランスの通販サイトでのAMP導入事例では、モバイル経由のコンバージョン率が80%上昇し、CPA(顧客獲得単価)が66%減少したと紹介されています。
■Page Quality評価の基準
・専門知識・権威・信頼性(E-A-T)
・メインコンテンツの質と量
・Webサイトの情報と責任の所在
・Webサイトの評判
■未知の検索クエリ
・検索クエリの44%は、3ワード以上
・検索クエリの64%は、AdWords広告出稿されたキーワードと完全一致しなかった
・検索クエリの20%は、過去90日間に存在しなかった
また、Googleは毎日膨大な数の検索を処理しており、そのうち15%は今までになかったまったく新しい検索クエリだといわれています。
こうした状況からも分かる通り、音声検索の普及など検索行動の変化に伴って、検索クエリも長文化し多様化しています。そのため、従来の特定キーワードに絞ったSEOでは取りこぼす可能性が高く、新しいキーワードでの検索に対して最適な検索結果を返すことができません。
ユーザーの多様なニーズに合致するコンテンツを用意できるよう、検索キーワードだけではなく、その背景にあるユーザーの意図に沿ったコンテンツを作成することが大切です。そうすることで、将来的に発生するであろう未知の検索クエリにも応えられるコンテンツを作成できます。
■サイテーション
当初Googleが開発したアルゴリズムは被リンクのみが対象であり、被リンク数が多ければ多いほど、価値あるページとして評価していました。そのため、外部要素 = 被リンクと理解されている方も少なく ありません。
現在はnofollow値が付与されている被リンク、さらにa要素のリンクでない言及も、外部要素として評価されている可能性があります。これを「サイテーション」(Citation)と呼びます。サイテーションとは、英語で「引用」を意味する言葉で、まさに外部要素の本質を象徴しています。
また、GoogleのGary Illyes氏は、「Webサイトがインターネットでどのように受け取られているかが重要だ。例えば、SNSでどのように言及されているかをGoogleは見ている」とも述べています。
被リンクは「明示的」な引用で、サイテーションは「暗示的」な引用であるため、検索エンジンが認識しやすく、より正確に評価できるのは被リンクです。そのため、外部要素としての重要性は依然として被リンクの方が高いと考えられますが、サイテーションも意識することで、外部施策の幅が格段に広がります。