安藤優一郎 - PHP新書作品一覧

  • 江戸の養生所
    4.0
    『養生訓』がベストセラーとなるなど、養生文化隆盛のなかで生まれた江戸の小石川養生所。テレビドラマや小説では、献身的に患者と向き合う医師の姿が描かれる。しかし、約百五十年にわたる活動記録を丹念にたどると、それとはほど遠い実態が浮かび上がる。投薬をしぶる医師たち。患者からあの手この手で金を巻き上げようとする看病人。所内で堂々と営まれる博打や高利貸し……。赤ひげ先生はどこにいたのか? 幕府を悩ませ続けた看護・介護問題の困難さは現代医学が抱える諸問題に通底する。気鋭の江戸都市史研究家が斬り込む、お江戸の病院事情。 [目次より]プロローグ――江戸の養生/第一章 大都会・江戸の医療事情/第二章 町奉行大岡忠相と小石川養生所/第三章 養生所の入所生活/第四章 寛政の医療改革――養生所と医学館・町会所/第五章 養生所の病巣――劣悪な療養環境/第六章 養生所改革の挫折/エピローグ――養生所の遺産
  • 娯楽都市・江戸の誘惑
    3.0
    芝居、相撲、寄席、見世物、花見、寺社の開帳、富突、大食い・大酒呑み大会――天下泰平の江戸の町では、毎日どこかでイベントが催されていた。浅草、吉原、両国、木挽町だけでなく、大江戸八百八町には刺激的な娯楽空間が満ち溢れていたのである。人々は寸暇を惜しんで遊びに出かけ、現代の宝くじにあたる富突の当せん番号発表会場にも足を運んでいた。こうして江戸っ子たちが遊びに費やした金が莫大な経済効果をもたらし、町を活性化させていたのである。本書は、江戸の経済を動かしたのは大商人ではなく、意外にも庶民であることを炙り出している。歓楽街で花開いた娯楽産業が、飲食業や出版業とのコラボレーションで、巨大ビジネスへと発展していくさまは、現代を彷彿とさせる。また江戸にはビジネスチャンスが山ほどころがっており、それを利用してのし上がっていく人物もいた。娯楽という切り口から知られざる江戸経済の実態に迫った新しい試みの書。

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