六本木にあったインターナショナルクリニックのドクターとナースのお話。
ドクターは満州生まれでその後無国籍という、数奇な運命をたどって日本で医師として活躍していた、アクショーノフさん。
エピソードの視点は、空飛ぶナースという本も出されているナースの山本ルミさんから。
毎日長期・短期滞在外国人が集
...続きを読むまるクリニックを舞台とした、なかなか知ることのできないエピソードを紹介してくれているコミックエッセイ。
私は海外に住み始めたばかりの頃に高熱を出したことがあり、現地言葉はおろか日本語を喋るのもきついことがあった。
ちょうど日本人の通訳がいる病院が見つかり、日本語で意志疎通ができた時には本当にありがたかったのを覚えている。きっと、このクリニックに来ていた患者さんたちもそうだったのではないかと思う。
もちろん患者さんたちのエピソードも、文化が違えばこうなるんだと面白かったけれど、それ以上にドクター波乱万丈の人生と、ルミさんのエスコート・ナースの話がとても興味深かった!
実はドクター・アクショーノフは2014年にお亡くなりになっていて、どうやらインターナショナルクリニックも建物自体が解体されてしまったらしい。私がこのクリニック、そして本の存在を知ったのもドクターの訃報を聞いたからだ。
何十年も、東京のど真ん中で色々な国の人たちを診察してきたクリニックであれば、きっとまだまだ語られていない話があるのだろう。
ドクターがいなくなってしまいもう難しいのかもしれないけれど、続きが読みたいなぁと私は思っている。