これは笑える。コロナ禍の所為で、まだ閉塞感が完全に拭いきれていない今だから、と言っちゃ失礼かも知れんけど、ほんと、鬱々とした気分を吹っ飛ばしてくれるパワァーがあった。
値段は¥1100、と四コマ漫画のコミックスとしては、やや高い、と感じさせるかもしれない。しかし、実際に読んでみると、¥1100を出せ
...続きを読むる価値があった。無かったら、きっと、今ごろ、大変な事になっていただろう。
シュールさを感じる笑いを欲している人には、ぜひ、読んで貰いたい。
四コマ漫画にも高い画力や萌えるキャラクター性を求める人には、ちょっと不向きかもしれない。
正直なとこ、絵はそこまで上手くない気がする。キャラはバリバリに立ってはいるが、萌えは一欠けらもない。
つまり、「笑わせる」、その一点のみで勝負を、私達に仕掛けてきているようだ、このせきの先生は。中々の度胸じゃなかろうか。
しかし、こうやって、感想を書きながら、読み返しているんだが、ほんと、センスがぶっ飛んでるな。あんまりにも独特すぎて、一般向けしなさそう。ただ、アニメ化したら、不思議とハマっちゃいそうな雰囲気はあるんだよなァ。
どのネタも笑いのツボを全力押ししてきたが、私の、まだくっついていない肋骨に一番のダメージを与えたのは、112pの「審判」です。これは「マ!?」だな。ちょっと厳しすぎ。
次点が、47pの「真面目」でした。時間と手間をかけすぎ。しかも、こんだけやっといたのに、何か、こう、インパクトが中途半端に弱い。振り切れてない感じが、逆に笑える。
その次は、68pの「マジなんです!」なんですが、これは面白さ以上に、不安も感じさせますね。許可を取った上でやってるのかな。取っているのなら、それは良いんだけど、よく許可を出したな、と思っちゃいます。
この台詞を引用に選んだのは、「おっふ」とつい、出てしまったので。
他の漫画で登場する名言のような深みは正直、これにはない。
史上稀に見る浅さだ。ビックリするくらい、薄い。
しかし、この浅さが、『ちくちくぴろんぴろん』って作品そのものを表現すると同時に、せきの先生が読み手に力強く言いたい事なのではないだろうか。
それっぽく纏めてみたけど、やっぱり、深くはならないもんだ。
「『死にたい』は『生きたい』なんだよ」(by駅にいたおっさん)