ウォーの作品一覧

「ウォー」の「ご遺体」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • ご遺体

    ご遺体

    小説・文芸

    3.5
    1巻963円 (税込)
    英国出身でペット葬儀社勤務のデニスは、友人の葬儀の手配のためハリウッドでも評判の葬儀社〈囁きの園〉を訪れ、そこのコスメ係と恋に落ちる。だが彼女の上司である腕利き遺体処理師もまた、奇怪な方法で彼女の気を引いていたのだった……容赦ないブラック・ユーモアが光る中編佳作。

ユーザーレビュー

  • ご遺体

    Posted by ブクログ

    鬱蒼と茂った木々から燦々と零れる日の光。キラキラ輝く湖面には水鳥が遊び、湖畔には百合の花が咲き乱れ蜜蜂が飛び回る。湖の小島は幸せなカップルたちのデートスポット。でもじつは墓地。首吊りでも事故死でもまるで生きているかのように活力あふれた姿に再現する遺体処理師と化粧師。〈心安らぐ死を半ば愛して〉焼かれ、退色する束の間の芸術作品。文学に死はありふれたテーマのひとつだが、遺体や葬儀をテーマにした作品は珍しい。イギリス人らしいブラックユーモアだ。英詩人たちやポーの詩の引用もよかった。

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    2014年07月20日
  • ご遺体

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    1948年発表。原題は「The Loved One」で、岩波文庫からも『愛されたもの』というタイトルで出版されている。ハリウッドにあるペットの葬儀屋で働くイギリス人のデニス、大手の葬儀社「囁きの園」を訪れたデニスは、そこで働くエイメに恋をする。しかし、エイメの上司で遺体処理師のジョイボーイも彼女に気がある様子。

    遺体処理の工程や、霊園の区画分けや価格設定など、「囁きの園」は非常にシステマティックに運営されている。現在の日本ではあまり抵抗を感じないけれど、カトリックを信仰していたウォーにとっては不謹慎に思えたに違いない。(カトリックでは死後の復活を信じているので、埋葬方法も伝統的に土葬が中心だった)

    「囁きの園」に送られてくる遺体は、ジョイボーイが整形、防腐処理をおこない、化粧師のエイメのところにまわってくる。彼女に送られてくる遺体はいつも満面の笑みを浮かべているけれど、エイメの心がデニスに傾いたとたん、悲しい表情を浮かべるようになる。ほかにも、「囁きの園」のオーナーである「ドリーマー」、新聞のコラムで悩み相談を連載する「導師バラモン」といった妙な人物が登場し、最後には後味の悪い結末が待っている。「死」をネタにした、究極ともいえるブラックユーモアには、ただただ苦笑いするしかない。

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    2022年04月14日
  • ご遺体

    Posted by ブクログ

    原題ザ・ラブド・ワンというのが「仏様」という意味があるそうだが、物語中では本来の意味も持つのである。男二人の間で何度も婚約解消を繰り返す女。思わせぶりな行動ではなくマジでやってるが、果たして(どっちが?)振り回される程の魅力があるんだか、よくわからない。新訳という企画で読みやすい。が作者の意図はなんだ?なぜだかペットの葬儀業界に勤めるのが恥みたいに書かれてるが、実際に自分の中でも偏見がなくなったのはごく最近かも。愛する人もペットもアメリカ人もイギリス人も死んだら皆墓に入るんだよ、と言う話なのかな。

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    2019年02月06日
  • ご遺体

    Posted by ブクログ

    発売当初邦題で話題になっていて、よみたいと思っていた本。岩波文庫でも翻訳が出ているようなのでそちらも読んでみたいなと思う。

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    2018年11月14日
  • ご遺体

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    昔『黒いいたずら』や『ポール・ペニフェザーの冒険』を読んだ。(『ブライヅヘッドふたたび』も読んだが、これはちょっと毛色が違う。)イギリス人らしいブラックユーモア(それもかなり冷血)が好きだったのだが、ずっと翻訳されない状態で、ほとんど忘れていた。しかし、気がついたら最近たくさん翻訳が出ていたので、読んでみた。

    しかし、『ブライヅヘッドふたたび』が『回想のブライズヘッド』になったのはまあいいとして(吉田健一訳だったから、格調高いのはいいけど、「ヅ」はさすがにもう古い、と思ってたので)『ポール・ペニフェザー‥‥』は『大転落』、これは『愛された人』と、同じ本とは思えないタイトルで出版されていて、知らないと間違って買ってしまう。
    『愛された人』の方が原題The loved oneに近いが、こちらの『ご遺体』も、本文を読んでみると悪くない。主人公がペット葬儀屋に勤めていて死んだ動物も出てくるので、それも含めたら「人」が入っていない方が良いし、亡くなった人(や動物)に対する思いが物語に感じられないところも、このタイトルなら表現できる。

    イギリス人は知的で上品で格が上だという自意識を嗤いながら、アメリカ人の無教養、見た目さえ立派ならそれでいいというところも馬鹿にしていて、温かさは微塵もない。主人公のデニス・バーロウは元婚約者の(葬儀屋兼霊園に勤める死化粧係の)エイメが自殺しても、全く悲しまない。遺体を処理して切り抜けることしか考えていない。リアルに考えれば恋人が自殺して、自分との関係が原因だと思われれば、罪悪感を感じて当然なのだが、そんなお涙頂戴的なことを書こうとはウォーは全く思っていない。
    登場人物それぞれの愚かさと、ドタバタ劇が笑えるかどうか。好き嫌いが分かれる作家だと思う。

    私は、やはり割と好きだ。主人公が詩人を目指しながらペット葬儀屋の仕事に満足したり、ハリボテ感満載の霊園を大したものだと感心したりするところも可笑しいし、自殺したサー・フランシスの葬儀を手配する場面なんかすごく面白い。
    恋人のエイメが有名な詩人の名詩をデニスが書いたと思って感動したり、結婚相手を選ぶ基準がめちゃくちゃだったりするところも良い。
    恋敵のジョイボーイをもう少しはっきりしたキャラクターにすれば、もっと面白かったんじゃないかと思う。

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    2020年08月19日

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