表紙のインパクトが、めっちゃ凄いッッ
当たり前の話だが、人は食べなきゃ生きていけない。幸せの形も人それぞれではあるにしろ、美味しいモノを食べられた時、ほとんどの人が「あぁ、幸せだなぁ」と感じるんじゃあるまいか。
だからこそ、昔から食漫画ってジャンルが確立され、作者の個性が光った質の高い、そして、何より、読み手に「美味しそう」、「これが食べたい」と思わせるモノだけが人気を得られる。
美少女たちが勢いのある旨味によって脱衣し、セクシーな姿を見せてくれたり、タヌキや深海魚と言ったマニアックな食材を調理したり、過去や異世界に転移して料理をする、など色々な食漫画がある。
ゆえに、今や、よほどのモノじゃないと、漫画読みの目に留まる事が出来ない訳だが、この『The Last Chef 熊の料理人』は最初に書いた通り、表紙のインパクトがとんでもない。
正直、私は最初、悪神と封印されていた熊のバケモノが、バカのやらかしで世に放たれ、自分の縄張りに無警戒かつおふざけで足を踏み入れたパリピを“調理”して食べる、そんなヤバい感じの内容かな、と表紙で思ってしまった。
グロ系の表現が、私は大丈夫な方なので、例え、そういう作品でも読めるかな、と思い、自分の直感に従って購入した、この(1)を。
まぁ、実際、中身を読んでみると、主人公ならぬ主熊公が熊が料理人をやってるって基本的な設定は突飛であるにしろ、ストーリーは困っている人を救う感じのハートフルなものだし、何より、登場する料理が美味しそうって言う、食漫画で最も大事なトコを、しっかり押さえてくれている。また、熊の特性を、しっかりと活かしているのも評価できる点だ。つまり、私にとって、この『The Last Chef 熊の料理人』は大当たりだった。
私は、食漫画を読むと、「あー、これ、ドラマ化して欲しいわぁ」と思っちゃうタイプなんだが、さすがに、これは難しいか? でも、今はCGなどの技術も発展している訳だし、やろうと思えばやれるかも?
どの回も面白かったが、個人的に、この作品はイイモノと強く感じたのは、主熊公の元さんが見た目通りの雄々しいカッコ良さを魅せてくれた第零話「熊井元五郎と悪魔のハンバーグ」だ。食漫画に限らず、初っ端の話から読み手のハートを掴むのは大事。しかも、メニューが老若男女大好きなハンバーグってのも、わかってるぅ、と思った。