アーレントは、最後の著作「精神の生活」の3部作の3作目となるはずだった「判断」のタイトルと銘をタイプで打ったところで、心臓発作で他界する。
その2つの銘について、アーレントの他の著作での引用のされ方を検討することを通じて、「判断」がどういう本になろうとしていたかをかなり突っ込んだ文献の精読を通じて
...続きを読む、迫って行こうという本。
一種、推理小説的な面白さがあるが、やはりある程度アーレントの著作と格闘した人でないと分からないとこもあって、こうした本が成立すること自体、アーレントの思想がある程度、関心をもって読まれていることの反映なんだろうな。
わたしも、今のアーレント関係図書の出版ブームみたいなものがなければ、この本は意味が分からなかったかな?
ある程度の前提条件は必要ではあるが、基本的には、楽しく読める。
アーレントのそれまでの著作の読み直しみたいなところはスリリングだし、最後の思想にかなり肉薄している感じ。
う〜ん、やはり「精神の生活」読みたいな〜。