【感想・ネタバレ】読書は格闘技のレビュー

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Posted by ブクログ

まず最新刊へコピペ)
【before】この本を読む前の私は、これらのことを知りませんでした。
【気づき】この本を読んで、これらについて気づきを得ました。
【TODO】今後、これらを実行していこうと思います。

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2024年05月13日

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ネタバレ

2019年に逝去された瀧本氏の読書論。
そのエッセンスを一言で述べるならば、「批判的に、そして、背景を理解して読書せよ」ということでしょうか。

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批判的にという観点では、テーマがあるとして、一つの見方を提示する書籍のほかに、正反対の意見・相反する意見の書籍も読んでみることを勧めています。そしてそれらについてあら捜しというか、論理のほつれ等に留意しながら読むように仰っています。

一例としましては、『読書とは他人に考えてもらうことだ』と主張するショーペンハウエルの「読書について」、バーサス、『能動的に読み、著者と対峙して、それまでの自分のものの見方と比較することで、考え方を進化させろ』と説く本書「読書は格闘技」。

まあ後者に軍配が上がってしまうのはやや手前味噌的な展開ですが、反対意見に耳を傾けることが苦手な私としては耳が痛い話でした。読書というのは単独作業で自己完結的ですので、このような反論読書ができればより幅広いものの見方ができるよなあと感じました。

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背景を理解して、という点については、換言すれば、本の成立背景や歴史的背景までをも読み込んで読書せよ、ということと理解しました。

この点ではマキャベリの君主論の例が取り上げられています。曰く当作品は「マキャベリによる再就活エントリーシート」とのこと。クーデターにあい、上司に逃げられ、冤罪で収監され、晩年も失意のうちに亡くなったマキャベリ。そのような境遇の彼が再就職を狙い、過去の経験からルサンチマンと性悪論に依拠して「君主論」を書いたとするのならば、力強い独裁的君主の待望という極論として以上に「君主論」もよく理解できるだろう、というのです。

こういう話を聞くと、今更ながらに世界史の勉強は非常に大事だなあと感じてしまいます。定期的に歴史に目を通しておかないとこのような話題にリアクションが取れませんね。

もちろんそんな歴史の勉強なぞ気軽にできるものでもありませんが、それでも一冊の読書にとどまらず、ググって歴史背景確認する等の検証を行うなどすれば、より深い理解と読書体験が得られるのだろうと思いました。

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このような調子で、瀧本氏の視点で古典から児童作品までをも深読み・深堀りしつつ紹介し、読書指南を行う作品でした。

テーマを改めて列記すると、読書、人心掌握、組織について、グローバリゼーション、時間管理、どこに住むか、才能、マーケティング、未来、正義、教養、国語教育、児童文学が語られます。テーマに沿って対照的な2作品を瀧本視点で読み込み、加えて参考文献がさらに各章6冊挙げられます。

読書好きの人はこの本を読んだら「私も本を読みたい」となること請け合いです。ただ、ここまで批判的な読書ができるようになるまでには相当な訓練・時間・読書量が必要かと思います。要は相当真剣に取り組まないとたどり着けない境地にも見えます。

それでもなお、やはり本書は読書のすばらしさを伝える良書だと思います。最近読書してないなあ、何か本が読みたいなあ、という方は是非読んでみてほしいと思います。新たな読書の地平が開けるのではないでしょうか。

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2023年02月04日

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ショウペンハウエルの『読書について』と主張は似ているのだろうかと思いながら読んで、ある意味では重なっていて、異なる点を上げれば「考えながらたくさん読め。そしてさらに考えろ」ということだろうか。
本を読んで考えるのは難しい。読書したらその内容を頭の中にインストールしてしまうからだ。その時点で、「その内容は妥当か?」と批判的に立ち返るには独力では難しい。本について語り合う誰かが必要とされる所以だろう。
しかし瀧本氏は良き方法を提示してくれる。それは、対立している主張内容の本をそれぞれ読む、という方法である。当り前に聞こえるが、中々実行しようと思わない方法だけに、そうだよなぁ、としみじみ感じる。
これはリテラシーに繋がる意識にも思われる。鵜呑みにしない、批判的に見るというのはただ単に読んだり見たりしているだけでは身につかない。リテラシーの意識は、リテラシーを引き出す方法からもたらされるのではないだろうか。

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2021年11月03日

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同じテーマで悩む人でも、どんな本が刺さるのか、複数の視点で面白い。

文章を一読しただけで、瀧本さんのアタマの良さがすぐに滲み出てくる様も、不思議。

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2021年10月09日

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ネタバレ

書店でちらちら目にしてはいたものの、長らく手を出せていなかった瀧本さんの本をここに来て読みました。
対立するようなテーマを扱う2冊以上の本を自分の頭の中で比較することで、自分ならではの視点を発見する…というのが、この本で語られている、本をただ読んだだけで終わらせない手法の1つなのだと思います。具体的な対立するテーマと参考になる本、著者自身の発見も分かりやすくまとまっていて、すごく読みやすいです。
もっと本が読みたくなる本だと思います。

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2021年09月27日

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読書とは単に知識を仕入れることだけではなく、自分なりに解釈して常に批判的な視点を持ち続けること。瀧本さんはそのような読書との向き合い方を「読書は格闘技」と表現した。

読書への姿勢とは別に驚いた点が2点。一つに瀧本さんの読書量が半端ない。学者としての側面もあるから当然と言えば当然なのかもしれないが、学術書だけでなく、小説、ビジネス書などいろんなカテゴリをカバーしている。

もう一つは、読書のアウトプット。1冊の本から得られるものを無駄なく吸収して自分のものにしている。だからこそ的確な批判的思考ができるんだろう。

quote:
必ずしも読書で得た経験が明日からすぐに役立つ必要はないとも私は考えている。といのも、読書が「世界という書物を直接読破」する旅で、最も役立つ瞬間というのは、何らか課題にぶつかったときに、「そういえば、大分昔に読んだ本にこんなことが書いてあったな」という、偶然に、一見無関係なことが頭の中で繋がったときだったりするからだ。

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2021年05月22日

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瀧本哲史さんの読書論。内容を読みながら、フランシス・ベーコンの影響を垣間見ることができる。コンセプトの抽出に才能がある。見習うべきは、概念の抽出の思考。

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2023年11月19日

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著者の本解説が面白い。なかなか難しくわからない部分も多々あったが、わかる部分その著者の言い回しが面白くその本を読みたくなった。そんな解説ができるのは、読書を単なる受動的に読むのではなく、反証して、自分の考えを作っていく知的プロセスを常に行っているからだと思う。

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2023年02月01日

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とても分かりやすく、面白い1冊でした。「疑いの目」でもう一度読んでみたいです。気になる本が増えます。

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2022年12月09日

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インプットだけで終わらせず、アウトプットすることが大切とよく聞くが、具体的な方法が分からず、読書法について書かれた本を探している中で出会った一冊。いきなり骨太な本を選んでしまったと読み始めてすぐに気づいた。

多読により自分で考える力を失っていくとするショウペンハウエルの読書批判に対し、読書を格闘技とすることで自分の考えを作る知的プロセスにしようという。

格闘技というスタイルをより分かりやすくするためか、各トピックに対し2冊の本を取り上げ、対比させる。結論が一緒でもアプローチが異なる本だったり、想定読者層が異なる本だったり、対戦カードもさまざま。ジャンルや年代も広がりがあって、薄い本ではあるものの、著者の読書量を十分窺い知ることができる。

自分の読書がどれほど受動的なものであったか気付かされた。内容が時代遅れだと切り捨てるのではなく、どこが古く、どこが新しいかを考えるための素材として格闘すべきという態度には、骨までしゃぶり尽くす勢いで読書していただろうかと反省。

そもそも目的を持った読書をしてきていなかったので、まずは筆者のようにその本を読んで何を明らかにしたいかを事前に意識することから始め、自分の考えを深めていきたい。

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2022年02月07日

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ネタバレ

「書いてあることを鵜呑みにするのではなく、本当か?と疑いながら読んだほうがいい」と、今から25年くらい前に職場の後輩に言われましたが、「読書は格闘技」ということは、つまりそういうことです。

私は著者と対話するように読むので、格闘はしないかな。
「へえ~、そうなんだ」「マジで?」「それはちょっと違うんじゃ?」

そしてこの作品は著者と読者の闘いだけではなく、同テーマで視点の異なる作品を闘わせます。
例えばRound 8のテーマ『未来』。
フランシス・ベーコンの『ニュー・アトランティス』とジョージ・オーウェルの『一九八四年』
ユートピア小説とディストピア小説。
これらの作品に影響されて新たな作品が生まれることもある。

対戦する2冊以外にもテーマに沿った本が紹介されていて、読みたい本が増える一方。
しかし、待て。
私にそれらの本を読む力があるのか?
体力があるのか?

だって『韓非子』とか『君主論』とか、すごく気になるじゃない?
でも、読める気しないのよ…。
しかしいつかはリングに登りたいと思うちょります。

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2022年01月13日

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書いてあることを鵜呑みにせず、自分で咀嚼して、時には反論もしながら(=格闘)読書すべし!という本。

書籍紹介もあり気になる本が幾つか見つかった。

個人的には11章山月記の感想が強く印象に残っている。

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2022年12月03日

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ネタバレ

著者は、「書籍を読むとは、単に受動的に読むのではなく、著者の語っていることに対して、疑い、反証するなかで、自分の考えを作っていくという知的プロセスだ」と捉えて、読書を格闘技だという。
そして、読書を通じて増えた知識が何かの判断の役に立ち、行動を変えることに繋がったときに最も読書の価値が生じると言い、ビジネス書などに限らず、児童文学や漫画も紹介されている。

その中の未読の本、内容を覚えていない本など、また読みたい本のリストが増えた。。

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2021年10月24日

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ネタバレ

読書は格闘技(瀧本哲史)

・書籍を読むとは受動的ではなく、著書の語っていることに(本当にそうなのか」と問う必要がある
・ショウペンハウエル:読書は、他人に物を教えてもらうことである。次第に自分で物を考える力を失っていく

■人生の中で、どんなときにも役に立つ最強の武器
・他者を味方につける方法

「人を動かす」
・驚きの少ない普遍性と、事例のわかりにくさこそ魅力
・事例は現代的ではないので、読者が自分の文脈に置き換えて、抽象化してから理解しようとするため理解が深まる。
・科学的な実証性には欠けている

「行動経済学」
・仮報性:良いことをされたら返したくなる
・コミットメントと一貫性:自分が決めたことはその後変えようとしない
・社会的証明:他人が正しいと覆っていることは正しいと考える。
・行為:好きなものについては承諾しやすくなる
・権威:権威あるものには服従したくなる
・稀少性:量が少ないものには勝ちがあると思う

「影響力の武器」
・著者の真の意図は、人間の持っている判断上のバイアスを利用せよ。
・バイアスに気づいて、正しい判断をしてほしい
・説得する方法を学ぶと同時に、説得されない方法を学ぶ事が最大の目的


「君主論」
・天国に行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知すること
・そのためには地獄を書かれた本を用
・成功には偶然の要素もあるが、失敗は再現性がある。

「フラット化する社会」
・インターネットを通して世界中の市場が繋がり、同じ土俵で競争するようになると、
社会の運営の仕方・個人の生き方を見直す必要がある
・自分のアイディアを刺激するためのきっかけ。

「文明の衝突」
・現代世界を⑧つの文明に分類
「中華/ヒンデュー/イスラム/日本/ロシア/西欧/ラテンアメリカ/アフリカ」

■強みよりも環境が重要
・強みとは市場との競合の関係で決まるもので、自分の中だけでは決まらない。

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2021年07月22日

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