ガブリエル・コレット作品一覧

  • シェリ
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    シェリとは《可愛いひと》の意味で、女性が愛人の男性を呼ぶのに用いられる。したがって『シェリ』は、男性が主人公と思われそうだが、むしろ女性のレアの方により多く比重がかかっている。まるで自分の子供のように愛していた若い男から、不意打ちをくって、これまで経験したことのないような恋の喜びをおぼえながら、あきらめざるをえないレアの哀切な心情……6年後に書かれた『シェリの最後』とともに、コレットの最高傑作といわれる。
  • シェリの最後
    3.0
    この作品では、男が中心として描かれている。レアの姿はもはや、舞台の奥の方に、おぼろに浮かんでいるにすぎない。しかし、シェリの夢の女性として、常に、またいたるところに存在しているのである。第一次世界大戦後の不安動揺の社会の中で、なんの実行力もないシェリは、ますます虚無的になって行く……当時の若い世代に絶大な人気を博した名作。
  • 動物の対話/平和
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    あらゆる動物、とくに猫を可愛がっていたコレットによる動物をテーマにした2編。「対話」の中では、猫のキキとブルドッグのトビーの会話によって、彼らの生活を極めて自然に語らせるとともに、人間を理解しようと専念している動物たちを生き生きと見せてくれる。「平和」では、お得意の犬、猫をはじめ、青大将、魚、梟、松露を探す牝豚、鮮やかな蝶、熊、小鳥、虎、ライオン、豹、土蜘蛛、リス、テン、兎、かわうそ、キジといった動物が登場し、女性特有の愛情でやわらかく包まれて提供される。

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