結論から、先に述べるが、ぜひ、(2)を出してほしい
ぜひ、この作品は続刊すべきだ
理想を言えば、週刊少年サンデーで連載してもらいたいくらい。まぁ、実現する可能性が、限りなく低いってのは百も承知だが
殿堂入りにさせてもらった、下西屋先生の『世界はハッピーエンドでできている』の感想で、この『アイちゃんと
...続きを読むえほん』より上だ、と書いた。正直、両作品をもう一度読み返してみても、その判断は変わらない
だが、一度目に読んだ時は感じなかった魅力が、確かにあった
改めて、この『アイちゃんとえほん』は、ガツンッと読み手のハートに真正面からぶつかってくる、中身のあるコメディだ
既に読んだ方からは、当然だろ、と笑われてしまいそうだが、この『アイちゃんとえほん』の最大の魅力は、アイちゃんに謎のお婆さんが与える、改変された絵本のストーリーにある
そうか、こういう解釈の仕方もあるのか、と目から鱗が落ちた
しみじみ、着眼点を変える事の大切さを教えて貰い、感謝している
そんなぶっ飛んではいるが、駄作ではない絵本に対し、アイちゃんのお父さんが入れる、キレのいいツッコミもまた、魅力を引き出しているのも間違いない
ぶっちゃけると、感想を書くべきか、迷っていたところはある
しかし、『世界はハッピーエンドでできている』の感想で引き合いに出した事に加え、再読した事で、書きたいって気持ちが一層に強まってしまった
他の漫画読みと感想書きの方なら共感してくれるかもしれないが、面白い漫画を読め、心が震えたなら、それは他の漫画読みに伝えたくなる。もし、それをつまらない理由で我慢などしていたら、体調が崩れかねない
結局、自分のためかい、とツッコまれそうだが、私としちゃ、この『アイちゃんとえほん』を他の方が読んでくれれば、その程度の泥、平気で被れる
心が温まるブラックユーモア、そんなパラドックスが好きな、少しばかり趣味がアブノーマルな方向に傾倒している漫画読みならば、ドンピシャであろう話ばかり
そんな中から、私がお勧めしたいのは、第1話「アイちゃんとももたろう」だ
推薦する理由は色々とある。日本人ならば、誰でも知っている童話をチョイスする判断がいい、どんでん返しの連続を貫いた姿勢が評価できる、最期の最後で感動を台無しにした度胸が買える、と。まぁ、要するに掴みがバッチリってのは大事だ
この台詞を引用に選んだのは、私ら読み手の気持ちを、これ以上ないくらい、正しく代弁してくれているからだ。人間って奴ぁ、どうしたって、カオスに惹かれちまうもんらしい。何にせよ、開けてはいけない箱の中身を見るのは自己責任。中身で傷ついても、誰かを責めてはいけな