幻聴のうち「声」に関する解説が中心。
前半は幻聴という現象についての解説で、後半は療法としてのヒアリング・ヴォイシズ(HV)の解説。
過去における「声」の役割や世の中での捉え方の移り変わりや、「その声は誰の声なのか?」という問いへの現時点での回答などもあってとても勉強になる。そうした「声」に「声
...続きを読むを聞く人」とともに耳を傾けるというあまりにラディカルな療法としてのHVの導入の歴史や「ねらい」も読めた。
普通は「声を聞くこと」をネガティブに捉えるのだけれど、当事者は必ずしもそうではないし、声がしないことも問題となるなど知らなかったことも多く書かれている。またどのようにして「声」を獲得していくのかというあたりもざっくりと解説してあってとにかく役に立った。
HVの本は本書以外にも数冊出ているのでそっちも読みたくなる。