作品一覧
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3.4
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
ドイツの倫理委員会報告書で、2022年までに脱原発の道筋を描くにあたって、陥ってはならない6つの条件を提示している。
?隣国の原発でつくられた電力を安易に輸入しない
?CO2を排出する化石燃料安易に増やさない
?再生可能エネルギーの加速的拡大に安易に頼らない
?強制的な電力使用制限を行わない
?電気料金を安易に値上げしない
?政府の上からの指令に頼らない
この6つの条件すべてを満たす解があるのだろうかとも思うが、日本もぜひ参考にすべきである。
また、倫理委員会に宗教界の代表も参加していることも興味深い。原発を考える際、心情倫理だけでなく、社会的倫理を深める必要があるという。社会的 -
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Posted by ブクログ
今後のエネルギー政策を考える上で、非常に示唆に富む。
特に、国民投票についてのイタリアやスイスの制度設計は非常に参考になる。安易に「原発やめますか?Yes or No 」という投票を実施するのは意味がないということ。
本書で、紹介されているのは欧州各国の議論の結果であって、経緯を見ると、例えば、ドイツなんかはわずか、半年で原発推進の一歩から、脱原発へ転換しているわけで、決して首尾一貫ではないし、今後どうなるのかも不透明性は当然あるんだろうと思う。だが、そういった点を割り引いても、福島の原発事故以後、各国が真摯にエネルギー政策を議論し、結論を出しているのに対し、当事者国である日本の迷走ぶりは目 -
Posted by ブクログ
日本の「原発政策」は、昨年の「福島原発事故」で大きな衝撃を受け、現在の政治状況をみても、民主党は「脱原発」、自民党は「容認もしくは推進」、第三極といわれる諸党派はそれぞれバラバラと混迷としか言い様がないように見える。
その中で、「脱原発」の先進国といわれる「ドイツ」をはじめとした欧州の状況はどうなっているのだろうかと思い、本書を手にとってみた。
本書によると、「原発をめぐって欧州は二分され、亀裂が生じている」という。
「欧州連合に加盟する27ヵ国のうち14ヵ国で計133基の原発が運転中」であるが、各国の今後の原発政策についての詳細なレポートを読むと、まさにバラバラとの感想を持った。
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Posted by ブクログ
欧州各国のエネルギー事情は全く異なるが、それを淡々と紹介した本。
最後にまとめているように、欧州では、発送電を分離し、発電会社を自由化して、市場で発電分担をきめさせる(p227)だとすれば、もっと違う整理の仕方もあったと思う。
たとえば、二酸化炭素をだす発電手法には、炭素税をかけ、原子力発電は、独立した企業がまとめて保有して廃炉までのコストを乗せて売電するといった、社会的費用を内部化する仕組みをつくって、市場にエネルギー分担を決めさせるというのが、そのまとめからいって筋だろう。
その意味では、「エネルギーシフト」というタイトル自体が、エネルギーの分担率を政策的にシフトさせるようで