柄澤齊の作品一覧

「柄澤齊」の「黒富士」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 黒富士
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    亡き父の預り物を持って蓑太は富士をめざしていた。届け先は道場を経営するかたわら天然水の販売を手がける書家の彷尊。その途次、道場に囚われているという娘の救出を乞われる。正邪の定かならぬ男女、ゴミ山、毒、群発地震……木口木版画・美術家のイマジネーションが描き出す、黒く焼け出された人間の業と富嶽の断末魔。

ユーザーレビュー

  • 黒富士

    Posted by ブクログ

    空木蓑太は、亡き父に頼まれた物を届けるため、富士のふもとの三峰苑に向かう途中、野犬に襲われ気絶する。気がつくと、奇妙な香りと味がするラーメン屋に助けられ、店主に、三峰苑にいる娘、亜梨亜を連れ帰るよう頼まれる。富士山のようにそびえるゴミの山に住むナギを案内人に三峰苑に着くと、不気味な老人と、美少女・亜梨亜に出会う。老人に送り出された真夜中の富士山頂で簑太は登場人物達に隠された不思議な秘密や、下界での汚れた様々な陰謀に巻き込まれていく。現実と幻を行き来するような不思議な話だった。

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    2015年12月23日
  • 黒富士

    Posted by ブクログ

    『ロンド』の作者が満を持して書いた長篇第二作である。北斎の「赤富士」のように、墨一色で描かれた富士の絵をめぐるミステリかと思って読みはじめたのだったが、どうやら違っていたようだ。富士山を舞台にした伝奇ロマンとでもいえばいいのだろうか、国枝史郎の『神州纐纈城』とガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』を足して二で割ったような按配である。一応謎解きめいた趣向も凝らしてあるので、ミステリ仕立ての読物と位置づけてもまちがいではないだろう。

    作者は木口木版画の第一人者として知られる。処女作『ロンド』は、如何にも芸術家が書きそうな名画をめぐる探偵小説であった。処女長篇とは到底思えない文章力に驚かされたのを覚

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    2014年02月01日

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