作品一覧

  • サルは大西洋を渡った――奇跡的な航海が生んだ進化史
    4.7
    1巻4,180円 (税込)
    「ありそうもない、稀有な、不可思議な、奇跡的な」ルーツこそが本物だった。植物や、翅のない昆虫、塩水に弱い両生類やサルなど、“海越えができない”はずの生きものたちが、大海原を渡って分布を広げた歴史が明らかになりつつある。地理的な障壁によって生物の分布域が分断されてきたとする「分断分布」偏重のパラダイムに、変革が起き始めていると著者は指摘する。新たに浮上してきたのは、動植物があちらの陸塊からこちらの陸塊へと奇跡の航海を遂げた、躍動感とサプライズに満ちた自然史である。歴史生物地理学の世界を覗き込めば、多彩な生きものたちの姿はもちろん、プレートテクトニクスや気候変動、化石記録に分子時計といった幅広い知見がひしめき合っている。個性豊かな研究者たちが、生物の来歴をめぐって激しく論争した経緯も、本書は臨場感たっぷりに映しとっている。第III部では、読み進むにつれてますます「ありそうもない度合い」の高い海越えの事例が登場するので、その頂点までどうかお見逃しなく。それらはいずれも、著者が最後に語る「私たちの世界は、なぜ今このような姿をしているのか?」という大きな描像の大切なピースなのだ。

ユーザーレビュー

  • サルは大西洋を渡った――奇跡的な航海が生んだ進化史

    Posted by ブクログ

    読む前は「おサルの大冒険」的な、イースター島まで海を渡った移民を再現したハイエルダールのコンチキ号漂流記のような内容を期待していた。残念ながら「おサルの大冒険」の記述は後半に少しだけしか無い。
    序盤から長々とプレート・テクトニクスの説明があり、おサルまだかおサルまだかというおサル渇望状態に陥る。ただ読み進めていくうちに内容に引き込まれおサルはどうでもよくなってくる。
    DNAを検証したところ生物の分布がプレート・テクトニクスやヒトによる移動では説明がつかず、昆虫、両生類、哺乳類などの生物が
    数百キロ、時には数千キロも海を渡っていたのではないかという考察。

    ◯面白かったところ
    サナダムシの起源論

    0
    2023年09月02日
  • サルは大西洋を渡った――奇跡的な航海が生んだ進化史

    Posted by ブクログ

    The一般向け学術書みたいな軽いノリの語り. 大陸移動説以後のあれやこれやはよく知らなかったが、まぁそういうことも当然あるだろうな、くらいの感想.

    0
    2018年03月09日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!