伊岡瞬のレビュー一覧

  • 清算
    広告代理店「八千代アドバンス」が経営悪化により清算へ。手続きを任されたのは畑違いの制作部の畑井。懸命に作業を進める中負債の返済用資金二億円が社員と共に消え、殺人事件まで...。経済色が強い小説かと思ったら本格ミステリー、ストーリーテラーの面目躍如。
  • 奔流の海
    さすがの伊岡瞬作品。ページをめくる手が止まらなかった。気を衒った仕掛けがあるわけでもなく、推理を促してくるわざとらしさもなく、でも続きが気になって仕方ないという。
    ラストは珍しくハッピーエンドといってもいいような終わり方でなんだか嬉しかった。
    そこだけやや説明不足…というか、端折った感じはあったかな...続きを読む
  • 145gの孤独
    素晴らしかった。
    主人公の親友のことは全く気づかなかったので驚いた。

    ただヒロインの存在というか好意は、都合のいい少年漫画的だった。
    彼女は田中と恋に落ちるべきだったと思う。
    普通、無理でしょ。
  • 残像
    主人公がいつもの伊岡さんの作品には出ないような、笑っちゃう感じの主人公。この主人公だからこそ、重いテーマでも胃もたれせずに読めた。

    物理的な本の半分くらいで先が読めてしまったけれど、それでも飽きずに読み切れるのは、登場人物それぞれの背負うものがきちんと描かれているからだと思う。また主人公の家庭につ...続きを読む
  • 代償
    伊岡瞬さん初読み。
    結論から言うと、面白かった!
    展開がスピーディーでグイグイ読ませてくれます。

    作者は根っからの悪を書きたかったそうですが、マジで悪すぎて超絶ムカつきながらも、ページを捲る手が止まらない。

    ラストもハッピーまではいかないまでも納得でした!オススメです!
  • 赤い砂
    初めてコロナが発生した時ってこんな感じだったんだろうなあ、と思える作品。

    ある男がホームに来た電車に飛び込んで自殺する、という衝撃的な場面から物語が始まる。その処理に関わった人間も連鎖的に自殺してしまう。自殺した人間に共通点はあるけど、はっきりした事は言えない。同僚の自殺に納得がいかなかった刑事の...続きを読む
  • もしも俺たちが天使なら
    単なるお金の騙し合いや利害関係の話だけでなく、人の思いやりや心に触れる話。展開が早く、面白いだけでなく、終わり方も良かった。
  • 代償
    伊岡さんの本は6冊目。
    これはおもしろかった。特に後半は一気読み。
    今まで読んだ伊岡作品の主人公たちはあまり好きになれなかったが、今回は圭輔が聡明だからかな。
    寿人も賢くて冷静で、素直に二人を応援できた。

    対してどうしようもなく鬼畜な親子。次第に明らかになっていく事件の真相。どんな『代償』でも足り...続きを読む
  • 白い闇の獣
    『この世に神の慈悲などない。ただ、まっ白な闇が広がっているばかりだ。』
    この一行に震えました。

    小学六年生の少女・朋美が誘拐され殺された。しかし、捕まったのは少年3人で、彼らは少年法に守られ、再び世に放たれた...

    4年後、少年たちの1人が転落死する。果たして、遺族による復讐なのか?
    朋美の元担...続きを読む
  • 残像
    やっぱ、伊岡瞬はすごい。
    うまい!!
    最初は突飛に見えた登場人物が少しずつ人間味を帯び、魅力を持ち、気がつけば引き込まれている。
    一平のように。。
    一気に読み終えました
  • 朽ちゆく庭
    伊岡瞬さんの作品は何冊か読んでいて、帯の文に惹かれて購入

    何処にでもあるような少し会話の少ない家族が引っ越すところから話が始まる

    なんだか各々が家族には言えない秘密を抱えているようで、身近な生活が目に浮かぶような内容なのでとても読みやすく、中盤からある息の途絶えたある少女発見されてからはストーリ...続きを読む
  • 白い闇の獣
    少女殺害の描写が生々しく、子を持つ親の立場としてはとても読むのが辛い物語でした。
    ひとつの事件でどれだけ周囲の人間が苦しみを抱き続けなければいけないのか、気持ちが重くなるのですが、しかしストーリーは秀逸で一気に読み進めてしまいます。
    伊岡瞬さんの力作ですね。
  • 赤い砂
    最初はえらく突飛な設定かと思ったが、今の世の中絶対にあり得る話しだと思ったし、後書きを読んで20年近く前に書かれた作品だと聞き、そのアイデアの秀逸さに驚いた。
    刑事モノの主人公のすべてを仕事に捧げる使命感には毎度驚かされるが、ホントにそんな感じなのだろうか、と疑問には思う。
  • 痣

    『痣』

    猟奇性 ★★★★★
    意外性 ★★★★★
    緊迫感 ★★★★★

    【物語】
    殺人現場の描写がおどろおどろしい。犯人の猟奇的な一面をのぞくことができるほどに・・・。
    連続殺人事件の現場には共通の足跡が・・・。
    それが主人公の刑事の元妻(すでに殺害)の遺留品があるということ。
    なぜ?
    犯人の狙いは...続きを読む
  • 代償
    不幸な境遇のため、遠縁の達也と暮らすことになった少年・圭輔。新たな友人・寿人に安らぎを得たものの、魔の手は容赦なく圭輔を追いつめた。長じて弁護士となった圭輔に、収監された達也から弁護依頼が舞い込み。

    達也と道子のクソ野郎っぷりが凄すぎて一気読みだった。
  • 本性
    それぞれの登場人物の視点で構成されている物語。
    真相に近づくにつれ、サトウミサキという女が必ず関わってくると共に登場人物に対する心情も変化していくのが面白い。
    本性というタイトル通り、それぞれの思惑、心情、本心が暴かれていく様子は飽きずに楽しめる。
    やはりこの作者の方は人間の悪意を描くのが上手すぎる...続きを読む
  • もしも俺たちが天使なら
    めっちゃ面白い!詐欺師とヒモと元刑事という異色のメンバーが組む話なんやけど、めっちゃ好き。特に詐欺師の谷川さんがね、飄々として頭が切れて格好良い。この異色のメンバーが組むのまた見たい。この爽快感がクセになる。代償イメージ一変した(笑)
  • 瑠璃の雫
    この夏、久々にミステリーばかりを読んでいるのですが、とても面白くてすぐに読み終わってしまいました。
    主人公の気持ちを考えると胸が苦しくなることばかりでしたが、この本に出会えてよかったです。
  • 白い闇の獣
    少年法で守られる加害者。無惨に殺された被害者。被害者の両親の心の葛藤は辛く悲しい。加害者にもっと刑罰を与える事ができないものだろうか?
  • 白い闇の獣
    少年法について考えさせられる作品である。
    やってることは凶悪犯、しかしカタチだけの罰を受け、世に放たれるが再び罪を犯す。
    そこにはられた伏線が回収されながら結末へと。。。
    面白かった。