ローティの哲学や政治についての見解を、ロールズとの対比や、ローティが攻撃するフーコーやデリダ、及びその追随者たちの主張と対比させながら、体系的に再構成している。徹底的なプラグマティズムを実践し、ハイデガーを娯楽として享受しながらその政治的愚昧さを非難するローティの態度が、政治的実践と哲学的見解をどう
...続きを読むしても一致させたい「プラトニスト」に対する批判としてとてつもなく根本的であることを、歯切れのよい筆致で丁寧に描き出していると思える。大陸系の哲学の価値を信じる人にはぜひ読んでもらいたい一冊。