岩宮恵子の作品一覧
「岩宮恵子」の「思春期センサー 子どもの感度,大人の感度」「増補 思春期をめぐる冒険」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「岩宮恵子」の「思春期センサー 子どもの感度,大人の感度」「増補 思春期をめぐる冒険」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
2016年68冊目。
心理療法の世界と村上春樹作品のストーリーの類似性を語った本。
河合隼雄さんも同じような視点を持たれていて読んだことがあったが、今回の本もとても重要な本だと感じた。
村上作品でよく出てくる「こちら側」と「あちら側」の概念。
現実的な「こちら側」だけの問題を解決する表層的な物語に執着しているうちに失われる「あちら側」の力を、物語は統合して全体性を取り戻させる力を持っている。
興味深いのが、読者に対する治癒能力の話だけではなく、治療者自身もその視点を持っている必要があるということと、物語を紡ぎ出す作者自身の治癒とも大きく関係しているということ。
村上さんは「メッセージがあって
Posted by ブクログ
心理療法家が村上春樹の小説を心理学観点から読み解く視点が快適。春樹自身が「伝えたいメッセージがあってそれを表現しているわけではなく、自分の中にどのようなメッセージがあるかを探し出すために小説を書いている」と述べたとの引用がある。まさに同感である。それが自己治癒、つまり癒し効果を与えているということなのだと思う。それが異界から見た自分を追求するという不思議なデュアルの世界を描くこの人の特徴なのだろう。それが読みながらの快感の遠因になっているように思う。10歳の子供が多く登場すること、死んでいく人が多いこと、セックスをしたという表現が多いことなども心理深層に迫る象徴的な意味があるように思う。心に傷