作品一覧

  • 環境経済学:『沈黙の春』から気候変動まで

    環境経済学:『沈黙の春』から気候変動まで

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,881円 (税込)
    「コースの定理」から「スターン報告」まで、環境経済学説と公共政策の基礎をつかむ レイチェル・カーソンが『沈黙の春』を発表したのは1962年のことである。同書は、マラリア蚊に効果のあった殺虫剤DDTを大量に散布することが深刻な環境汚染をもたらすと警告し、その後の環境政策の嚆矢となったのは周知の通りである。これに先立つこと10年、イギリスもロンドンスモッグの甚大な被害を受けて、環境規制の法制化がはじまり、1956年には大気浄化法が制定されている。 それから半世紀以上が経過し、環境問題は社会運動やエコロジー運動というよりも経済学の一大分野として確立した。この間開発されてきた経済モデルなしには、問題への有効なアプローチは困難になっている。 本書は、そうした道具立てをこれ以上ないほど分かりやすく伝える本になっている。コースの定理、規制アプローチと市場アプローチ、環境の費用計算、そして気候変動のさまざまな枠組みというように、それぞれのモデルが過不足なく、適切に配置されているのが最大の特長である。 気候変動はじめ環境問題への関心はかつてない高まりをみせている。巻末にこの数十年の出来事を概観する訳者解説と年表も付した。
  • 税 起源・歴史・現在:なぜ払うのか? 誰の負担が重いのか?

    税 起源・歴史・現在:なぜ払うのか? 誰の負担が重いのか?

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻2,178円 (税込)
    一番重い負担を背負うのは誰か? 私たちの身の回りには、さまざまな税があり、生活費の支出のかなりの部分が税金だ。しかし、税がいつからはじまり、どのような試行錯誤と歴史的経緯を踏まえて、今日に至っているのかは知られていない。 所得税はナポレオン戦争下のイギリス、消費税は一九五〇年代フランスで始まったなど、本書には豆知識が満載だ! また関税や酒税、たばこ税への依存は発展途上国の特徴であり、国が豊かになればその比重が落ちるという指摘も、トランプ関税が世の中を席捲している現状を踏まえると興味深い。もしかしたら時代は逆戻りしているのかもしれない。 こうした歴史の小ネタだけでなく、税の経済効果についても本書は踏み込む。本書によれば、昨今話題の食料品の消費減税は実は効果はないという。そして、税負担は最終的に誰にのしかかってくるのか。この重い問いに本書では経済分析に基づいて回答を与えている。 近代国家は物品税から直接税へ、直接税から間接税へと展開してきた。環境問題や貿易不均衡が大きな課題になるなか、税の未来には果たして何が待っているのか? 世界的権威が語り切った一冊! [目次] 第一章 なぜ税金があるのだろう? 第二章 税制の仕組み 第三章 税金を負担するのは誰か? 第四章 税制と経済 第五章 脱税と対抗策 第六章 税制の問題
  • ダーウィン・エコノミー 自由、競争、公益

    ダーウィン・エコノミー 自由、競争、公益

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    ■昔のほうが、生活は豊かだった。社会の中間層には経済的活力があり、社会インフラはきちんとメンテナンスされていた。だが、その後何十年にもわたって経済成長率は大きく鈍り、中間層の時間当たり賃金は減少する一方で、CEOの賃金は10倍になった。富の格差は広がる一方だ。 ■「経済学の父」とされるアダム・スミスは、自由な市場はすべての人にとっての最善を生み出すと考えた。だが、現実世界を見回すとスミスの「見えざる手」が機能していないように思える。むしろ、ダーウィンが観察したように、個々の動物の利益と、種としての大きな利益は深刻に対立している。 ■このダーウィンの観察を、経済に応用したら、どんな世界が見えるだろうか。個人の利益と、社会全体の利益は、どうやってバランスさせればよいのだろうか。格差、教育、公共投資、貧困といった諸問題に対し、人気経済学者が解決策を提示する。
  • 民主主義の壊れ方:クーデタ・大惨事・テクノロジー

    民主主義の壊れ方:クーデタ・大惨事・テクノロジー

    ビジネス・実用

    3.5
    1巻2,376円 (税込)
    SNSが政治を溶かす 民主主義の危機――。こう言われて何が思い浮かぶだろうか? ファシズム、暴力、そして世界大戦の夜明け……もし、こうした1930年代の光景が浮かんできたなら、それこそ危険な兆候だ(苦笑)。 本書によれば、1930年代が再現されることはまずない。過去のある時代が衝撃的だからと言って、それに固執しすぎると、より重要な他の時代の教訓を見逃すことになる。 もし、いまの危機と似ている時代があるとするなら、それは1890年代だ。貧富の差が拡大、ドレフュス事件はじめ陰謀論が跋扈し、ポピュリズムが生まれたあの時代である。このときは革新主義と世界大戦で危機を乗り越えたが、現在その選択肢はない。 本書では、クーデタ・大惨事・テクノロジーという観点から民主主義の崩壊をシミュレートする。そこにトランプはいない。中国の権威主義体制も民主主義を覆すには至らない。 では何が脅威なのか? 「トランプは登場したが、いずれ退場していく。ザッカーバーグは居続ける。これが民主主義の未来である」。ケンブリッジ大学政治学教授が描く、異色のデモクラシー論!
  • いまこそ経済成長を取り戻せ:崩壊の瀬戸際で経済学に何ができるか

    いまこそ経済成長を取り戻せ:崩壊の瀬戸際で経済学に何ができるか

    ビジネス・実用

    -
    1巻2,376円 (税込)
    「脱成長」を掲げる論調が顕著になってきた。背景にあるのは、所得格差の拡大や高齢化はじめ、社会構造の根本的な変化である。 加えて、これ以上グローバリゼーションを推し進めるべきではないという不満もあちこちで聞こえてくる。ブレグジットとトランプ誕生はその象徴的な出来事だった。 しかし、問題の本質は「脱成長」やグローバル化にあるのだろうか。これが本書の出発点である。 『援助じゃアフリカは発展しない』(東洋経済新報社)で一世を風靡し、「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた著者によると、リベラル・デモクラシーの凋落と権威主義国家の台頭にこそ、事態を見極める糸口がある。 中国はじめ権威主義国家の経済成長が顕著であるのに対し、欧米の民主主義国は苦境に喘いでいる。途上国は欧米ではなく中国をモデルに経済運営するようになった。 それでは中国のように欧米も民主主義を打ち捨てて権威主義国家化すればいいのか。もちろん、そうではない。デモクラシーが経済成長を取り戻すこと。ここに本書の大きな力点が置かれる。政治・経済・社会を覆う「短期志向」からの脱却が成長の鍵を握っている。

ユーザーレビュー

  • ダーウィン・エコノミー 自由、競争、公益

    Posted by ブクログ

    アダムスミスの見えざる手だけでは説明できない市場原理について、ダーウィンによる進化論をもとにした経済ロジックで個人の利益が集団の利益と相反する場合がある時にどのようにして最適な結論や選択を導いていくかを論じている。

    リバタリアンについてあまり知らなかったけど、リバタリアンがどのような存在なのかもなんとなくイメージを掴めたし、単純に資本主義の在り方についても考えさせられた。

    そして、著者のロジックの作り方が非常に上手く、その考え方も非常に勉強になった。

    0
    2022年09月02日
  • ダーウィン・エコノミー 自由、競争、公益

    Posted by ブクログ

    ダーウィンの競争過程の考え方は、個々の動物の利益と、種としてのより大きな利益はしばしば深刻に対立する。

    「地位財」=その評価が背景にきわめて影響を受けやすい財(自動車、洋服、宝石といった目につきやすい財や、子孫を残すための投資など)

    「非地位財」=評価に対する背景の影響が相対的に低い財(保険といった目に見えない財や公共財など)

    ピグー税(有害な活動への課税)

    0
    2022年09月24日
  • 環境経済学:『沈黙の春』から気候変動まで

    Posted by ブクログ

    A very short introductionと謳っているように、環境経済学の総論的な入門書。非常に読みやすく、短時間で基本的な概念を理解するのに適している。
    筆者の主張を展開するというよりは、環境政策のアプローチの考え方と可能性・限界を紹介するに留まっている。

    0
    2022年05月02日
  • 民主主義の壊れ方:クーデタ・大惨事・テクノロジー

    Posted by ブクログ

    最近関心ある民主主義はどう終わるのかシリーズ。本書では、3つの壊れ方を示す。一つ目は「クーデターや政治的動乱」。これはまさに最近ミャンマーで起きたことを考えるとわかりやすい。ただ、著者が指摘する「成功するクーデター」は、「市民が知らないうちに、行動を起こす前に、権力移行が完了している」ものであり、ミャンマーの事例はうまくいかないのではないか。二つ目は「危機に対する感度が低くなった結果」。確かに、70年代には公害(沈黙の春)や核戦争・軍事同盟に対する反対運動などが活発だったが、現代はそれほどでもなく、いろいろなことに対する諦め感があって、この指摘には深く頷ける。三つ目は「デジタル革命の影響」。間違いを起こさない優れた知能が創造できるのであれば、愚かな政治家ではなくその「知能」に判断をまかせるべきではないかという「テクノクラシー」。しかし、判断の基準は人間が構築するのであり、結果、一握りの権力者の意向の隠れ蓑になるのではという指摘。これまで読んだこの種の本で、民主主義の本質は「参加と責任」であるとわかった。無関心・人任せ・諦めなどが、民主主義破壊の原因であると認識。

    0
    2021年03月07日
  • 民主主義の壊れ方:クーデタ・大惨事・テクノロジー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    心に残ったメモ
    ◇第一章-クーデタ
    ・一人当たりのGDPが8千ドル以上で民主主義が軍政化した例はない。
    ・民主主義を隠れ蓑にしたクーデタが存在する
     民主主義が確立された国では民主主義とそれを転覆させる行為の境界が曖昧になっている
    ・二十一世紀は陰謀論の黄金時代になりつつある。
    ・陰謀論はポピュリズム(エリートが人々から民主主義を奪ったと考える人)の論理
    ・総力戦の無い時代にポピュリズムの根を取り除くのはとても難しい。
    ・混沌や暴力を原動力として最善の形を引き出すことが民主主義の強さの一つ

    ◇第二章-大惨事
    ・政治家の痛いところを突くには存亡の危機を持ち出すことが有効である
    ・ゲーム理論の問題は生活関連の政策を核の問題に適用する点にある。
     個人レベルの選択の問題を存亡にかかわる問題と同等に位置付けてモデル化し、勝ち負けが重視される。
     民主主義で理想像を追求しても不確実性が増すだけである。
    ・相互接続という脅威
     金融、エネルギー、情報通信、医療、輸送のグローバルシステム化
     ネットワークの強みは同時にリスクとなりうる
     全体を集中管理は出来ず、停止ボタンもない
    あらゆるものが結合すると、物事を自分の頭で考えなくなる。
    現代の多くの政治家は後戻りできないミスを犯さないように綱渡りをするしかない。

    ◇第三章-テクノロジーによるのっとり!
    ・ガンディーの予言
    ・人々は動きの中に身を置きたい・・・デジタル時代の代議制民主主義に最も適合しているのはネットワーク効果
    ・ネットワークは広く横に展開するが、ヒエラルキーは垂直
    ・現代政治では調整弁としての政党の役割が否定された結果、閉塞した状況を打破する手段がなくなった。
    ・代議制民主主義は監視というゲームである。現在市民が優位に立っているが、
     情報を探り出す欲求に限度がある。情報が豊富にあるほど、情報に対する意識は失われる。
    ・人々は好奇心に駆られて行動する結果、自らをさらけ出すことになる。
     オンラインで利用できる情報が多いほど、有権者は利用者の情報を拡散する。
    ・注目を集めやすいフェイクニュースは簡単な金儲けにつながる。
    ・二十一世紀の広告業は人々が常時注目しているように認知バイアスに働きかける。
     人間が将来より現在の利益を重視する傾向を利用し、今持っているものに固執し、
     信じていることを正しいと確認させ、自分が注目されていると過剰反応し、自分の将来の姿を過小評価すること
     これらの感情を満足させ中毒になるように作られている。
    ・代議制民主主義はすぐに満足したい衝動を抑え、意思決定に時間をかけさせる。政治的な衝動が抑制されるよう尽力している。
     そのため人々は代議制民主主義に対して不満を抱くことになる。
    ・現代のネットワーク社会で人々が衝動的に行動する今は、直接民主主義による管理は適さない。
    ・デジタル技術を民主政治に取り込むには、選挙で選ばれた政治家が自らの機能で直接民主主義を実践することである。
    ・デジタル技術では複雑な課題に対して最適解を提示できる。
     政策の選択肢についてえ有権者がどう反応するか事前にテストすればよい。

    ◇第四章-よりよい明日はあるのか?
    ・政治家よりはるかにうまく国を運営する能力のある人は大勢いるが、国を運営できるのは政治の汚い世界をうまく渡っていける人である。
    ・現代民主主義の魅力とは
     ①尊厳を与えること。民主主義は個人の権利を尊重する。
     ②長期的利益を享受すること。安全な民主主義国で暮らすことで人々には安定な暮らし、繁栄、平和という利点がある。
    ・中国共産党が行っていること
     民主主義の価値を半分は提供するが、すべてではない。個人の尊厳と集団的利益の代わりに、個人の利益と集団の尊厳を約束する。
     民主的な表現の自由はない。個人の政治的尊厳は、言論の自由を抑圧する。国家の多数派に所属する限りはメリットを享受できる。
    ・個人の尊厳≒短期的な利益/集団の尊厳≒長期的繁栄
    ・権威主義に対して、民主主義は冗長で優柔不断に見えてしまう。権威主義は大きな問題に対したとき長期的な利益を犠牲にしても
     すぐに成果の出る政策を打ち出すことが可能である。
    ・知者の支配は2つの点で危険である。
     ①常に最善の政治形態を来たするあまり要求水準を高くしてしまう。民主主義には最悪の選択をしないという長所がある。
      常に新しい選択肢が生まれ、新陳代謝が起こる。
     ②テクノクラシーに陥ることを避けることが出来ない。システムを構築したものだけが正しい方向に軌道修正をする能力を持つからである。
    ・技術による平和
     現在の自分は未来の自分と異なり、実施雨滴に二人は別々の人間と考える。道徳的な優先順位が見直され、
     自分以外の近隣の人や遠くに住む人、まだ生まれていない世代にとって害となる行為を防ごうと思うようになる。
     細分化した個人はこれまで以上に周りに対して責任を感じるようになる。人々は平等な関係の中で初めて相手に対して義務を負っていることに気づく。
     機会に人を開放する潜在的な力を持つ可能性があるが正しく活用されるかはまだ分からない。

    ◇終章 民主主義はこうして終わりを迎える
     ・二十一世紀の民主主義は長所が生かせなくなっている。長所が個人レベルで認識される必要がある。
     人々はテクノクラシーに向かっている。個人レベルでは承認されたいという欲求がアイデンティティの問題とされる傾向にあり、
     アナキズムにちかづいている。個人の抱く政治的な怒りが民主主義を引き裂いている。
     ・アメリカ民主主義において、マーク・ザッカーバーグがドナルド・トランプ以上の脅威であるのは、テクノロジー業界の巨人は
     善意で自分たちの技術によって声なき人々の声を反映し、すべての人が承認される民主主義が実現できると信じているからだ。
     ・成熟した西欧民主主義は最盛期を過ぎた。
     ・問題を細分化し、管理することが民主主義の強みである。民主主義はその機能で延命が可能。
     ・民主主義と人類は一体ではない。
     ・民主主義を崩壊させないようにするにはそれぞれの道を進むしかない。
     ・民主主義が終焉を迎えることが問題ではなく、どのような形で民主主義が終わるかが問題である。

    0
    2021年01月26日

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