作品一覧

  • ハンナ・アレント
    4.5
    1巻1,595円 (税込)
    二十世紀思想の十字路と呼ばれたハンナ・アレント。全体主義を近代精神の所産として位置づけ、国民国家秩序の破綻と難民の世紀到来を明らかにした政治哲学者。彼女は、帰るべき家郷を失った時代の保守主義者として、あるいは進歩を信じ得ない時代の革命的理論家として常に時代と対決することで現代の苦境を可視化し、政治の再定義を通じて現代に公共性を可能にする条件を構想した。その思想の全体像を、第一人者が平易に描き出す。(講談社学術文庫)

ユーザーレビュー

  • ハンナ・アレント

    Posted by ブクログ

    入門書の割にはかなり難しく感じたが、すごく勉強になった一冊。特に中盤はかなり読み切るのに苦労した。

    アーレントによる近現代政治体制の考察を、彼女の著書に沿って著者が解説。

    quote:『人間の条件』
    活動 action とは、物あるいは事柄の介入なしに直接人と人との間で行われる唯一の活動力であり、多数性という人間の条件、すなわち、地球上に生き世界に住むのが一人の人間 man ではなく、多数の人間men であるという事実に対応している。

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    2021年05月02日
  • ハンナ・アレント

    Posted by ブクログ

    『全体主義の起原』の読解に前半の2章を割き、第3章でアレントの革命論・アメリカ論、最後の第4章でアレントの政治論を概観する。

    工業の発展による過剰な資本の生産が帝国主義を生み、「国民国家」と「階級社会」に特徴づけられる19世紀的秩序を破壊し、市場の世界的拡大を狙うブルジョワジーが政治に口を出すようになり、植民地の原住民との「遭遇」が古来の「人類」思想を崩壊させ、「人種的ナショナリズム」が植民地支配を正当化、すなわち「民族」を人種のみによって定義し、一つの民族が他の民族を支配することを正当化したことによって「人種主義」の素地が出来上がる。
    「海外帝国主義」の潮流に乗り遅れたドイツやロシアは、ヨ

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    2014年08月16日
  • ハンナ・アレント

    Posted by ブクログ

    「敗北よりも、敗北を認めることが恐れられる」


    どきっとするような警句。
    羽根のように触れただけで、血潮が噴き出すようなシビアでハードボイルドな分析。

    この本の(特に前半は)興奮モノでした。
    あまりに密度が濃すぎて、サクサク読めない…読んではちょっと戻って、噛み直しての繰り返しでした。

    久々に何だか、こう、歯ごたえのあるものが読みたくなり。
    長年気になっていたハンナ・アーレントさんの本を読み始めました。
    読み始めるとなかなか歯ごたえがありすぎて(笑)、促進剤として手に取ったのが、この解説本(電子書籍ですが)。
    そうしたらよくある話ですが、こっちの方を先に読み終えてしまいました。

    20世

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    2015年04月14日
  • ハンナ・アレント

    Posted by ブクログ

    難易度はかなり高い(と思う)。
    第一章、第二章の『「全体主義の起源」を読む』が素晴らしい。
    かなり骨は折れるが、しばらくしたらもう一度読み返してみよう。

    0
    2014年08月12日

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