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ビジネス・実用
Posted by ブクログ
いわゆる、武経七書を1つの文庫にまとめたもの。
孫子、呉子は、全訳、それ以外の、尉繚子、六韜、三略、司馬法、李衛公問対は、抄訳。それと、1972年に山東省銀雀山漢墓から発見された孫臏兵法(抄訳)が付記されています。
冒頭に置かれた解題が書全体を解説し、それぞれの書には、日本語訳、原文と、原文に対しての読み下し文がついています。
武経七書を日本語訳で通読するという意味(若干の解説はあります)ではおすすめ、1つの文庫にまとめられていてコンパクトです。読み直される方にも可。それぞれの内容、時代背景(史記との関連)等を含めて深く理解されたい方は、それぞれの単独の解説書を当たられたらよろしいかとおもいます。
解題には以下が述べられています。
「これらの兵書に共通しているのは、単なる戦争技術の書ではないことである。
”武”を説いているが、その底に流れるものは、思想であり、人間の分析である。」
これらの兵書が千年の時を超えて現代に残った理由であり、結論かと思います。
孫呉で、有名な格言(ことば)は以下。
孫子
兵は国の大事なり
兵は詭道なり
兵は拙速を聞く
百戦百勝は善の善なるものにあらず
彼を知り己を知れば百戦危うからず
勝ち易きに勝つ
まず勝ちて後に戦う
風林火山
始めは処女のごとく終わりは脱兎のごとし
呉子
まず和してしかる後に大事をなす
戦いて勝つは易く守りて勝つは難し
及ぶ者なきを憂う
人をして戦いを軽しとせしむ、
死を必ずすればすなわち生き、生を幸すればすなわち死す
目次は、以下の通りです。
解題
孫子
1 始計
2 作戦
3 謀攻
4 軍形
5 兵勢
6 虚実
7 軍争
8 九変
9 行軍
10 地形
11 九地
12 火攻
13 用間
呉子
1 図国
2 料敵
3 治兵
4 論将
5 応変
6 励士
尉繚子
1 天官
2 兵談
3 制談
4 戦威
5 攻権
6 守権
7 十二陵
8 武議
六韜
三略
司馬法
李衛公問対
「付」孫臏兵法
Posted by ブクログ
これまで、
『老子』『孫子』『論語』『荘子』と読んできて、5冊目の中国思想本。
・法治国家と守らせる側のモラル
前提として、この人は人間を、「利害で生きるもの」としている。
つまり、
利益があればそれをやるし、
害があると思えばやらない、というのが人間だということ。
だから、
「いいことをした人にはご褒美をあげる」
「悪いことをした人にはバツを与える」
というきまりごと(法)をしっかり整備すれば国家は治まるとしている(法治国家)。
それと同時に、守らせる側の責任を説いている。
例えば、
規定の手続きを踏まずにやってきた王子の馬車を通さなかった門番を王子が罰せよと父(王)に求めるが、王は罰するどころかその門番を褒めている。
法で国家を治めていく以上、何人たりとも法にそむくことは許されないということだ。
・公の利害と個人的利害は相容れない。
これに関係するエピソードがどれもなかなか面白い。
1つエピソードを上げる。
ある役人は、重要ポストへの人材登用について相談されて、自分のライバルの息子を挙げた。そして、別のポストについては、自分の息子を推挙した。
全ては才能に応じ、仇敵だろうが避けず、身内だろうと遠慮はしない。私的な怨恨などは公のことにあたる場合には考えてはいけないということ。
省みると、今の日本では私怨の下に人が積極的に集まる。それで損していることも多々あるだろう。自戒を込めて。
・アドバイスは難しい。
営業にもかかわってくる話。
相手が何を求めているのか。
「これがほしい」と言っている相手に対しては該当するものを挙げればよろしいかもしれないが、それでもうまくいかない時もある。「何がほしいの?」と問うても明確な答えが得られない場合はなおさら。
「これがほしい」という言葉を表のニーズとする。こういう相手には「これ」を挙げればいいのだが、必ずしも受け手にとってしっくりこない事態が出てくる。
なぜだろう。
(少し韓非子からは離れるが・・・)
それは「"裏"ニーズ」に沿ってないから。
相手が何か欲しがる以上、それには事情がある。それをさりげなく聞いていくことによって、「それを得て何がしたいのか」という情報を得られるこれが真のニーズ。裏ニーズだ。
それさえ得られれば、規模・質ともに一番適したものを相手に与えることができる。
話を戻すが、
韓非子が言うには、アドバイスする時には、相手の表面的な要求だけでなくて、それに隠された相手の思い(裏ニーズ)を汲んでやれ、ということだそうだ。
当時のことを考えると、相手が君主だろうから、変な詮索すると文字通り首が飛ぶことになりかねないが、今の世であればそこまでのことはない・・・だろうから、遠慮せず相手の本当の思いを聞いてみてもいいのかもしれない。
とはいえ実際にやるのは簡単じゃない(相手の警戒心解かないと聞けないし)。裏ニーズを察することができる人って本当、営業マスターなのかも。
他にも、人材登用の時の注意点、部下に対する評価の仕方、「亡国の49カ条」など、興味深いことがたくさん書かれている、面白い本だった。
最後に、「亡国の49カ条」の中から3つ取り上げたい。FBにはもう書きましたが。この49カ条に書かれていることが起きたら、国が滅びる前兆なのだそう。
・部下の権威が上司よりも大きくなる
・リーダーが、独善的で協調性がなく、諫言されればむきになる。自信満々だが国のことなんか考えてない。
・リーダーが、臆病で信念が貫けない。
この本が書かれてから約2300年。
悪い意味で国の本質は変わってないのかもしれない。