『僕のヒーローアカデミア』人気の秘密を徹底考察!!

いつの時代も我々はヒーローを必要としています。 強くてカッコよくて優しい、憧れの英雄を。 けれど、そもそもヒーローというのは最初から強いのでしょうか。 実は私たちの見えないところで一生懸命努力し、その結果としてヒーローたる強さを手に入れているのかも知れません。 この物語の主人公は、私たちと同じように正義のヒーローに憧れていた、ごく普通の少年です。 そんな、1人の少年が仲間たちと共に憧れのヒーローを目指し幾つもの試練を乗り越えてゆく物語。

新時代のヒーロー漫画『僕のヒーローアカデミア』(堀越耕平)を徹底解剖します。

漫画『僕のヒーローアカデミア』とは

『僕のヒーローアカデミア』堀越耕平 / 集英社

僕のヒーローアカデミア 1巻

僕のヒーローアカデミア 1巻

多くの人間が“個性”という力を持つ。だが、それは必ずしも正義の為の力ではない。しかし、避けられぬ悪が存在する様に、そこには必ず我らヒーローがいる! ん? 私が誰かって? HA―HA―HA―HA―HA! さぁ、始まるぞ少年! 君だけの夢に突き進め! “Plus Ultra”!!

「君だけの夢に突き進め!」この作品の燃えるような「アツさ」がこの一言に集約されています。一体どれほどアツい物語なのか、まず物語の内容をご紹介します!

それぞれが“個性”を持つ世界

人それぞれ持っている“個性”は違いますよね。(だからこそ“個性”ですものね…!)この物語の世界では、1人1人の“個性”が何かしらの「能力」として開花します。(火を放出できるとか、透明になれるとか…)自分にどんな“個性”が備わっており、その“個性”をどう使うのか、運命と善意に委ねられた世界です。

主人公はごく普通の少年

『僕のヒーローアカデミア』第1巻p9
『僕のヒーローアカデミア』第1巻p24

そんな“個性”の世界において、この物語の主人公はまさかの「“無個性”」(何も能力がないという“個性”)でした。名前は緑谷出久(みどりやいずく)。あだ名は「デク」。“個性”を悪用する者たちから人々を守るヒーロー達に憧れ、自分自身もそんなヒーローになりたいと夢を抱いていました。しかし、「“無個性”」という現実を前に諦めかけるデク。

憧れのヒーロー・オールマイトとの出会い

『僕のヒーローアカデミア』第3巻p8-9

そんな彼の運命を変えたのは、彼が最も憧れるヒーロー・オールマイトとの出会いでした。ある日、デクは街で凶悪な敵に襲われてしまいます。そこへ助けに来たのがオールマイト!オールマイトにヒーローとしての素質を見込まれたデクは、彼の“個性”(能力)を継承します。

『僕のヒーローアカデミア』第1巻p58

その“個性”(能力)というのが「ワン・フォー・オール」。自分の力を何倍ものパワーに増強できる能力です。

『僕のヒーローアカデミア』第1巻p108-109

いざ、ヒーローアカデミア(雄英高校)へ

『僕のヒーローアカデミア』第1巻p88

かくしてオールマイトの“個性”を手に入れたデクは、憧れであったヒーローを目指すため最高峰の高校の門を叩きます。それが「雄英高校」(通称:ヒーローアカデミア)。デクは無事この高校に合格を果たし、個性豊かな仲間達と共に正義のヒーローとなるべく成長してゆくのです!

連載誌は少年漫画の王道・ジャンプ!

『僕のヒーローアカデミア』は、『週刊少年ジャンプ』にて2014年第32号から連載が開始されました。単行本は既刊22巻(2019年2月現在)で、累計発行部数は2,100万部を超えています。さらには北米でも爆発的な人気を誇っており、こちらも累計発行部数は100万部を超えているようです。

今やジャンプの人気を牽引すると言っても過言ではない、ワールドワイドなヒーロー漫画と言えるのではないでしょうか!

数々の漫画賞を受賞!

  • 次にくるマンガ大賞 これから売れてほしいマンガ 第1位
  • 漫道コバヤシ漫画大賞2015 グランプリ
  • 第8回マンガ大賞 第8位

その他多数の賞を受賞しています!

一般の読者の方々だけでなく漫画界の権威ある賞からも評価を受ける、大注目の作品であることが分かりますよね。

アニメ・映画も大ヒット!そして舞台も…!?

『僕のヒーローアカデミア』はTVアニメも大人気!2019年1月現在、3期分が放送されており、第1期が毎日放送/第2-3期が読売テレビでの放送となりました。声優には、あの山下大輝さんや梶裕貴さんなど大人気の面々が集結。

そしてその人気から、2018年8月3日にアニメ映画も公開されました!『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 〜2人の英雄〜』こちらも大ヒットを記録し、観客動員数は129.6万人、興行収入は17億円を突破しました。

そして2019年には舞台化の情報も!タイトルは「『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage」。2019年の春に東京と大阪の2都市での公演が決定しています!ファンにとっては様々なメディアで「ヒロアカ」の世界を楽しむことができ、歓喜のニュースですよね!

このように、爆発的人気を誇る「ヒロアカ」。その大ヒットぶりはまさにヒーロー級です。そして人気であるということは、人々を惹きつけて止まない魅力が必ずあるということ!今回は「ヒロアカ」の魅力を4つの項目に分けて、徹底的に掘り下げます!

「ヒロアカ」の魅力 その①:十人十色!ヒーローたちの「“個性”」が特徴的で面白い!

まずこの作品で一番に思い浮かぶ魅力といえば、多種多様な“個性”たち。雄英高校には、毎年厳しい入学試験を勝ち抜いた生徒たちが入学します。デクのクラスメイトも、それぞれが強すぎるほどの“個性”を持っており、その豊富さが物語を盛り上げるのです。

今回は主要メンバーの“個性”を紹介しちゃいます!

爆豪勝己(ばくごうかつき):個性「爆破」

『僕のヒーローアカデミア』第1巻p14

デクと幼馴染の爆豪は、競争心やプライドが高く攻撃的な性格。掌から爆破を生み出すことができる“個性”は、かっこいい!

飯田天哉(いいだてんや):個性「エンジン」

『僕のヒーローアカデミア』第1巻p154

デクのクラスの委員長を務める超真面目なメガネ男子。走りで右にでる者はいないほど、超速ダッシュが得意な“個性”を持っています。

麗日お茶子(うららかおちゃこ):個性「無重力(ゼログラビティ)」

『僕のヒーローアカデミア』第1巻p114

デクに好意を寄せる温厚で可愛らしい少女。触れたものや自分自身を一時的に無重力状態にできる“個性”は随所で大活躍!

轟焦凍(とどろきしょうと):個性「半冷半燃」

『僕のヒーローアカデミア』第5巻p84-85

一見クールな性格だが、その背景には悲しい過去の経験が…。(ぜひ本作で!)右半身で氷を司り、左半身で炎を司る。そんなWの“個性”もありなのか!

蛙吹梅雨(あすいつゆ):個性「蛙」

基本的に「蛙」が出来そうなことは何でも出来る!

峰田実(みねたみのる):個性「もぎもぎ」

頭からもぎったボールは、吸着力抜群!スケベ野郎で良いキャラしてます。

耳郎響香(じろうきょうか):個性「イヤホンジャック」

イヤホンをさして大音量で攻撃!逆に小さな音のキャッチもできる!

八百万百(やおよろずもも):個性「創造」

自分の身体から何でも物を作り出せる!学力はクラスでトップの優等生!

上鳴電気(かみなりでんき):個性「帯電」

電気を帯電し、然るべきタイミングで大放出できる!しかし、放出後ショートするととんでもなくアホに…。

他にも紹介しきれないほど多種多様な“個性”を持った生徒たちが登場します。それぞれの“個性”単体で見ても十分面白いですが、やっぱり“個性”と“個性”が本気でぶつかり合う戦闘シーンが最高にかっこいいのです!チームプレイで助け合ったり、互いに勝負したり、その切磋琢磨の過程の中で、自分の“個性”と向き合い使いこなしてゆく生徒たち。そんな成長の過程で進化してゆく“個性”とともに、物語がどんどん加速していきます!

ヒロアカ」の魅力 その②:ワン・フォー・オールに対して、オール・フォー・ワン…!?

この物語では、生徒たちがヒーローを目指して成長する姿だけでなく、彼らを脅かす敵〈ヴィラン〉連合も登場します。この敵連合は、平和の象徴であるオールマイトを殺そうと、雄英高校に近づいてくるのです。彼らの真の目的とは一体何なのか。この不気味な存在は物語の陰の部分であり、気になる存在となっています。

連合の一部メンバーを紹介します!

死柄木弔(しがらきとむら):個性「崩壊」

『僕のヒーローアカデミア』第2巻p121

見た目のインパクトが凄い敵連合のリーダー。登場シーンはギョッとします。

オール・フォー・ワン

『僕のヒーローアカデミア』第3巻p71

PCの画面上から、敵連合に指示を出している謎の人物。

特に、正体不明の人物(?)として登場する「オール・フォー・ワン」は、この作品の鍵を握るキャラクター。デクに継承されたオールマイトの“個性”である「ワン・フォー・オール」に対するような名前「オール・フォー・ワン」の能力も気になります。(ぜひ、本作で確かめてみてください!) 巻数を増すにつれて、敵連合の登場人物も増え、どんどんと複雑にそれぞれの思惑が絡み合っていきます。ぜひ本作でその真相を確かめてみてください!

「ヒロアカ」の魅力 その③:臨場感あふれる戦闘シーン

『僕のヒーローアカデミア』第5巻p147-148
『僕のヒーローアカデミア』第5巻p149-150
『僕のヒーローアカデミア』第5巻p151-152

この漫画を語る上で、臨場感あふれる戦闘シーンに言及しないわけにはいきません。当然ヒーローがテーマの物語とあって多くの戦闘シーンが描かれるのですが、魅力的なのはアングルが一瞬一瞬で細かく変化し視覚的に迫力満点である点です。まるで間近でそのシーンを見ているかのような臨場感に惹きつけられます。さらに、決着の瞬間などヒーローたちの“個性”が爆発するシーンは大迫力の見開きで描かれており、コマのメリハリも抜群です!また、主に戦闘中の擬音語として「SMASH!」や「BOOOM!」など英語が用いられており、そのアメコミ風のタッチが新鮮で面白い。ヒーローが最も輝く瞬間である戦闘シーンにて描かれる「圧倒的臨場感」をぜひ体感して頂きたいと思います!

「ヒロアカ」の魅力 その④:共に成長するヒーロー/エピソード0を見ているような感覚

多くのヒーローものの作品は、既にヒーローとして活躍する強さを備えた存在を描いているものが多いかと思います。ですが、この物語はヒーローとしてはまだまだ未熟なデクを始めとする生徒たち(言うなれば「ヒーローの卵」たち)が、強くなっていく過程を大切に描いています。なので、ヒーローとして未熟であるがゆえの葛藤や壁にぶち当たるシーンも多く、そこが魅力です!それぞれの課題と対峙する彼らの姿から、絶対的なヒーローもヒーローである前に私たちと同じ1人の人間であることが伝わってきます。だからこそ余計に、もがきながらもヒーローを目指す彼らに共感したり応援したくなったりするのです。まるで大活躍するヒーロー物語の「エピソード0」を見ているような面白さが、この作品に世界中の人が惹かれている理由なのかも知れません。

『僕のヒーローアカデミア』終わりに

今や世界的人気となっている漫画『僕のヒーローアカデミア』。いくつになってもヒーローは憧れる存在であり、そんなヒーローたちをまるで童心に返ったような高揚感で応援してしまう、そんな作品です。まだまだ少年たちの物語は加速しながら続いていき、敵連合との闘いも加熱していきます。“個性”だって、今後ますます進化してゆくはず。巻数を重ねるたびに目が離せなくなる展開は、私たちを更なるワクワクへと連れていってくれるでしょう!ぜひ、ヒーローアカデミアの生徒たちと共にヒーローを夢見る興奮、そして感動を味わっていただきたいと思います!

  • 僕のヒーローアカデミア 1

    僕のヒーローアカデミア 1

    多くの人間が“個性”という力を持つ。だが、それは必ずしも正義の為の力ではない。しかし、避けられぬ悪が存在する様に、そこには必ず我らヒーローがいる! ん? 私が誰かって? HA―HA―HA―HA―HA! さぁ、始まるぞ少年! 君だけの夢に突き進め! “Plus Ultra”!!