北欧と言えば社会福祉が充実していて、幸福度が高いイメージであったが、心の病を抱えている人が多いという事実にまず驚いた。そして心の病を克服するための方法は万国共通であった。これまでには主に日本人の著書を読んできたが、本書に書かれていた27のアドバイスは今までに読んできた内容とほぼ同じものであった。
内容的には真新しいものはないものの、たまにこのような本を読むと改めて認識することができた。
・勤勉で、まじめで、凡帳面で、人に対してはいつもいい顔をしようとするような性格の人は、メランコリー親和性格と呼ばれ、うつ病(メランコリー)になりやすい。
・「不安」はたいてい、すばらしい資質や能力の表れなのです。心配性のあなたは、おそらく平均より頭がよく、とてもクリエイティブで、想像力がたくましい人でしょう。しかし、不安の問題を抱えている人は、その能力で自分を怖がらせて病気になってしまいがちです。なにごとも必要以上に分析し、たくましい想像力で恐ろしい惨事を思い描いてしまうのです。心配や不安が大きくなるのを放っておくと、自分のすることなすことに、いちいち疑問を抱くようになります。心配や不安が当たり前になり、人生の一部として仕方なく受け入れている人が少なくありません。自分の不安に向き合ってはじめて、どれほどの時間、体力、気力を奪われていたかに気づくのです。心配や不安は、ストレスを感じているときや大きなプレッシャーを抱えているときにきまって忍び込んでくる、さまざまな不快な感情を引き起こします。
・心配や不安は、ほかでもない自分自身の考えから生じているのです。周囲の人や世の中が原因ではありません。自分自身が、過去のことをくよくよ考えたり、先のことをあれこれ心配したりするから、問題が生じるのです。
【色が心や体に与える影響】
・色でバランスをとろうとする直感的感覚は誰にでも備わっていますから、自分の気持ちに思い切って従えばいいのです。
・赤:赤は神経系統に影響を及ぼし、それによってアドレナリンの分泌が増えます。血圧、呼吸数、血糖値が上昇します。性ホルモンが活性化され、筋力が増大します。赤ぼ血や炎の色です。暖かい印象があるため、熱意や積極性な感じさせます。
・青:青は赤と正反対の影響を神経系統に及ぼします。副腎のコルチゾール分泌を促すため、血圧が下がる、呼吸が落ちつき、アドレナリン分泌が抑えられます。体内酸素を増やし、ホルモンの活性や炎症を抑えます。青には落ち着いた印象がありますが、やや憂離な感じもあります。じっとしていられない(多動性の)子どもの部屋に適した色です。
・黄:黄色が警戒心を高めると言われ、精神を刺激するのは、太陽の色だからです。
・緑:緑はまさに中間的な色です。落ち着いたりほっとしたりする色で、調和,若々しさ、初々しさを連想させる心地いい色、と一般的に見なされています。集中力を高め、安心感をもたらします。
・オレンジ:オレンジは血液の循環なよくし、ポジティブでもネガティブでも強い感情を連想させます。食欲を高め、消化な促します。キリスト教では、七つの大罪のひとつである「貧食」を表す色です。
・紫:紫は、寒色の青が持つ安定性に暖色の赤が混ざった色です。ひらめきを与え、創造性を高めます。
・ピンク:ピンクは、赤色がもたらしたり連想させたりするもののソフト版です。愛や慈しみのシンボルですが、激しさはありません!女の子には刺激となり、男の子には落ち着かせる効果があります。
・ブラウン:ブラウンは、安定、信頼、親近感を表します。男性的特徴があります。母なる大地の色です。
・黒:黒はエネルギーを吸収する色なので、不動、静寂、重さを感じさせます。非常にフォーマルで権威のある色と考えられています。黒を多用すると,憂夢になったり、具合が悪くなったりします。なにかを強調するためのコントラストや、緊張や力強さを出すための差し色として使われることもあります。
・白:ほかの色をくつきりと目立たせます。白ばかりだと、冷たくて面白みに欠ける感じかするかもしれません。
・グレー:威厳、古風、信頼を表します。抑制の効いた、あまり目立たない、中間的な色であり、自制心や自立の色とされることもあります。
・「しなけれぱならない」ことをすべて書き出してみて、自分で決めたものでなければ削除してください。現実的なものもあれぱ、そうでないものもあるでしよう。本当にすべきなのは、「しなければならない」ことを達成可能な目標に変えることです。自分が本当にしたいことたけを目標にします。「しなけれほならない」ことのなかから、本当にやりたいこと、ほかならぬ自分自身が決めたことを見つけたら、それが人生の目標になるはずです。どうやってその目標を達成ずる力よく考えるのです。
・人からどう思われるかよりも、自分で自分をどう思うかがはるかに重要です。人生におけるポジティブな面に意識を集中していると、もっと楽観的になって、ポジテイプなエネルギーを周りに広げられるようになります。すると今度は自分も、さらにポプテイプなエネルギーを得られるようになるのです。
・口論したり、不平不満を言ったり、ストレスなまき散らしたりする人たちに固まれて育つと、自尊心や自信を培うのは困難です。とはいえ、大人になったあなたがこれを改善することは、百パーセント可能なのです。自分のネガティブな思考パターンはなかなか認めづらいものです。でも、一度認めてしまえぱ、自分の態度を改めてポプティプに考えられるようになります。脳は空想と現実を区別できませんから、どの考えも現実だと認識して常に反応しています。
・娘には、そのままで十分、と常々言い聞かせています。素晴らしい娘で誇りに思っくいるーと言ってやります。こうしたことをしよっちゅう耳にすることが娘にとって重要なのです。なにか達成したわけではなくても、です。こう言われることで、娘は人としていろいろな意味で強くなっていくのです。できたことだけでなく、子どものすばらしい人格を頻繁に褒めてやりきしょう。
・まずは、ネガティブ思考な一日ひとつ書き留めることから始めましょう。慣れてきたら、一時間にひとつ、三十分にひとつ、という具合に頻度をあげていきます。考えるときも、自分や人に言葉をかけるときも、人の話をするときも、常にポジティブを心がけていると、人生がらっと有意義なものになるのです。自分の思考だけでなく、人が話している内容にも、もっと注意を払ってみましょう。同僚、子ども、パートナー、友人がロにしているネガティブなコメントを書き留めてみるのです。日々耳に入ってくるネガティブな内容の多さに唖然とずるほすです。
・あなたは衝突を一切避けるお人好しタイプではありませんか?衝突の兆しがほんの少しあるたけで自分から折れていたら、相手につけ込まれて、自尊心が傷つくことになります。冷静にノーと言うことで、自分の信念を守れるようになるには、ひたすら実践あるのみです。習慣化して自然にできるようになるまで練習するしがないのです。
・必要なときに、自分の意図をはっきり伝えたりノーと言ったりすることが、自尊心を高めて自信をつけることにつながっていきます。気が答める必要はありません。自分自身に理解を示し、自分がしたいように行動し、これが大事たと思えぱ、自分の意見をしっかり守るりです。人に決めてもらうのを待っていてはいけません。自分で決めるのです。
・子どもは、親が言うことではなく、親がしていることをします。親がストレスを感じていたら、子どももそうなってしまうのです。子供と二人きりになる時間をとる。スキンシップを取る。子供の話をきちんと聞く。親の気持ちや考えを子供に聞かせる。年齢になった活動を探す。ときには子供を退屈にさせておく。注意深く見守る。家族行事をつくる。子供が自制できるよう仕向ける。
・どんな状況にあっても、自分の考え方はいつでも自分で選べるのです。そうするととで、よりよい方法で状況に対処できます。いたるところに問題を見つける人は、自分で問題を作り出している場合が少なくありません。反対に、いたるところにチャンスを見つける人は、自分でチャンスを生み出しているのです!