あらすじ
終活なんて一切しない。それより今を楽しまなきゃ。
78歳の忍ハナは、60代まではまったく身の回りをかまわなかった。だがある日、実年齢より上に見られて目が覚める。「人は中身よりまず外見を磨かねば」と。仲のいい夫と経営してきた酒屋は息子夫婦に譲っているが、問題は息子の嫁である。自分に手をかけず、貧乏くさくて人前に出せたものではない。それだけが不満の幸せな老後だ。ところが夫が倒れたことから、思いがけない裏を知ることになる――。
「定年」小説『終わった人』に続いて30万部超の大ベストセラーとなった人生100年時代の痛快「終活」小説!
<読者からの声>
2年前に手術を受け、以後は家の中での生活です。何事にも意欲が失せ『すぐ死ぬんだから』状態でしたが、この本に出会って100歳までの人生を考えています。(70代・男性)
『終わった人』も面白かったですが、こちらも一気に読んでしまいました。毒舌が心地よかったです。(50代・女性)
1ページ目から痛快で息も継げませんでした。(70代・女性)
もうすぐ定年ですが、新しい人生への希望と勇気をいただきました。(60代・男性)
つい最近80代になりもう物欲はなしにしようと思っていましたが、本書でますます元気になり明日もショッピングに行こうと考えています。(80代・女性)
ものの見方に光がさしたように感じます。くすんでいる私のはげみになりました。(50代・女性)
重ねた歳は戻せない。でも見た目は変えられる。今日から自分磨きをしよう。(60代・女性)
こんなに楽しい本は久し振りです。(70代・女性)
身につまされるが文句なく面白い!(70代・男性)
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
主人公の78歳忍ハナさんが何と言っても魅力的に描かれていますね。
実年齢より若く見えることを常に意識している所は見習いたいくらい。ホントおしゃれな御婦人なんです。だけど心の中ではまぁ毒を吐く。
誰から見ても仲良し夫婦の忍岩造とハナ。突然岩造が亡くなり遺言状を残していた事から40年も家族に秘密にしていたもう一つの家庭があった事が発覚。
嘘でしょ〜。そんな長い事よくぞ隠し通せたと思います。岩造が亡くなり、もう生きているのも辛くなっていたハナが、妾とその息子の存在を知り一発かましてやりたい!と元気を取り戻したのは良かった。
岩造の唯一の趣味だった折り紙で追悼折り紙展を開催しようとしていたのに全て水攻めにして捨てた潔さ。そして死後離婚を考えるまで立ち直ったのはあっぱれとしか言えません。
妾とその息子が意外にも悪い人ではなかった所がハナを最後は菩薩にしてくれて良かったです。
Posted by ブクログ
どうせこの親父の善行が後から顕らかになって、家族みんなで泣くんだろうな…という期待をしっかりと裏切る面白い作品でした。
随分前に朝日ジャーナルだったかポストだったか現代だったかで内館さんのエッセイを楽しみにしていた時期があって、そういえば大相撲の関係の記事だったかななどと考えながらの読書でした。その頃もずいぶんと男前な内容でしたがこの作品もさもありなん。このくらいの気持ちを持って老いを迎えないと面白くないななどと感じました。
Posted by ブクログ
夫が急死して妾と隠し子の存在が分かり、掛け軸が遺言に出てきたところでこの話知ってると思ったら…何年か前にNHKのドラマで見たことを思い出した。ハナさんは三田佳子で。他のキャストもネットで見て納得。小説が先だったのかドラマの書き下ろしだったのかは分からないけど殆ど小説内容をドラマ化されていたと思う。ハナさんの心の中は小説を読んだ方がよく分かり、笑える。年代的には自分より先のハナさんだけれど『品格のある衰退』のことを考えるきっかけになった。
Posted by ブクログ
そこそこ、それなりに仲良し夫婦の日々のお話なのかと読んでいましたが、ん?んん??と展開があり、なかなか楽しく読ませてもらえました。
私自身、もう人生の半分にさしかかっており、悩み多き日々を過ごしてますが、読後、私は元気をもらえました!
あと、普通に家族仲が良く、支えあえる環境に羨ましさも感じました。
追記
現実に、父親の隠し子騒動があり、この本を思い出しました。(母は既に他界しています)
隠し子に罪はない、それは分かっているけれど、母の気持ちを思うと、我が家の過去の日々を思うと到底許される気にはならない。
いろんな立場の気持ちに共感できました、ほんとにこんなふうに思うんですね、リアルでした…
Posted by ブクログ
菩薩になるまでが怖かったけど、岩蔵のカミさんは岩蔵より懐がデカかったってことですか。
岩蔵のことを、なんて優しい旦那様なの〜って思ってたのに。
わたしなら立ち直れないわ。酷すぎる‥。そりゃあ、憎まれ口も叩かせてよ。
愛人は盗人のくくりなんだ。
旦那をわたしの所有物と思ってないと思いたいけど、一途なわたしとしたならば、もっそ傷つく。
死後離婚、うん、何もかも捨ててやる。
また愛人が社会的地位もある、お金もある、イケメンの子供もいる、そして美人ってとこが、腹が立つやら、何やら。
この人とわたし?え?
みたいな気持ちになる。性格もそう悪くない、健気なまでの日陰ぶり。
それでも、捨てられなかったわたし、何?
岩蔵、ほんと死んでくれてて良かったです。
78歳でこのようなこと味わうとは。
もう角打ちで息子宅、盛り上げましょ。
会いに行きたいわ〜。元気貰えそう。