作品一覧

  • 貧困と飢饉
    4.6
    1巻1,804円 (税込)
    20世紀に世界各地で発生した「大飢饉」の原因は,一国レベルの食料総供給量の不足であるという通説を否定し,人々が十分な食料を手に入れる権原(能力と資格)が損なわれた結果であるということを実証的に解明.開発経済学に新たな地平を切り開き,後の「不平等理論」にも影響を与えた画期的な書.1998年ノーベル経済学賞受賞.

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  • インドびっくり経済
    -
    1巻385円 (税込)
    21世紀の世界経済はインドがけん引する。中国経済の減速が著しい中、人口ボーナスをついに生かし始めたインド。その潜在成長力は世界最強と言って過言ではありません。巨大市場に着々と参入する日本企業の現地責任者にもインタビュー。産業、株、モディノミクスから映画、カースト制度まで、驚きの実態を分析しました。  本書は週刊エコノミスト2015年10月27日号で掲載された特集「インドびっくり経済」の記事を電子書籍にしたものです。 目 次: はじめに ・人口ボーナスが育む成長力    インタビュー インド商工省 豊福健一朗氏「強まる日本企業の進出意欲」 ・インドを知るためのQ&A ・インタビュー 巨大市場で勝負する日系企業の目算    パナソニック 伊東大三    マルチ・スズキ 鮎川堅一    良品計画 山本祐樹 ・立ちはだかる「壁」    法 難しい従業員の解雇    税 理不尽な徴税に注意 ・産業 理系人材と技術力を武器に躍進    宇宙 軍事・民生で開発加速 ・インド再発見    弁当 正確なシステム    映画産業 製作本数は世界一    弁護士 世界最多の人数    貧困層 いまだ3億人近く ・インド株式市場 過去10年で時価総額4倍 ・人材 世界を席巻するインド人    世界に広がる印僑 ・モディノミクス 正念場を迎えるモディ首相 ・財閥 GDPの7割を占める ・カースト制度 都市部を中心に薄らぐ差別意識

ユーザーレビュー

  • 貧困と飢饉

    Posted by ブクログ

    飢饉は食料不足で起こるのではなく、交換権限写像の不足によって起こるのだということが全編を通して語られている。

    「好況が不平等な経済活動の拡大を伴っている場合、たとえば都市住民に有利に働き、農村の労働者を取り残す場合、好況のプロセスそれ自体が主要な役割を果たす。食料を得るための闘いは、他人のことは構わない世界であり、あるグループが他のグループの繁栄ゆえに苦しむこともあり得るのである。」

    1943年にベンガルに飢饉を引き起こしたメカニズム
    「当時の都市住民は戦時景気の恩恵を受けていた。日本軍が間近に迫っており、イギリスとインドの国防費はカルカッタを含むベンガルの都市部で集中的に支出されていた。

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    2025年12月06日
  • 貧困と飢饉

    Posted by ブクログ

    簡単なメモ

    ・飢餓は食料供給の減少からなるというアプローチでは飢餓の十分な説明にはならず、所有の権限からのアプローチで飢餓を捕らえた方が有効なケースが多い。例えば供給量が十分でも、ある層の所得が急上昇して食料需要が上がり価格が上昇すると、それに取り残された少ない?権限しか持たない貧困層は食料を得られる機会が減少する。

    ・今、世界は気候変動で食料供給の不確実性が増しており世界中で同時に不作が起こるケースがあった場合、この権限アプローチは有効性を持つのだろうか?要するに、他国から食料を調達費用が急上昇した場合である。そのような場合、市場原理よりも政府含む公共部門が本書で述べられてる以上の役割を

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    2024年06月09日
  • 貧困と飢饉

    Posted by ブクログ

    貧しい国も貧しいうちは保健と教育に投資した方が良い。「(貧しい国が保健と教育に多くを支出する余裕があるのか)多くの貧しい国々――スリランカ、中国、コスタリカ、インドのケーララ州他――がまさしくそれに成功したという、実証的な事実について述べるだけではなく、裕福な国より貧しい国の方が公衆衛生・医療サービスや基礎教育制度を提供するコストがはるかに安いという、一般的な事実を理解する必要もある。その理由は、保健も教育も労働集約的な活動であり、貧しい国の方が賃金が低いために保健や教育のコストがずっと安くなるからである。(中略)国が非常に貧しいうちは、これらのサービスに支払わなければならないお金もまた、著し

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    2024年01月10日
  • 貧困と飢饉

    Posted by ブクログ

    飢饉を定義から問い直し、飢饉を一般的に・単純に考えられる食料不足からもたらされるものではなく、権原(自分が所有するもの、交換可能性)によってもたらされるという着眼点は斬新。権限は単なる所得や購買力ではなく、雇用制度や社会保障、相互扶助など公共政策も重要。1つの現象を定期から問い直し、その原因やメカニズムを事例をもとに分析して1つのアプローチに帰結させるという考え方はとても勉強になった

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    2024年04月21日
  • 貧困と飢饉

    Posted by ブクログ

    インド生まれ、1998年にノーベル経済学賞を取ったアマルティア・センの著書。
    「飢饉」が何故起きるのかと探り、食料総供給量の減少によるという従来の通説(FAD)を、原因としてそれだけでは説明できないとして退け、或る階層の人々が食料を手に入れる権原が損なわれるためである、という自説を展開する(権原アプローチ)。
    実際の大飢饉、ベンガル、エチオピア、サヘル地域、バングラディッシュでの統計データに基づいて、詳しく分析しているのだが、数値データを経由して、現実界の様相がそれとはかけ離れた抽象的な学の論理へと跳躍するさまは、デリダなんぞを待つまでもなく脱構築的なスリリングさだ。経済学は社会学的観察から遠

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    2019年07月21日

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