伊岡瞬のレビュー一覧

  • 白い闇の獣
    最後の最後で二転三転して面白かった。
    やはり悪者は子どもだろうが大人だろうが更生しないものなのか。少年だろうが何だろうが、悪意と殺意を持って犯行に及んだのであれば、厳重に罰せられるべき。
    しかし一夜の過ちの罪の意識だけで、我が身を投げ出せるものなのか、いつも理解に苦しむ。
    エンディングに少しだけほっ...続きを読む
  • 奔流の海
    序章
    十万光年の花火
    清田千遥(一九八八年三月)/津村裕二(四歳~八歳)/
    清田千遥(一九八八年三月)/津村裕二(八歳~十二歳)/
    清田千遥(一九八八年三月)/
    坂井裕二(十二歳~十六歳)/
    清田千遥(一九八八年三月)/坂井裕二(十六歳)
    海の扉
    清田千遥(一九八八年七月)/坂井裕二(十九歳)/
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  • 奔流の海
     この物語の展開と読ませ方‥好きです(告白?)。何というか、帯にある「最も残酷で美しい〜」の惹句に勝手に同調してしまいました(結構センチで一人で感動する傾向ありです)。

     台風による土砂災害の「奔流」と毒親に狂わされた人生の「奔流」。荒れ狂ったように速く激しく流れるこの2つの「奔流」、その描き方と...続きを読む
  • 奔流の海
    押し屋や!
    押し屋!
    しかも、ムスコを!クルマに向かって押すの?
    あっ!当たり屋やな。
    一度は、偶然かもしれんけど、味しめてやるか?普通…

    はい!コイツ!クズ確定!
    父親失格!人間失格ですな…
    そんなヤツがいっぱいいて、そこから脱出して、養子となって幸せになる。
    しかし、周りにも同様の子らが…
    ...続きを読む
  • 奔流の海
    『人は運命に抗うことができるのか』



    1968年、静岡県千里見町に近づく台風は、五十年に一度とも百年に一度とも言われる豪雨をもたらしていた。住んでいるところが危険区域に指定された有村一家は、乳飲み子を抱えながら 親戚の家への避難を決めるが…

    後に「千里見の七夕崩れ」とよばれた大型台風は、多数の...続きを読む
  • 悪寒
    いやー、面白かった。後半の怒涛の展開はすごかったな。お見事ですとしか言いようがない。

    主人公は大手製薬会社に勤める冴えない中年男性。会社の不祥事の責任を取らされ、山形の子会社へ単身赴任で飛ばされて、どんよりした日々を送る毎日。いつからか妻とも疎遠になり、娘にも連絡を拒否される、そんな悲しい状況。こ...続きを読む
  • 冷たい檻
    安定の作品だった。
    登場する人物が多く、また組織、国の思惑もあって最後までどうストーリーが転んでいくのか分からなかったが、中盤で動きが加速し最後もうまくまとめられて読後感も大変良いものだった。
    できれば、透吾のその後も知りたかったですし、また伊岡作品で登場してくれたら嬉しい。
    フィクション作品だがこ...続きを読む
  • 奔流の海
    深く複雑で壮大

    過去から現在にかけて2人の人生が近づいていく。

    裕二には幸せになってほしい。
    坂井隆はきっといい人であってほしい。
    そう願いながら読み、裏切られ、
    それでも助かった子供がいるならいいと思った。

    「わたしはお母さんの子だけど、お母さんのための子じゃないんだよ」

    この言葉はとて...続きを読む
  • 本性
    伊岡作品、渾身の一撃だった!主人公・サトウミサキが神出鬼没に現れる。彼女の過去にまつわる禍根、家族の破滅的状況に怒り狂う。そして関連する奴らへの復讐を遂げていく。さらに1人の警察官・安井も連動する。安井が徐々にサトウミサキに迫る。そしてラストのサトウミサキ VS. 安井。この対峙により、復讐の真相が...続きを読む
  • 奔流の海
    だいすきな両親がいて、何も不自由なく生きてきた自分には
    想像してもしきれんくらい苦しい現実。
    その中で、人との出逢いが考え方やすきなことを変え
    より自分らしく生きれる人生にしていく。
    考えさせられるけど前向きにもなれた。
    別々だと思った話が繋がっていく後半は
    止まらなかった。
  • 悪寒
    ここに出てくる登場人物は皆、私からして良くも悪くも気持ちがわかっちゃう人たちでした。
    犯人の境遇、育った環境、考え方が自分に当てはまるところが多くて本当に『悪寒』。吐き気がした。
    1歩間違えたら自分だと思った。『吐き気がした自分』に安堵した。
    …感想になってない
  • 奔流の海
    なかなか興味深いテーマだった。それぞれの人生がどこかでぶつかるのは想定していたが、まさかそこか。
    しかも、三重、四重に家族を転々と…
    冷静に考えればあり得ない設定かもしれないが、納得の結末に心安らいだ。
  • 赤い砂
    ならば、この「アレナ・ルブラ」が宿主の脳を破壊して、別の宿主に広がろうと試みても、不思議なこととはいえないでしょう。一般の人は『宿主を殺してはウイルスだって生き残れない。元も子もないじゃないか』と言います。しかし、死ぬ前に『炸裂』のような行動にでれば、それはそれで伝播のひとつの方法ではあります。21...続きを読む
  • 痣

    面白かった。
    宮下くん良いキャラだったから続編あれば…って思ったらある!
    真壁さんとコンビ!
    嬉しい。読もう。
  • 奔流の海
    伊岡瞬さん,最近はイヤミス寄りの作品が多いので,その覚悟でビクビクしながら読み出しました。
    最初から引き込まれるのはいつもの事ですが、過去と現在とが交互に描かれる中,それぞれの登場人物が思わぬところで交差していく書き方のうまさよ。
    主人公どうなっちゃうの〜不幸になっちゃうの〜とずっっとハラハラさせら...続きを読む
  • 代償
    残酷すぎる話で途中で読むのやめようとしたけど早く読んでしまおうの気持ちが勝った
    その残酷さが癖になってゆき、ページを捲る手が止まらなくなった
  • 不審者
    面白かった!最初は主人公の気持ちになり、突然やってきた義兄の優平が気味悪かったけど徐々に、あれ?この主人公被害妄想大きいしなんか変だなーと思ってたら驚きの結末に。
    さらに、最後の最後に明らかになる真実に納得。
  • 奔流の海
    めっちゃ良かった!途中、最近よく読んでる町田そのこに近いドラマを思い浮かべ、また違う伊岡瞬だなと思ったり、やはり精神的に辛い残酷さもあって伊岡瞬だなと思ったり、とても楽しめた。2人の主人公を交互に、時間軸をずらしつつも徐々に絡み合わせていく構成は、理解し易くとても上手い。真相に近付いていくスピード、...続きを読む
  • 赤い砂
    すごく引き込まれる作品。

    主人公が真面目すぎず人間らしい刑事であり、周囲の人物も“嫌な奴”が居ないので、ストレスなく読めた。

    ウィルスに関係する話であり、出版が2020年であったことから、コロナ禍に考えたのかと思ったら、あとがきで語られた執筆時期で驚いた。

    専門分野への知識が無くても非常に分か...続きを読む
  • 悪寒
     考えや行動が単純で、分かりやすく表に出す賢一、思慮深く色々なことを考えていたであろう倫子。
     賢一には、なんでもうちょい気づかないのさ!と、倫子にも、もう少し分かりやすくしてあげればよかったじゃないの!と、言いたい。

     途中での倫子の不倫疑惑や、それに関する話しは男性なら耐え難い。そんな中でも、...続きを読む