作品一覧

  • モンゴルの仮面舞儀礼チャム 伝統文化の継承と創造の現場から
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    社会主義化の激動の中、断絶したチベット仏教の秘儀・チャム。口伝される密教修会としてのチャム再興を追跡した貴重なドキュメント。 本書では、「モンゴル・チベット世界」に存在するチベット仏教寺院の修会・チャムについて、その中でも民主化以降モンゴルにおいて復元復興が進められている〈フレーツァム〉を取り上げ、師承関係に基づく文化の伝播、それによって形成された文化圏における伝統文化の継承について考えていきたい。しかしながら、チャムは密教の秘儀であるため、堂内で秘密裏に執り行われる修会に関しては調査の範囲を超えている。それゆえ、秘儀の部分を除き、堂外で行われるチャムのうちで知り得た部分を記録と聞き取り調査によってつなぎ合わせていくこととした。そのため、本書の記述には、現時点で知り得た範囲内での推測に過ぎない部分も数多く含まれることとなる。だが一方で、現時点で知り得たことを書き残す作業については、口伝で継承される伝統文化の場合、日本の伎楽における『教訓抄』の存在を考えれば、無意味とはいえず、むしろ、その必要性は明らかであろう。(本文より抜粋) 【目次】 はじめに 一 チャムとは何か 二 モンゴルのチャム〈フレーツァム〉について 三 フレーツァムにおける外チャム 四 モンゴルにおけるチャムの復元復興状況 1 ガンダンテグチレン寺におけるフレーツァムの復元復興上演 2 アマルバヤスガラント寺院におけるチャムの復元復興 3 ダシチョイリン寺におけるフレーツァムの復元復興 おわりに 【著者】 木村理子 モンゴル国立大学大学院モンゴル研究科博士課程修了、モンゴル国家歴史学博士。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(表象文化論)博士課程修了。博士(学術)。 主な論文に、「ブータンのチャムと密教圏のチャムとの比較考察─ブータン王国のゾンのチャムから考えるチャムの『擬似体験』と『聖と俗の境界』」『演劇研究』34 号(2011 年)、「復興後のアマルバヤスガラント寺院のチャムの特色─フレーツァムとの比較から」『日本とモンゴル』125 号(2012 年)などがある。(2014年当時)
  • 朝青龍 よく似た顔の異邦人
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    引退会見で涙を拭ったのは、母から渡されたモンゴルのお守りだった……。言葉や文化の壁に阻まれ、誤解が誤解を生んだ元横綱の胸中を、10月3日の引退試合を機に明かす。著者は東大教養学部で教鞭をとるモンゴル語・文化の専門家。

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