下永聖高の作品一覧

「下永聖高」の「オニキス」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • オニキス

    オニキス

    小説・文芸

    3.8
    1巻770円 (税込)
    時間SFの新機軸として絶賛を浴びたハヤカワSFコンテスト最終候補作ほか5篇を収録 マナという物質により過去が書き換えられる世界を観察するため、由良芳雄は記憶保持装置のモニターとなるが―― 改変される現実と思いもよらぬ結末を描く、第1回ハヤカワSFコンテスト最終候補の表題作、自室の混沌と秩序を反映したミニチュア異世界が重ね合わされた男の日常「神の創造」、他人には見えない類人猿の進化を幻視する男の困惑「猿が出る」など、現代性と普遍性と奇想を兼ね備えた5篇収録のデビュー作品集/掲出の書影は底本のものです

ユーザーレビュー

  • オニキス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    パラレルワールド、過去改変をテーマにした短編集。著者の最初期作だとのこと。

    デビュー作ということもあり、少々荒味があってザラっとした読み感もあるものの、補ってあまりあるセンスオブワンダーな世界に魅了される。

    創造主にもてあそばれ、自らが創造主となったときは創造物にもてあそばれるのが愚かな人間というもの。小さいけど健気に生きているのが人間やねんでほんま。

    明らかにSF小説なんだけど、人間の哀愁を感じさせる味わいがよい。かといってウェットではなくドライな哀愁、無機質なおかしみとかなしみ。

    その味わいが最後に収録された、唯一SFとちょっと呼べない短編で、ブワっと開花する。SFじゃないのにパラレルワールドだし、今までのドラい風味がなぜかここで湿りを帯びだす…構成の妙、こういう展開好きやなぁ。

    次回作、早いこと出してください!

    0
    2020年12月22日
  • オニキス

    Posted by ブクログ

    第1回ハヤカワSFコンテスト最終候補の表題作を含むSF短篇集。
    すべての作品が現実世界とそれ以外の世界の重層性とその狭間を行き来する意識という主題のもとに描かれています。
    私達が暮らしている現代の世界から並行世界を次々と渡り歩く物語に何とかついていくうちに、読者である自分の意識まで浮遊していく感覚に襲われます。
    視界が矢継ぎ早に変転していくドライブ感がたまらない一冊だと思います。(着いていくのが大変ですが……)
    さらに本の最後を飾る「満月」を読むことで、この短篇集の世界から脱し現実へ戻ってきても、魂を並行世界にとらわれているような余韻を味わうことができます。

    関係無いですが「猿が出る」は世にも奇妙な物語にぴったりな作品ですね。長さ的にもオチ的にも。

    0
    2014年03月20日
  • オニキス

    Posted by ブクログ

    過去に干渉する物質『マナ』。歴史は改変し、記憶が改竄され、現実が目まぐるしく書き換わっていく。表題作はこの認識がズレていく感覚が面白いですね。
    自宅の散らかり具合が、重なり合うミニチュアの異世界に影響を与える「神の創造」も良かった。シュールに誇張された異世界は現実社会の矛盾や格差を反映しているというSF小説の構造を描いた話なのかなと思います。

    センスオブワンダーと適度なユーモアのある短編5篇。なかなか楽しめました。

    0
    2015年06月06日
  • オニキス

    Posted by ブクログ

    ーーーマナという物質により過去が書き換えられる世界を観察するため、由良芳雄は記憶保持装置のモニターとなるが――
    改変される現実と思いもよらぬ結末を描く、第1回ハヤカワSFコンテスト最終候補の表題作、
    自室の混沌と秩序を反映したミニチュア異世界が重ね合わされた男の日常「神の創造」、
    他人には見えない類人猿の進化を幻視する男の困惑「猿が出る」など、
    現代性と普遍性と奇想を兼ね備えた5篇収録のデビュー作品集


    新人作家、下永聖高の短編集

    パラレルワールドや過去改変なんかの代表的なSF的要素を使いながら、どこか新しい読後感があった。

    今までSFではあまり読んだことのなかったユーモラスな『神の創造』が作品としては一番好きやけど
    『満月』の主人公が語った旅についての考察もドキッとして良かった。




    「三千世界の鴉を殺し、ぬしと朝寝がしてみたい」

    0
    2014年12月24日
  • オニキス

    Posted by ブクログ

    「オニキス」
    マナ兵器によって過去の書き換えが起こされる世界で、世界を観察するために記憶保持装置のモニターとなった人たちの記憶が次々と移り変わっていく。最後の結末はどんでん返しなのか、そうでないのか。スピード感ある展開で理解と考察がついてこない感じがSFっぽいなあ。

    「神の創造」
    現実の部屋の中と繋がる異世界。後半の熱いアクション展開は面白かった。

    「猿が出る」
    徐々に進化していく猿とのやりとりがコミカルだけど、結局猿は何だったのかよく分からなかった。猿は人類創世からの記憶だったのかな?

    「三千世界」
    平行世界を敵から逃げまわる話。未来っぽいガジェットと駆使して追手から美女と逃げる逃避劇は王道の展開だけど、最後の最後の種明かしの部分はちょっと微妙だったかな。

    「満月」
    この作品だけSFではなく、旅行記といった感じだった。恐らく著者が実際に経験した事も盛り込まれているのではないのかな。ひとり旅の物悲しさのようなものが、静かな南国の夜を通して語られている。私自身も、海外旅行を通して同じようなメランコリックな気持ちになることがあったので、面白く読めた。

    「今見ている景色が一瞬前と同じものとは限らない」という現実の不確かさがコミカルなタッチで描かれていて、スピード感のある展開と合わせて、一気に読めた。

    0
    2014年11月17日

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