カニバリズム なぜ作品一覧

  • 大人も眠れないほど恐ろしい初版『グリム童話』 メルヘンの奥にある血と残虐、秘められた性愛の香り
    3.1
    ファンタジーの森の奥にある秘密の館。その扉を開ける鍵を、さあ、あなたに渡しましょう――。なぜ、初版『グリム童話』には、若い女性を裸にして、細切れにし、塩を振りかけて食べる……などという残酷な場面が入っているのか。それは「学者肌のグリム兄弟が、人間の本性を正直に表した原典に忠実であることを心がけたためだ」といわれている。強姦、殺人、カニバリズムという究極の残酷な行為が盛り込まれた話の中にも、「森には近づくな、男には気をつけろ、結婚に安易な夢は抱くな、弱い女は知恵で身を守れ」という教訓が随所に込められている奥深さ――。ここが、いつの時代にも私たちを惹きつけてやまない『グリム童話』の最大の魅力といっていいだろう。
  • それなりのジョーシキ
    3.0
    タクシーの中で運転手から聞き出した、驚くべき入れ墨の歴史、突然、自分に憑依した極悪非道な別人格「よしこ」、カニバリズム(人肉食)の話題で大いに盛り上がるバーベキュー・パーティ、などなど……。ふと気がつくと、なぜか世間のジョーシキからちょっぴりはみ出てしまうキリコさん。でも彼女の目を通すと日常がとびきり楽しく見えてくるから不思議。横でハラハラドキドキ胸を痛める秘書Pを尻目に、今日ものんびりマイペース! 人気漫画家が超シュールなイラストと共に綴る、キリコ流ハチャメチャ日常雑記。
  • 僕は美しいひとを食べた
    4.3
    人を喰うことは、常に神を喰うこと  私たちは神への深き愛ゆえに、神との融合を求めて聖餐を催し、その血肉に見立てたパンと葡萄酒を体内に取り込んで恍惚とする。だとすれば、兄弟たる人間へのフィリアゆえにその肉体を貪る行為も、貴き愛と呼べるだろう......  なぜ男は「美しいひと」を食べたのか。全篇にちりばめられた、古今東西の食人にまつわる膨大な逸話の引用から浮かび上がる、「真実の愛の行為」としての食人の姿とは。この、妖しい輝きを発する告白体の小説こそ、カニバリズム文学のイデアへの最接近を果たした奇書と呼んでも過言ではない。

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