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小布施 まちづくりの奇跡
毎年一二〇万人の観光客が訪れる長野県小布施町。この小さなまちの何に、人々は惹きつけられるのか――。そのヒントは、「修景」というまちづくりの手法にあった。伝統的な町並みに固執しすぎない。とはいえ、まちの歴史をまったく無視した再開発でもない。いまあるもの、そこに暮らす人々の思いを大切にしながら、少しずつ景観を修復して、まちをつくってゆく。奇跡ともいわれる小布施流まちづくりを内側から描き出す。 -
建築のラグジュアリー
人びとに愛され、生き続ける建築とは 時間変化にさらされる「物質(モノ)」としての建築と、時間をこえて生き続ける「建てる技芸」としての建築。ふたつの視点から西洋建築の歴史をとらえなおし、スクラップ&ビルドありきの建築観を脱して真に豊かな建築文化のありかを示す。『時がつくる建築』のさらに先へ――。 【本書「はじめに」より】 本書『建築のラグジュアリー』の出発点にあたる体験を、はじめにお話ししたい。本書は、高級品について論じるわけではない。人びとが建築を、さらに建築以外のモノを、愛着を持って長く使い続けることの価値を「ラグジュアリー」と捉え、私たちの身のまわりの建築とラグジュアリーを再び繫ぎ直すことが、本書の目的である。 【主要目次】 はじめに 第一章 時間と建築 一 時間・物質・構築 二 建築の寿命と死 三 建築の技術と時間 第二章 建築の倫理性(モラリティ)と物質性(マテリアリティ) 一 近代建築史学の誕生 二 モダニズムの美学と倫理 三 表層の仕上げ 四 建築の物質性の可能性 第三章 近代建築のラグジュアリー論 一 ラグジュアリーから見た近代建築史 二 スラムの建築論:非ラグジュアリーの建築 三 労働者住宅の改良の試み 四 ラグジュアリーvs.モダニズム――反ラグジュアリーの建築 第四章 一九世紀インテリア論 一 ファブリックとインテリア 二 ヴィクトリア朝時代のインテリア 三 布地に対する熱狂:百貨店と建築空間 四 ロンドン万博とインテリア 第五章 ラグジュアリーの凋落とモダンデザインの興隆 一 ラグジュアリーの凋落 二 モダンデザインの興隆 三 フランスにおける装飾芸術(アール・デコラティフ)の問題 四 白ペンキとモダニズム 第六章 コンクリートの文化史 一 コンクリートとはなにか 二 歴史のなかのコンクリート的マテリアル 三 歴史のなかのコンクリート的構築術 四 現代社会とコンクリート 第七章 鉄の歴史と構築文化 一 鉄と建築の歴史 二 古代から中世へ 三 近代に向かう鉄と建築の構築文化 おわりに -
時がつくる建築
建物を創造的に再利用する、豊かな建築文化とは 建築の長い歴史からみれば、既存建築の再利用(リノべーション)はきわめて重要な建築的創造行為であった。西洋建築史にみられる数々の既存建物の再利用の事例や言説を読み解きながら、スクラップ&ビルドの新築主義から脱却し、より豊かな建築とのつきあいかたを示す。 ★各賞受賞 ●2017年サントリー学芸賞 (芸術・文学) 「近代に生まれた経済性優先の「再開発」と倫理性重視の「文化財保存」とは別に、過去を生かしつつ未来に歩みを進める「再利用」の思想と実践を取り入れることこそが、我々が生きる時代の核心に触れる行為であることを本書は教えてくれる。」(三浦篤氏[東京大学教授]による選評より) ●2018年日本建築学会賞 (論文) 「本書の示した新たな建築を捉える視点とそれによる新しい歴史観は、近年とりわけ重要となっている歴史的環境の保存再性の課題をめぐる議論を飛躍的に深化させることになるのは間違いない。」(選評より) ●2018年建築史学会賞 【主要目次】 はじめに 1章 建築時間論の試み 1 既存建物に対する三つの態度 2 点の建築史から線の建築史へ 3 時間と建築の理念 2章 再利用的建築観――社会変動と建築のサバイバル 1 古代末期の社会変動 2 スポリア 3 中世の成長時代 4 中世の縮小時代 5 近代的価値観のなかの再利用 6 フランス革命と吹き荒れる転用の嵐 3章 再開発的建築観――価値のヒエラルキーと建築の形式化 1 野蛮の誕生 2 再開発的建築観と再利用的建築実践 3 パリの市壁 4 意図的な形式主義 5 無意識の形式主義 6 サン=ピエトロ再開発計画 4章 文化財的建築観――文化財はなぜ時間を巻き戻したのか? 1 野蛮の復権 2 ヴィオレ=ル=デュクと「修復」のはじまり 3 修復から保存へ 4 20世紀の国際的な文化財的価値観の整備 5 日本の文化財と時間の巻き戻し 5章 20世紀の建築時間論 1 モダニズムからリノベーション時代へ 2 時間変化する建築の模索(1956年) 3 既存建物に対する態度(1964年) 4 歴史的建物の再利用という可能性(1978年) おわりに