久野収の作品一覧
「久野収」の「現代日本の思想 その五つの渦」「戦後日本の思想」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「久野収」の「現代日本の思想 その五つの渦」「戦後日本の思想」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
久野収・鶴見俊輔の両氏による1956年に共著。白樺派、日本共産党、生活綴り方運動、超国家主義(北一輝とか)、戦後の世相の5つに対して、鋭い分析が加えられる。本書刊行時、久野さんは46歳、鶴見さんに至っては34歳ということにまず驚く。
超国家主義は久野、それ以外は執筆が執筆している。あとがきによるとあくまでも全体が共同討論の結果とあるが、やはり鶴見さんの執筆部分には独特のウェットさが感じられる。たとえば、戦前の日本共産党の運動方針を手厳しく批判しつつも、「私たちは、思想を大切なものと思うかぎり、日本共産党の誠実さに学びたい」と付け加えたりするのは、久野さんにはない筆致である。また、生活綴り方運
Posted by ブクログ
「過渡期掲示板」という掲示板で管理者の「高望み」さんにより紹介されていました。「僕個人が、1980年代前半から思想的に彷徨いながら、ようやく去年辺りからつかめてきた近現代の日本の思想構造について、すでにこの本はあますところなく定式化していたこと自体は、たんに個人的な回り道の問題にすぎません。しかし、この本の出版年次はなんと1956年なのです。日本の「新左翼」はともかくとしても、吉本隆明氏の1960年代前半の試みすらが、ある面ではまったく、すでに1956年にだされている水準の釈迦の掌の上で踊ったものにすぎなかったのかと思うと、なかなか夏風邪が抜けない状態です。」とのこと。この本を読んで、今「綴方
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
恐慌、侵略戦争、そして敗戦。
この苦悩にあえぐ現代日本の現実を、何らかの形でゆり動かしたものは何か。
その代表として、白樺派、日本共産党、生活綴り方運動、北一輝らの昭和維新の運動、戦後世代の五つをあげ、そこに体現された諸思想――観念論、唯物論、プラグマティズム、超国家主義、実存主義――の性格と役割を明らかにする。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
Posted by ブクログ
戦後民主主義を領導した思想家として知られる鶴見俊輔と久野収が、現実と密接にかかわる日本の思想史の五つの潮流について論じている本です。
本書でとりあげられている思想は、白樺派の観念論、日本共産党の唯物論、「生活綴り方運動」にみられるプラグマティズム、北一輝らの超国家主義の思想、「戦後派」の意識に根づいている実存主義の五つです。とくに鶴見は、アメリカのプラグマティズムの洗礼を受けた思想家として知られていますが、生活綴り方運動に日本の現実に根差したプラグマティズムの具体的なかたちを認めることができると論じています。また、共産主義についての考察は、鶴見の主要な仕事のひとつとみなすことのできる「転向」