『呪術廻戦』人気の秘密を徹底考察!!

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少年たちのバイブル『週刊少年ジャンプ』に2018年、新しいダークアクション作品が誕生しました。人間が抱く負の感情から生み出された「呪い」と、それを祓うべく戦う「呪術師」の物語 - 漫画『呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)』です。

王道のジャンプらしいバトルアクションは勿論、重厚なテーマ、作り込まれた物語、そしてホラーテイストの迫力ある描写は、超大作を予感させる完成度の高さです。誰もが抱いたことのある負の感情が、もし「呪い」となって人を襲っていたら……。そんな想像をしながら読むと、背筋がゾクッとしてきませんか。

今回は漫画『呪術廻戦』の魅力を徹底的に解説したいと思います!

『呪術廻戦』とは?

連載当初から注目を集め、急速にジャンプの人気作品へと登りつめた『呪術廻戦』。一度読むと魅力に取り憑かれてしまう、その人気の秘密に迫ります。

『呪術廻戦』芥見下々 / 集英社

呪術廻戦 1巻

類稀な身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁(いたどりゆうじ)は、病床に伏せる祖父の見舞いを日課にしていた。だがある日学校に眠る「呪物」の封印が解かれ、化物が現れてしまう。取り残された先輩を救う為、校舎へ乗り込む虎杖だが!?

『呪術廻戦』の基本情報

集英社が発行する雑誌『週刊少年ジャンプ』で2018年3月から連載開始した『呪術廻戦』。現在、既刊10巻まで発売中です。(2020年3月現在)

作品のジャンルとしては「ダークファンタジー×アクション」漫画。普通の高校生である主人公・虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)が、ある出来事をきっかけに邪悪な「呪霊」と呼ばれる存在と戦う「呪術師」となり、仲間と助け合いながら呪霊と戦っていくという物語です。

「呪霊」や「呪術師」など、ホラー色の強いキーワードを除けば、ザ・王道の少年漫画だという気がしますが、この作品にはそれだけでは終わらない不思議な「ぞわぞわ感」が漂っています。人気の秘密は、きっと、このぞわぞわ感にあるはず。『呪術廻戦』の情報を紐解いて、この理由を探っていきましょう。

作者・芥見下々(あくたみげげ)先生

この作品の作者は、本作が初の連載となる芥見下々(あくたみげげ)先生!
『ジャンプGIGA』にて『神代捜査』『No.9(*1)』などの読み切り作品を発表し、『週刊少年ジャンプ』誌上で開催される新人賞企画「金未来杯(ゴールドフューチャーカップ)」に『二界梵骸バラバルジュラ』という作品でノミネートされ、つづく『ジャンプGIGA』連載作品『東京都立呪術高等専門学校』が好評を博し、本作『呪術廻戦』の連載へと繋がります。発表されたどの作品も読み応え抜群で、その異才っぷりが注目されています。
*1.『週刊少年ジャンプ』2015年46号にも掲載

累計発行部数は400万部超え!

単行本の第10巻が発売された2020年3月時点において、累計発行部数がシリーズ全体で400万部超え! 初の連載作品としては異例の大ヒット。話題沸騰です!
ストーリーはますます緊張感あふれる展開へと突入しております……。うぅぅ、これからどうなっちゃうの!?

漫画賞を続々受賞!

ダ・ヴィンチとniconicoが創設した"読者参加型”マンガ賞「次にくるマンガ大賞2018」において、連載開始直後の『呪術廻戦』は第6位にランクインされていました。その後、「全国書店員が選んだおすすめコミック2019」1位、「みんなが選ぶTSUTAYA コミック大賞 2019」大賞 と、激戦の漫画賞を次々に受賞!期待を超えるおもしろさが評価されています。今後のさらなる躍進が楽しみです……!

ストーリー

人間から流れ出た負の感情「呪い」の被害によって、日本全国で怪死者が続出している世界。

被害が多い場所には「呪い」を寄せ付けないように、さらに強い「呪物」が魔除けとして設置されていました。

この物語の主人公・虎杖悠仁(いたどりゆうじ)はごく普通の男子高校生でしたが、オカルト研究会の活動の一環として、意図せずその魔除けの呪物を持ち去ってしまいます。

危険を察知した呪術高等専門学校の伏黒恵(ふしぐろめぐみ)が現れ、虎杖に魔除けの呪物の在り処を尋ねますが、時すでに遅し。オカルト研究会の先輩たちが、夜の校舎で虎杖の持ってきた呪物に貼られていたお札を剥がしているところでした。

お札が剥がされるや否や、先輩たちは封印から解き放たれた「呪い」に襲われてしまいます。間一髪で駆け付けた虎杖と伏黒は「呪い」から先輩たちを助け出すも、魔除けの呪物を狙った「呪い」に追いかけ回されてます。「呪い」は「呪い」でしか祓えないと知った虎杖は、自らに呪いの力「呪力」を宿すため、魔除けの呪物を飲み込んでしまうのです。

「呪い」を体内に取り込んだことで、ピンチを脱し、一時は「呪い」に身体を支配されてしまうも、すぐに正気に戻った虎杖。一件落着と思いきや、なんとこの虎杖が飲み込んだ呪物、通常のものとは比べ物にならない呪いをふりまく「両面宿儺」という呪霊のもの。危険度の高さから、呪術高専は虎杖ごと抹消するという結論に至ります。

理不尽に処刑されそうになる虎杖ですが、伏黒とその教師である五条悟(ごじょうさとる)の働きかけにより、最終的に下された判決は「執行猶予つきの死刑」。

執行猶予の理由は、虎杖に両面宿儺の遺した全ての呪物を取り込ませることにメリットを見出したから。両面宿儺の呪物は強力すぎて、破壊することができない。しかし、両面宿儺を取り込んだ状態で虎杖が死ねば、虎杖の中の両面宿儺も死ぬ、という訳です。

絶望的な2択。しかし、自らが「呪い」を全て取り込めば、「呪い」の被害者を少しでも多く助けることができると知った虎杖は、亡き祖父の「オマエは強いから人を助けろ」という言葉を胸に、「呪術師」として生きることを決意します。
……ここまでのあらすじはほんの序章に過ぎませんが、それでもストーリーと世界観が丁寧に作り込まれていることがお分かり頂けるかと思います!

アニメ化決定

このダークな魅力満載の『呪術廻戦』、ついに2020年にアニメ化が決定しました。
虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)役の声優に榎木淳弥さん、伏黒恵(ふしぐろ・めぐみ)役に内田雄馬さん、釘崎野薔薇(くぎさき・のばら)役に瀬戸麻沙美さん、五条悟(ごじょう・さとる)役に中村悠一さんが決定しており、画面を所狭しと動き回る呪術高専のメンバーを見られるのが今から楽しみですね!

『呪術廻戦』のキャラクター

『呪術廻戦』の魅力の一つが、癖のあるキャラクターたち。敵味方に関係なく、それぞれの生き様がかっこいいのです。

東京都立呪術高等専門学校(都立呪術高専)

虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)

主人公。杉沢第三高校の一年生。常人離れした運動神経を持っていますが、入院中の祖父の見舞いのため運動部ではなく、活動が自由な「心霊現象(オカルト)研究会」に所属。素直で明るい性格で、研究会の先輩たちにもかわいがられています。

しかし、先輩たちを助けるために両面宿儺の呪物を食らい、常人であれば即死してもおかしくない状況の中、宿儺の意識を抑えて自我を保てたことから呪術師としての素質を見出され、呪いと戦うことになります。自分の考える「正しい死」にこだわっており、その信念に従っての行動が目立ちます。

伏黒恵(ふしぐろ・めぐみ)

都立呪術高専の一年生。冷静さと判断力を兼ね備え、虎杖・釘崎との一年生チームの中ではブレーン的存在。かと思いきや、虎杖の処刑に理屈抜きで反対したり、仲間のために体を張って格上の相手に戦いを挑んだりと、内面には熱さを秘めています。

呪術師として志すのは「善人が搾取される不平等な世界で、少しでも多くの善人が平等を享受できること」。「玉犬」「鵺」など、さまざまな特性を持つ「式神」たちを使役して戦います。

釘崎野薔薇(くぎさき・のばら)

虎杖・伏黒と同じく、都立呪術高専の一年生。紅一点ながら、人間相手にも呪霊相手にも常に勝気・強気。呪術師として死ぬことに対しても恐れがありません。一年生チームの中で、誰よりも男らしい……。

呪術師になった理由は、「東京に住みたかったから」。しかし、「それが私である」と言い切る芯の強さがすてきです。武器は自分の呪力を流し込むことで相手を破壊する「釘」と金槌。

五条悟(ごじょう・さとる)

呪術高専の教師であり、「最強の男」。戦闘中ですら常に笑顔をたたえ、生徒や他の教師をからかう様子は軽薄にすら見えますが、その実力は人間の域を超えており、並の呪霊では一切歯が立ちません。

「無限」を操り、その無限を収束・発散するなどで相手を攻撃する「無下限呪術」の使い手。

夜蛾正道(やが・まさみち)

呪術高専の学長。「呪骸」と呼ばれる人形に呪いを込めて操作し、生徒たちの教育にあたっています。虎杖が呪術高専に入学する際の試験では、「呪術師に悔いのない死などない」とあえて厳しい言葉を投げかけることで本音を引き出すなど、教育者としての器の大きさが垣間見えます。強面の割に、作る人形はなんともかわいい。

伊地知潔高(いじち・きよたか)

呪術高専の補助監督。戦闘には基本参加せず、外部と戦場を隔離するための結界を張ったり、術師をバックアップする役目を担っています。よく呪術高専上層部と、自由奔放な五条との間で板挟みになって苦しんでる、悲しき中間管理職……。

家入硝子(いえいり・しょうこ)

呪術高専の医師。五条と同期で、死体の解剖なども淡々とこなすクールビューティー。呪術による治療ができる数少ない人材で、学内では一目おかれている。お酒が大好きらしい。

禪院真希(ぜんいん・まき)

呪術高専の二年生。口は悪いが面倒見がよく、頼れる姐御肌。呪術師として高名な家柄の生まれですが、生まれつき呪力がないため、卓越した格闘センスを生かし、呪具を使って呪霊と戦っています。京都府立呪術高等専門学校の禪院真依の双子の姉。

パンダ

呪術高専の二年生。パンダです。異彩を放つ存在ですが、変わり者ぞろいの呪術高専のメンバーの中では一番の常識人かもしれません。仲間思いのやさしいパンダです。

狗巻棘(いぬまき・とげ)

呪術高専の二年生。呪言師とよばれる、自身の発する言葉の言霊で相手を操り、戦います。普段はその力が不用意に発動しないよう(?)、語彙はおにぎりの具に限られており、仲のいいメンバー以外には解読不可能。本人が一番好きな具はツナマヨだそうです。

京都府立呪術高等専門学校(呪術高専 京都校)

楽巌寺嘉伸(がくがんじ・よしのぶ)

呪術高専 京都校の学長。五条曰く、両面宿儺を抱える虎杖の保護に反対する「保守派」の筆頭。地位や伝統の保持のため、危険な虎杖を任務下でうやむやに抹殺しようと目論んでいる、食えないおじいちゃん。

庵歌姫(いおり・うたひめ)

呪術高専 京都校の教師であり、準1級術師。生徒思いの優しい教師ですが、五条のことを激しく嫌っています。真面目な性格が五条の軽薄さを受け付けないのでしょうか……。一応、五条よりも歌姫さんのほうが術師としての歴は長いようです。

東堂葵(とうどう・あおい)

呪術高専 京都校の三年生。学生の身ながらすでに高レベルの呪霊を多数祓った実績があり、戦闘力だけでいうと間違いなく京都校ナンバーワン。しかし、ちょっとおバカなところがあり、京都校の他のメンバーからは問題児扱いされています。身長とお尻が大きい女性がタイプ。それ以外は認めん!

加茂憲紀(かも・のりとし)

呪術高専 京都校の三年生。京都校のリーダーっぽい立ち位置にいますが、呪術師としての名門の家柄、高い才能を持つがゆえか、人を血筋や格で判断しがち。いますよね、こういう人。ただ戦闘力はさすがのもの。自身の血を使った術式で敵を翻弄します。

西宮桃(にしみや・もも)

呪術高専 京都校の三年生。飄々としているように見えて、実は意外と仲間思いの女の子。特に下級生の真依に対しては同じ呪術師として、女性として、尊敬の念を抱いているようです。「静かに飛ぶのが好きなの」というセリフがものすごく似合いそうなお方。

禪院真依(ぜんいん・まい)

呪術高専 京都校の二年生。東京校の禪院真希の双子の妹。プライドが高く、人の神経を逆なでするような言動を好み、特に姉の真希に対しては異常な執着と蔑視の念を見せます。それには双子の姉妹ならではの複雑な事情があるのですが、実は単純に、素直になれないだけなのかもしれません。

究極メカ丸(アルティメット・メカマル)

呪術高専 京都校の二年生。生まれつき右腕と腰下の感覚がなく、少しの光でも肌が焼かれてしまうという重度の障害を抱えており、その代償として得た高い呪力を武器に呪骸であるメカを操作して戦っています。名前と見た目はあれだが、実力は一級品!

三輪 霞(みわ・かすみ)

呪術高専 京都校の二年生。暴走しがちな京都校の面々の中ではかなりの常識人で、それゆえに気苦労が絶えない。日本刀の剣技と呪力の組み合わせで戦う「シン・陰流」の使い手。戦闘能力は高いはずですが、柔和な性格のため戦闘にはあまり積極的ではありません。

呪術師

七海建人(ななみ・けんと)

一級術師。呪術高専を卒業したのちに一度サラリーマンを経験しており、そのためか時間に厳しく、真面目な性格。言葉遣いも敬語でやわらかいですが、言っていることは結構手厳しい。どんな相手にも強制的に弱点を作り出すことのできる術式を使用して戦います。今日も定時までに呪霊を片付けて帰ります。

夏油傑(げとう・すぐる)

元・呪術高専の生徒で、五条の同期でしたが、とある事件で呪術師という存在に絶望し、離反。呪いこそが真の人間であり、人間は消去するべきだと目論む呪霊たちと結託し、呪術師との戦争を企てています。性格は一見おだやかでコミュニケーション上手。曲者ぞろいの呪霊メンバーをうまくまとめる保護者的存在です。

呪霊

両面宿儺(りょうめんすくな)

顔を2つ持つ4本腕の鬼神。千年以上前に実在した人物でしたが、死後もあまりにも強力な呪力を持つため、20本の指をばらばらにしたうえで「特級呪物」として各地に封印されています。虎杖がそのうちの1本を取り込んだことをきっかけに受肉し、虎杖の身体を共有しつつ、表に出る機会をうかがっています。

真人(まひと)

夏油たちと共に行動するメンバーの1人。「人が人を憎み、恐れる共通意識」から生まれた特級呪霊であり、相手の魂の形に触れて形を変えてしまうという恐ろしい術式を行使します。戦闘を楽しみ、新たな知識に目を輝かせるといった子どものような一面があり、おぞましい術式とのギャップが憎めないキャラクターです。

漏瑚(じょうご)

夏油たちと共に行動する、火を操る特級呪霊。夏油に止められたにもかかわらず先走って五条に戦いを挑みにいくなど、感情的な面が目立ち、冷酷非道な面々が集う夏油ファミリーの中ではある意味そこが逆に人間らしく、かわいらしさを感じてしまいます。本当は強いんだよ? ほんとだよ?

花御(はなみ)

夏油たちと共に行動する、植物を操る呪霊。見た目は怖いですが、五条に挑み敗れた漏瑚を助けに入るなど、優しい一面を見せます。花御の戦闘中は周囲に花が咲き乱れるため、呪術師はほっこりして毒気を抜かれてしまうのは作戦だとか、そうでないとか。

『呪術廻戦』の魅力

キャラクターだけでも魅力がビシバシ伝わって来ると思いますが、ここで、もっと『呪術廻戦』という作品の見どころを紹介したいと思います!

人間VS呪霊の世界観

物語は基本的に、呪術師の仲間たちと呪霊との戦いが描かれていきます。呪霊は人々に悪影響を与え、死に至らしめることがしばしば。人々を守るために、呪術師は己の身を投げ打って戦っているのです。

しかし、呪術師の中には夏油のように人間に絶望し、両面宿儺の復活を目指す者も。人間も呪霊も決して一枚岩ではなく、それぞれの信念・葛藤を抱きながら戦っており、各キャラクターの内面に迫るエピソードも読み応え十分。
主人公が登場せず、他のキャラクターにスポットが当たった状態でストーリーが進行することも多々あります。人間VS呪霊の戦いという1つの枠の中で、たくさんのキャラクターたちの行動が1つの終着点に向かって収束していく感覚がたまりません。

果たして主人公たちが向かう未来は破滅か、救いか……。

努力・友情・勝利がモットーの少年漫画にしては、多少テーマが重くないですか!? でも、それがいいんです!

虎杖と共に考える!台詞の奥深さ!

作り込まれた物語も去ることながら、この作品の魅力を語る上で外すことが出来ないのは、その台詞の奥深さです。特に主人公・虎杖や登場するキャラクターたちの台詞から、答えのない問いが浮かび上がり、読者である私たちにその重さや奥深さを突きつけます。

「正しく死んでほしいって思うんだ」

「呪い」の被害者を救うべく立ち上がった主人公・虎杖は、数多くの人間の「死」を目の当たりにします。それ以前にも、大切な祖父が亡くなる瞬間に立ち会った虎杖にとって、当たり前に続くと思っていた毎日の隣に「死」を身近に感じるようになるのです。「知ってた?人ってマジで死ぬんだよ」という彼の台詞が、それを物語ります。虎杖は、病床で亡くなった祖父の「死」と、呪いによってもたらされる「死」は何が違うのか、恐怖と戦いながら考えます。どんな最期を迎えれば「正しく死ぬ」ことになるのか、「正しい」とはなんだろうか、もし自分が助けた人が誰かを殺したらそれは「正しい」ことになるのか、そんなことを虎杖と共に考えさせられる作品です。

「自分が呪いに殺された時もそうやって祖父のせいにするのか」

亡くなった祖父の言葉を胸に呪術師として人々を救うことを志す虎杖ですが、呪術師になるための学校・呪術高等専門学校への入学を申し出た際に同校の校長から「自分が呪いに殺された時もそうやって祖父のせいにするのか」と問われてしまいます。誰かの言葉に感銘を受けて、それを使命として生きていくことが素晴らしいことですが、その一方で上手くいかなかった時(虎杖の場合は命を奪われそうになった時)に、その誰かのせいにしてしまうこともありますよね。何があっても自分の責任であると覚悟を決められるよう、自らの中から湧き出る信念を持つ必要があると、この台詞が教えてくれます。虎杖と同じように読者である私たちも身につまされる気持ちです。

「好きの反対は嫌い」

どこか寂しげで屈折している少年・吉野順平の台詞で、「好きの反対は無関心」という言葉を否定しています。彼は、悪意を持って人と関わる方が悪いに決まっており、逆に他人へ何も期待せず何も感情を持たない「無関心」こそが美徳であると考えます。果たして本当にそうなのでしょうか。そうであるとしたら何だか寂しい世の中のような気もしますよね。そしてこの少年の根本にある考え方に虎杖は何と返すのか、非常に気になるところです…!

他にもハッとさせられる言葉や、胸にジンと染みる一言、読者である私たちに問いかけられているような台詞が詰まっています。虎杖と共にその答えを探しながら、この作品が提示するテーマに没入してみるのも面白いかもしれません。

現実世界と「呪い」との調和具合がリアル!

この作品では、校舎や病院、喫茶店や映画館など、実際に私たちが日常生活を送っている場所が「呪い」の巣食う舞台となり、何も知らない一般人が巻き込まれることから、まるで私たちが生きている現実世界で本当に起こっている出来事かのようなリアリティを感じることが出来ます。

この現実との地続き感によって「呪い」の存在を身近に感じ恐怖度が増すような気がしますよね。

また、人が「呪い」に襲われる瞬間の描き方も衝撃的なシーンとなっています。

今これを読んでいるあなたの後ろにも、呪霊が…!?背筋が凍るリアリティの演出も、この作品の大きな魅力の1つと言えるでしょう。

テンポの良い展開

現在10巻(2020年3月時点)まで刊行されている『呪術廻戦』ですが、「え、まだ10巻しか出てないの?」と思うほど、これまでのストーリーは非常に濃密……!
「両面宿儺との邂逅」「呪術高専入学」「特級呪霊との初戦闘」「京都校との対抗戦」など、単行本5巻あたりまででもこの内容の濃さ!
このストーリー展開のテンポの良さが、これほど重厚なストーリーにもかかわらず暗くなりすぎず、ポップにまとめあげています。

ギャグ回・ほっこり回もちゃんとあります!

呪力を使った白熱のバトルシーン

そして、なんといっても、バトルシーンのかっこよさを忘れてはいけません。
最初に「呪術師」と聞くと、「お札とかで戦うのかな?」とイメージしてしまうかもしれませんが、呪術師の皆さん、基本的に超・武闘派!(笑)

大胆なコマ割りの中で、大迫力の戦闘が繰り広げられます。派手ですが、呪霊との戦いは常に生きるか死ぬか。そんな緊張感も背後に伝わって来る戦闘ばかりです。

また、キャラクターたちはそれぞれ自分の呪力タイプによってさまざまな技を行使するため、戦闘スタイルは十人十色。
組み合わせによっても戦闘の質や華やかさが変わるのも楽しいです。お互いの能力を生かした共闘のシーンは、見ていて間違いなくテンションが上がる1幕のはず!

必殺技「領域展開」のかっこ良さ

そしてそして! バトルものの少年漫画に欠かせないもの……、そう! 必殺技です!

『呪術廻戦』の戦闘シーンを大迫力にしている要素の一つがこの必殺技である「領域展開」。

術式を付与した空間を作り出し、その中に相手を閉じ込める技で、この領域内で発動した術式は「必ず」対象者に当たる、という正真正銘の必殺技。(回避の方法もあるにはあるのですが)

こちらの「領域展開」、領域という名がつくだけあり、空間を飲み込んで異次元で発動しているように見えるのですが、とにかく演出がド派手!
味方はもちろんのこと、特に注目なのは敵の「領域展開」。その呪いの禍々しさが一層拡大され、もはや神々しく見えるほど……。

しかも「領域展開」はほぼ必殺の技となるため、「領域展開」が発動した途端、場の緊張感は一気にクライマックスに。ほんと、ピン!と空気が変わります。この、一瞬時が止まったかのように見える演出には、さすがとしか言いようがありません。
文句なしにかっこいい演出と生死をかけたバトルの緊張感。誰もがこの世界観に入り込まずにはいられないはず!

『呪術廻戦』の感想【ネタバレあり】

展開最高。設定も最高。登場人物たちもみんな好き!領域展開とか呪術とかカッコいい!三巻で先生が紹介してた各メンバーのテーマソングもイケてる!日食なつこにはまった。よくこんなに知ってるな。
posted.by ブクログ
内容も演出もかなりおもしろいけど、とにかく五条先生めちゃくちゃかっこよくて、ひさびさにアニメキャラに惚れてしまいました。
正直、先生が見たいので続刊購入します。
これは面白い。
過去の戦闘モノのジャンプ作品の良いとこ取りをしたような設定だけど、それを無理なく世界観に落とし込んでいる。
何より話のテンポが良くて飽きさせない。
主人公も応援したくなる好感の持てるキャラクターだし、この先の展開が楽しみ。
posted.by ブクログ

ワクワクとゾワゾワが共存するダークファンタジー!

個性的なキャラクターたち、テンポ良く無駄のない構成、バトルシーンのかっこよさ。『呪術廻戦』は、どれを取ってもハイレベルな作品だと思います。しかし、人気のある漫画って大体この条件は満たしているような気がしませんか?
私は『呪術廻戦』の一番の魅力は、作品内に常に漂う、背中が凍るような「ゾワゾワ感」だと思うのです。それは日常と隣り合わせの死、理不尽な死、そこに抗う命の美しさと危うさ。
そんな危うさの中で懸命に答えを出しながら戦う主人公たちにも、どこか歪みがある気がしてしまう。読者はそんな彼らにワクワクさせられ、同時に不安にさせられて、そして一際惹かれるのではないでしょうか。
さまざまな思いが交錯するダークファンタジーに、今後も目が離せません!

  • 呪術廻戦 1

    呪術廻戦 1

    類稀な身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁(いたどりゆうじ)は、病床に伏せる祖父の見舞いを日課にしていた。だがある日学校に眠る「呪物」の封印が解かれ、化物が現れてしまう。取り残された先輩を救う為、校舎へ乗り込む虎杖だが!?