作品一覧

  • となりの男
    5.0
    1巻1,056円 (税込)
    小説家になる夢を捨てきれず、勤めの傍ら小説を書き続ける主人公の男の家に、小中学校の同級生・湯川秀樹が風呂敷包いっぱいの原稿を抱え、「作家になりたいんや」と押しかける。 鼠のような目をした湯川は、うすのろぶりを皆に馬鹿にされ続けてきた奴だ。 しかし、その可笑しな感性を生かし、常人には作り得ない作品世界を作り出せるのではないか……。蔑んできた男が、自分が心から欲している才能を隠し持っているかもしれないという期待と嫉妬。湯川のことが頭から離れなくなった男は、いつしか湯川を題材に小説を書き始める――。 表題作「となりの男」ほか、「ユタの肖像」「桜かがよう声よ」「水門」 全4篇の人間の本質に迫る短篇を収録。

    試し読み

    フォロー
  • 諏訪育ち─姫路にて─
    -
    1巻880円 (税込)
    『月柱』『官兵衛さんの大きな夢』等の著者が、2001年から16年に文芸誌『播火』の巻頭に連載した珠玉のエッセイ集。諏訪に生まれ姫路に暮らす作家が日常の中から、一瞬の呼吸のごとき、一瞥の視線のごとき、一握の熱砂のごとき自身の姿を切り取る。「大器、いま鮮やかなる作家が人間の真実を描いたエッセイ」(評論家・森田実)

ユーザーレビュー

  • となりの男

    Posted by ブクログ

    ・ユタの肖像
     飲みに誘ってきた友達、一仙とその弟子の行動により、人を信じることを恐れるようになった由布に、唯一、ほんの少し「信頼」の希望を与えた田島。これが後の由布の手紙、そして「九時四分」に繋がる。
    「世界は、時代の証たちは、田島たちの書き出そうとする超現実の作品を超えて、なお超現実に思える。」
     まさに、その通りだと思った。世界には、小説以上に現実離れした事象や出来事で溢れている。しかしそれを、当たり前のように錯覚し、小説のような夢物語とは判断しない。あくまでも生活の一部であり、非現実ではない。
     それは、なぜか。現実として、起こったからだろうか。小説の内容は、実際には起こっていないから

    0
    2023年04月04日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!