作品一覧

  • 社会学的方法の規準
    4.2
    1巻1,045円 (税込)
    マックス・ウェーバーと並ぶ社会学の祖エミール・デュルケーム(1858-1917年)が1895年に世に問うたマニフェストの書、待望の新訳。『社会分業論』(1893年)で名を馳せたデュルケームは、その2年後、社会学に固有の対象である「社会的事実」の存在を宣言し、それを扱う方法を提示する。本書が与えた影響は計り知れない。この古典中の古典を第一級の専門家が明快な日本語にした決定版が完成!
  • 社会分業論
    -
    1巻1,815円 (税込)
    近代社会はいかにして誕生したのか、社会はどのように分化・発展していくのか。そもそも人類はなぜ社会を必要としたのか──。これら難問を解く手がかりが「分業」である。分業の進展が商品生産を飛躍的に向上させ、資本主義の発展に大きく寄与したことはいうまでもない。だがそれ以上に、分業は新たなかたちで人々を結びつけ社会の礎としての役割を果たしてきた。「機械的連帯から有機的連帯へ」というテーゼとともに語られる本書は、ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』と双璧をなす社会学の原点として高く評価されている。デュルケーム畢生の大著を、定評ある名訳で送る。
  • 宗教生活の基本形態(全) ──オーストラリアにおけるトーテム体系
    -
    1巻2,750円 (税込)
    宗教の本質的要素=宗教生活の基本形態を明らかにした古典的名著を清新な新訳で送る。上下巻を合本した「完全版」、待望の電子化。【上巻】序論「探求の目的」と、宗教の定義を検討しアミニスム、ナチュリスムなどの主要学説を批判した上でトーテミスム研究の略史を扱った第一部「前提問題」、さらに第二部「基本的信念」のうち、トーテミスムの概念を掘り下げ、その原理であるマナの概念を析出する第七章までを収録。【下巻】霊魂と精霊の概念を扱う第二部「基本的信念」の後半に続いて、禁忌の体系や供犠、また償いの儀礼や聖概念の両義性を検討する第三部「主要な儀礼的態度」を収める。「結論」では、研究結果を再検討し、共通の行為としての宗教儀礼が社会を「作り直す」根源的行為であることを解明する。詳細な訳者解説を付す。

ユーザーレビュー

  • 社会学的方法の規準

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    「社会的事実」とは、個人に外的拘束を及ぼしうる行為様式であり、それ個人から独立した存在性を持つ。
    「社会的事実」は、物として扱わなければならない。つまり、観念や意識から独立した、科学の対象となる客観的な物として。

    このように社会学固有の対象としての「社会的事実」の概念を打ち出した本書は、社会学確立の記念碑である。

    社会的事実について、規範から外れるかもしれないことを企図すると個人は強い心理的抵抗を受け、それを実行に移すとしばしば現実的抵抗を受ける。個々人を超えた「かのような」社会的な拘束性はたしかに感じられる。
    そのような個人に還元できない「社会的事実」の概念を打ち出した功績は大きいのだが

    0
    2024年03月14日
  • 社会学的方法の規準

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     「社会はなぜ右と左に分かれるのか(ジョナサン・ハイト著)」で保守の道徳的源流として幾度となく引用されていたデュルケーム。そこでは、道徳がもたらす規制が人間をして協力的な社会の構築を可能にする、道徳の機能主義的な描写がなされていた。直後に読んだ「現代経済学の直感的方法(長沼伸一郎著)」ではデュルケームへの直接の言及こそないものの、現代資本主義の閉塞を打破する契機として、宗教や愛国心などの「大きな物語」による伝統的社会の保存の必要性が説かれており、デュルケームのいう紐帯としての宗教のアイディアとの共通点を感じた。こうして、永らく読もうと思いながら躊躇していた本書を読む機会がようやく到来したのだっ

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    2020年05月15日
  • 社会学的方法の規準

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    断捨離前の再読
    5年前、コロナで強制帰国となった後の隔離期間中に読んだ本。

    p.237
    『この方法は、社会学への入門の前提条件として、これまで習慣的に用いてきた物の見方を破棄し、新たに苦労して考え直すよう人々に要求するのだから、多数の顧客の獲得など期待すべくもない。しかし、われわれの企ての目的は、多数の顧客の獲得ではないのだ。むしろ、反対に、社会学がいわゆる世俗的な成功を放棄して、およそ科学というものにふさわしい秘数的な性格を獲得すべき時期が到来していると思われるのだ。こうして社会学は通俗的な人気においておそらく失うものを、威厳と権威において取り戻すであろう。』

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    2025年11月30日
  • 社会学的方法の規準

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    お互いに似ているからという理由で連帯する社会がある。部族社会。村社会。個人は個性を持たず社会に埋没。全体の価値・信念に従う。分業はあまり進んでいない。ある無機物の固体はたくさんの分子から構成されるが、それぞれの分子は個性的な活動はしない。それに似ている▼一方、お互いに違うからという理由で連帯する社会もある。個人はそれぞれ個性があり、得意・不得意がある。それぞれの活動はお互いに依存している。分業が進んでいる。個人はそれぞれ、お互いに依存している生物の臓器たちのよう。このような社会では、それぞれの個人が違っているからこそ連帯が生まれる。個人の人格を尊重することが大切になる▼社会の側が、個人の人格尊

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    2025年02月26日
  • 社会学的方法の規準

    Posted by ブクログ

      どういった観点で「社会」を見なければならないか、どの様は基準を設けるべきか、あるいは設けてはいけないかを論じている。西洋的価値観に基づく観点を捨て、その事象を一つの事実として認めるよう訴えている。ある社会では悪徳とされることであっても、別の社会においては称賛される行為があるとき、称賛される社会を異常や例外とするのではなく、その事実を受け止め、なぜそのような違いが生じたのかを検証することこそが「社会学」となる、ということである。これを主軸として、通俗的な物の見方を改めることを勧め、暗黙の了解で使っていた様々な言葉に対してきちんとした定義を与えることを求めている。また、思い込み、決めつけ。そう

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    2018年10月13日

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