【感想・ネタバレ】彼岸花が咲く島のレビュー

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ネタバレ

なんとも不思議な世界観。
あらすじでまとめてしまえば多分すごく短いお話なんだけど、真相を知ったらいろいろ考えさせられる。

でも、島はこのままのほうがいいんじゃないかな…と思ってしまった。

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2023年04月18日

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ネタバレ

⚫︎受け取ったメッセージ
価値観を見直すことの難しさと勇気

⚫︎あらすじ(本概要より転載)
【第165回芥川賞受賞作】
その島では〈ニホン語〉と〈女語〉が話されていた
記憶を失くした少女が流れ着いたのは、ノロが統治し、男女が違う言葉を学ぶ島だった――。不思議な世界、読む愉楽に満ちた中編小説。


(以下ネタバレ)
島に流れ着いたウミ。ニライカナイからもたらされる物資によって島の人間は生きている。ウミはノロになることを条件に島に残ることを許され、女言葉を覚えることとなった。ウミがノロの試験に合格したとき、初めて歴史は明かされた。ノロ以外、島の歴史を知ることはできない。
日本という国が昔あった。疫病が流行り、結果男たちは殺戮を繰り返した。逃れた人々は島に辿り着き、島の元々の人々を皆殺し。また口減しのため仲間も殺した。男たちは、自分らの愚かしさに気づき、歴史は女に手渡された。
女は戦をやめ、風習を変えた。元々島にあった文化も取り入れた。外交もはじめた。彼岸花の麻痺させる要素をつかって、薬として、麻薬として…
ウミは日本から追い出されたのだった。男たちに。

実はオオノロも日本から来た過去を持っていた。ウミと同じ立場である。オオノロは今でも迷っている。なにが正しいのかはわからないと言った。

以上のような歴史を知ったノロになったウミとヨナは、男である、しかしとても島のことを愛している仲間であるタツに、それでも全てを話すことを恐れた。タツは裏切られたと思った。が、手の甲に刺青を彫るというノロになる儀式後にタツに全て話した。


⚫︎感想
芥川賞の中で、とても読みやすく、分かりやすかったので止まることなく読める作品。ウミが、島の言葉が少しずつわかってくるのも臨場感があって感情移入しやすい。
正しいか、正しくないか。だれにもわからないことを決断していくリーダーの務め。

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2023年11月06日

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ネタバレ

面白かった…!面白かったですし、なにが?と聞かれたら分からないのですが、なんかこう…独特の世界観に飲まれて気がついたら終わってました。
寝る前のお話を探していて、彼岸花が好きなので選んだのですが思った以上に良かったです。

ちょっとだけ浮世離れした雰囲気でお話が進みますが、ちょこちょこと現実に戻るような単語も。その塩梅が好きです。

でも聴くには少し難しくて本で読みたいなって思ったので、近いうちに再読します。

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2023年02月19日

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ネタバレ

架空の島(与那国をイメージしているらしい)に流れ着いた宇実は記憶喪失で自分がどこから来たのか覚えていない。助けてくれたヨナの家で暮らすようになる。
その島では女が主権を握っている。ノロという権力を持ち尊敬される役職に就くことは女の特権だ。ノロにならなければ島の歴史も学べず女語を話してもいけない。
められた掟に男である拓慈は反発している。
ノロとなったら掟を変えればいいと言っていたヨナと宇実は、歴史を知り真実を伝えるかどうか苦悩する。
大ノロが亡くなり新しい日々が始まる。同時にヨナと宇実も新しい島を作っていくことに希望を感じている。約束通り拓慈に歴史を教えようとしている。
何か起きた時はその時に考えよう、楽観的に思える思考を持つことで島に明るい兆しが見える。
幼い2人が抗えない運命の中で奮闘し成長を遂げていく、心温まる一冊。

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2022年08月22日

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ネタバレ

コロナ媧、アジア情勢、性差などの風刺が込められたファンタジーなのかな、と浅く理解した。その後の拓慈の存在が危ういので、歴史を知った拓慈が狂って暴れてバッドエンド、まで想像した。

あとジェンダーの観念が異なる世界観での宇美と游娜の、親愛の延長のような百合描写がちょっとえっちで良かった。

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2022年08月17日

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ネタバレ

Audibleで聴いた。

芥川賞受賞作。芥川賞は純文学のイメージだけど、エンタメっぽいお話だと思った。
設定は面白かったけど、島の描写が細かくてそのあたりは少し飽きた。
島の歴史と大ノロの過去が明かされるところは、やっと謎が解けた感があって面白かった。
最後、ヨナ達がタツ(男の子)にも島の歴史を教えてあげて規則を変えようとするところが良かった。

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2024年02月04日

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ネタバレ

南西諸島のひとつを思わせる架空の島で繰り広げられる少女たちの成長譚。

こんなふうに「日本語」が外の世界に向かって開かれていくところに大きな可能性を感じた。

そう言われてみると、彼岸花ってけっこう毒々しい…。

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2023年10月19日

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女性中心になった理由については概ね予想はできていたものの、
”女語”という、女性にしか語り継がれない言語・歴史、というのは面白かった。

禁を犯して、他の女性より上手に女語を操れても、
男性だから、という理由で主要な職に就けず、また歴史も教えてもらえない、
というのは、同じ言葉を話していても結局は性別で差別されるのか、と思いもしたけど、別で言語が個人のアイデンティティに結びついているのかな、とも感じた。

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2022年11月07日

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前半は、島に流れ着いた少女と島に住んでいる少女・少年の三人の交流を中心に、島の風習や島の一員になっていく少女の成長が描かれており、爽やかな青春小説のようです。似ているけど異なる言語で会話する三人の会話が楽しいです。

後半は、島を守る存在であるノロに二人の少女がなり、島の歴史を知ります。その真相は結構な衝撃でした。

理想郷のような島の暮らしを想像すると、
人々が迷いなく心穏やかに生きるために
宗教や儀式がいかに重要かがわかります。
少しだけ、映画ミッドサマーを思い出してしまったのは私だけでしょうか。

まだまだ問題がたくさんありそうなのに
ページはどんどんなくなっていき、
どう終着するのか気になりながら読み進めました。
物語のはじまりのような清々しい結末でした。
だれよりも島を純粋に愛している少女が、
三年後の未来を見通す姿は眩く美しく思えました。

余談ですが、本書は癌を患っていた父が一緒に行った書店で買った本でした。面白かったよ、読んでみな、と薦めてくれたのですが、私がなかなか読み始めない間に父は亡くなってしまいました。
感想を伝え合うことができないのが、悔やまれます。父がこの本を読んでどのように感じたのか、聞いてみたかったです。

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2022年11月05日

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