• おせん 和な女 (三) 【電子限定おまけ付き】
    ネタバレ 購入済み

    いや、その母親待てと言いたい

    おせんはシリーズ第一第ニとすべて読んでいてファンである。絵柄も作風も物語も、もちろん大好きである。作品の影響を受けて茅葺きの屋根の古民家巡りをしたほどだ。
    しかし今回のすい仙創立の話は思わず「いやいやいや待て待て待て」と言いたくなった。

    すももちゃんの母親は、自身の「日本一の小料理屋」の夢をなんと幼い娘に託しているのである。
    自分の夢を自分が叶えるのはもちろん構わない。しかしまさか、
    齢8〜10歳の子が言う「お店大好き!」
    →「じゃあ将来我が子にこの店を継がせよう、日本一の女将に育てよう」
    はあまりに無謀で、娘の将来を極端に狭めてはいないか。親の期待が大き過ぎはしないか。
    親の夢は親自身が叶えるべきで、子に強要するなと言いたい。
    漫画なのだから美談として読むのも良いのだが、これだけ現実と地続きでメッセージ性の強い作品だからこそ、母親のこの考えに強い反発を覚えてしまった。そして現実世界でこういう押し付けがましい親はけっこういるだろう、俗に言う毒親だ。
    すももちゃん自身がこの夢を大事にしているから今はまだいいのだ。しかし優秀な頭脳を持っているのだし、将来もし他の選択が生まれたらどうなるのだろう。この母が存命ならば「あんたのためにこの店を育て上げたのに!恩知らず!跡継ぎを産め!」だとか言い出しそうである。

    ちなみに第ニ巻では、存続が絶望だった家業を義理の息子が受け継ぐという話もある。
    こちらは一向に構わない。
    ある程度人生経験を積んだ大の大人が、苦しいも辛いもひっくるめて継ぐことを決心したのだから。
    しかしなんと言ってもすももちゃんはまだ小学生である。将来の職業や、あの土地建物を相続するという重大な決断を迫るにはまだ早すぎる。

    とはいえこの話の全貌はまだ見えていない。
    今後どのような展開を迎えていくのか非常に楽しみであり、続刊が出たらすぐ読みたいと思う。

    0
    2024年03月01日