宝塚歌劇団第一期生の母を6年介護した女の介護録と思いきや母や著者の回顧録も含む随筆なもの?
・介護,主婦業,職業(女優)の両立.いやはやすごい.
・介護の大変さ,壮絶さ,悔恨がもっと綴られているものと思っていたけど,思っていたよりは柔らかい文体だった.
・病院での介護よりも自宅での介護の方が,被介
...続きを読む護者が元気になるというのはちょっと驚き.住み慣れた場所で過ごすからそうでしょと言えるけど,受けられる医療サービス的に前者の方が良いかなと思っていた.
・マクロ的な視点からは日本全体のサステイナブルではない社会保障制度が脳裏をちらついて陰鬱な気分にさせる.若い労働力が老人の世話に充てられ国力は衰退の一途を辿るばかり.これからどんどん厳しくなる.定年退”食”が頭をよぎる.
・とはいえミクロ的な視点に立つとこれまた別の見方をする自分がいる.いざ自分が介護をしないといけない立場になったらどういう心境になるんだろうか.青天井の負担・支出があっても「親の意思だから」という大義名分で受け入れるんじゃないんだろうか.
ーーーーーーーーーーーー
老人の「死にたい」はあいさつのようなもの.
末期患者を告知された人が辿る過程
否認、怒り、取引、悲嘆、受容
「おい、とか、おまえ、とか読んだら分かれます」
汗顔の至り:大変恥いる様子
カタルシス:心理学における、浄化および、排他のこと。 また、無意識的なものを意識化する方法のこと。 無意識の内に抑圧されている、過去の苦痛や恐怖、罪悪感をともなう体験や、そのときの感情などを言葉で外にだすことによって、「たまっていたものを排出し」、心の緊張がほぐれるようになる。
汲々とする:小事に心をとらわれて、あくせくするさま。 また、一つのことに心を傾けて一心につとめるさま。