新型インフルエンザのパンデミックが警戒されているが、評者がウイルスに興味を持ったのは「世紀を越えて」で豚から人間に感染したニパウイルスある。
人類はこれまで様々なウイルスとの戦いを続けてきた。古代日本でも大流行した天然痘、エイズ、致死率80%のエボラ出血熱、そして現在叫ばれている新型インフルエンザ。
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豚からの感染はもはや自然の事態であるとまで言わなければならない。
本書では様々なウィルスについて取り上げられており、自然宿主についての説明もなされている非常に読みやすい一冊である。
人類の自然破壊が未知なるウィルスとの遭遇、国境を越えた大量輸送による伝播。21世紀はもはや「どんな新型ウィルスが出るか」ではなく、「どこでウィルスが発見されても被害を最小限に食い止める」という課題に取り組まなければならないであろう。