中田一郎の作品一覧
「中田一郎」の「世界史を動かす 聖書と金利」「ハンムラビ法典」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
古代メソポタミア文明についてを初学者向けに解説した書。文字・教育・法律など、メソポタミア文明の特徴を各テーマに沿って平易に概説する。
本書は、古代メソポタミア文明を(主にウルク期から古バビロニア時代までを中心に)紹介したものである。内容はメソポタミアの地理と通史から始まり、都市・文字・教育・法律・家族制度・文学といった各テーマに沿ってメソポタミア文明を解説する。それぞれの章では出土品や楔型文書など当時の資料を例にとって解説を進めており、文字資料が豊富なメソポタミア文明の特色も相まって当時の社会の様子がよく分かる内容となっている。特に法律や家族制度の章ではかの有名な"ハンムラビ「法典」"から当時の社会を読み取るという形になっており、今日の社会制度にも通じる古バビロニア時代の社会制度を概説している。個人的に驚きであったのは、"ハンムラビ「法典」"が厳密な意味での「法典(=法律の集大成)」ではなく「判例集」ではないか、そしてその地位も法的拘束力を伴うものというよりかは判決の手引書のようなものであったのではないか、ということであった。
中高生向けの岩波ジュニア新書から出ているというだけあって、初めてメソポタミア文明について学ぶという人にもお勧めの一冊と言えよう。
Posted by ブクログ
タイトル通り、メソポタミア文明研究者による一般向け入門書。
メソポタミア文明の歴史と風土の外観、都市の成立過程を1、2章で概観する。
この部分は結構マニアックな王朝にも触れる割には、かなりページ数が少なく駆け足なので、結構分かりづらく正直イマイチ。
ただ、3章以降がきっと著者の得意分野なのだろう、ぐっと話が面白くなる。
3、4章は文字の成立過程と書記学校を通して、5~7章は法律を通して、当時の社会の生活の在り様を浮き上がらせる。
考古学的な史料を通して、当時の人たちの日々の生活や価値観(の一部分だが)が具体的にイメージでき、この時代のことを一気に身近に感じられる。
教師に目の敵にされた生徒が、親経由で贈り物をしてもらい、待遇が劇的に改善された等という記録は、読んでいて実にほほえましい。
また、法律には当時の人々の価値観、正義感がはっきりと表れていて、そして想像以上にしっかりしていて驚かされる。
なお、8章は当時の神話物語の簡単な紹介。
紹介している内容に偏りがあるものの、もとより新書版の入門書ではある程度仕方のないこと。
メソポタミア文明に興味をもった人が読めば、より興味を掻き立てられる。そんな一冊。
Posted by ブクログ
バビロンのハンムラビ王(在位前1792~1750)がバビロニア統一後に編纂したというハンムラビ法典の訳文と注解、解説が付いた豪華セットの内容。ハンムラビ法典というと目には目を…のタリオ(同害報復)の法というくらいの事前知識しか無かったが、実はそのタリオの法則も一部の身分同士での傷害の場合のみであるというのを初めて知った。
法典を守らない者への呪いの文や、突き癖のある雄牛が人を死なせてしまったら…という法文を読んで聖書の律法にも同じ話があったなと思ったが、解説の最後に旧約聖書との対応表が付いていて嬉しくなる。申命記は執筆当時の大国と属国の条約文書の構造を模しているという話があったが、細かい律法の中身も当然他の法典の影響があるということなのだろう。ハンムラビ法典と申命記執筆は1000年以上の隔たりがあると思われるし、ハンムラビ法典そのものがずっと運用されていたわけではないだろうけど、それでもこうしてバビロニア周辺で脈々と受け継がれていたのだと思うととても面白い。わくわくする。