2019年の重大ニュースの一つとして「はやぶさ2」の「リュウグウ」着陸を取り上げた展示を企画し、その関連書として「はやぶさ」を映画ノベライズ小説を読みました。
竹内裕子が主演した、初代「はやぶさ」の小惑星「イトカワ」へのミッションと、それを支えた宇宙科学研究所のスタッフの物語です。
一般に公開され
...続きを読むたエンターテイメント映画のノベライズですから、専門的な知識が要求されることがほとんどない反面、具体的にそれぞれのスタッフがどういった技術的困難を抱え、またそれを克服してきたのかという点について正確に描き切れていないのかな、とも感じます。
正直な印象として(もちろん、じっさにはそのようなことはけっしてないのですけれど)「ちょっとトラブル続きで大変だったけど、文化祭での発表もうまくいって、結果としていい青春だった、やりきった」感とでもいうのでしょうか、物足りなさを感じたのも事実です。
一方で、「結果が出る(確実に「役立つ」)」かどうかが分からないことについても、積極的に挑戦しつづける姿勢や、互いの専門分野を生かして「チーム」として一つのプロジェクトに情熱をもって取り組む(それぞれの主張が合致しない部分についても正面からぶつかりながら最大の妥協点を探していく)姿などは、物語としてよくできていると思います。
また、いくつもの困難を乗り越えて最終的に地球への期間(大気圏突入)と小惑星からのサンプル(カプセル内の物質がイトカワ由来の者であることは期間後数カ月たって確認されました)の採取を成功させた「はやぶさ」の歩みそのものが、多くの人を勇気づける者であることも事実です。
世界初の小惑星からのサンプルリターンに成功したのが、日本が開発した探査機であったことは誇りに思いますし、その技術をこれからも維持・発展させていってほしいと思います。