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なんとも不思議な世界観。
あらすじでまとめてしまえば多分すごく短いお話なんだけど、真相を知ったらいろいろ考えさせられる。
でも、島はこのままのほうがいいんじゃないかな…と思ってしまった。
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クライマックスめがけての盛り上がり方がすっごい良い!
美しい文章とこの作品の中にしかない言語、そこに至るまでの人間たちの生き方、どのように動いてきたか。
深いテーマ性が感じられて、フィクション作品としてももちろんだし、人を学ぶ上で非常に有用な、勉強になる作品。
こういう作品ひとつ書き上げるパワーがすごい。
可憐な登場人物たちの瑞々しい躍動、頭に情景を思い浮かべながら読み進められます。
まさに小説を読んでる!って感じ!
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こういう小説にずっと出逢いたかった。
島の歴史を知った時のし掛かってくるのは責任だが、大事なのは歴史を知ったうえで今を生きる私達は何を選択するのかということだ。
これは本の中から飛び出して読者の私達にも問いかけてくる。
游娜と宇実と拓慈の3人がどんな未来を歩むのだろう?と思いながら読んでいたので、ラストシーンがとにかく眩しくて涙ぐんだ。
たらればを考える前に今どうするか考えよう。
これは私に必要な物語だった。
とてもとても良かった。
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近未来? 遠未来? の南のほうの島を舞台にしたおはなし。けっこうこういうSF的な世界は苦手なはずなんだけど、このおはなしは読めた。しかもほんわかとした読み心地のいいおはなしだった。
游娜と宇実という少女たちの友情、それにからむ拓慈という少年のやり取りがほほえましい。男と女なんだけど、いわゆる思春期的などろっとした性別を感じさせないつき合いの様子がいいと思う。
描かれている島の様子もよかった。実権は大ノロを頂いた「ノロ」と呼ばれる女たちが担っていること。島で生まれた子どもは島の子どもで血のつながりのない大人のもとで育つことなど。そしてその背景には、マニッシュな男たちが実験を握る世界への非難が描かれている。
読みながら、男、男といっしょくたにする現代日本社会にもある風潮って、それはそれでひどいもんだよね、と思っていたんだけど、最後に、女しかなれないノロになりたがっていたり島の歴史を知りたがっているけれど、男であるだけで島のしきたりでは知ることができない拓慈に対し、ノロになった游娜と宇実が歴史を教えてあげよう、男もノロになれるようにしよう、そして何か事が起こったらそれはそのとき考えようというところに至るのもいいなと思った。現実を舞台にした小説であれば、あますぎる最後かもしれないけど、架空感いっぱいのこういうおはなしではありだと思うし、そこに希望やすてきな未来らしきものが宿る。
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沖縄か?台湾あたりか?
美しい島、優しい世界、不思議な風習。
最初は主人公と同じく言葉も習わしもサッパリだけどだんだん惹き込まれていくのが心地良い。
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最近離島に興味があって、与那国島の人減らしの歴史に衝撃を受けたところだったので、この物語もリアリティを感じながら読んだ。
自分は男だけど、地球上どこでも戦争や暴力を行ってきたのは圧倒的に男だから、この世から全ての男が居なくなれば平和になるのになとずっと思って来たので、この小説のテーマにかなり共感したし他の作品も読んでみたくなった。
タツに島の歴史を教えるに至る描写がもう少し欲しかった。
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芥川賞受賞からずっと気になっていた作品。
なかなか機会がなくやっと読みました。
独特の言語での会話になかなか馴染めず
最初は苦労(笑)しながらも、
最終的には作中の雰囲気に入り込んでいる自分に驚きました。
評価は☆3.5の4になります。
4にするにはメッセージが弱く
3にするのは美しい世界観がもったいない
といったところです。
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彼岸花の咲く島に流れ着いた少女は
島の少女とその親に助けられ
島の祭事を司る大ノロに島で生活する
赦しをもらって
島でノロとなる
そして大ノロも彼女と同じように
他の島から流れ着いた少女だったことを
伝えられる
不思議な感覚の作品
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⚫︎受け取ったメッセージ
価値観を見直すことの難しさと勇気
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
【第165回芥川賞受賞作】
その島では〈ニホン語〉と〈女語〉が話されていた
記憶を失くした少女が流れ着いたのは、ノロが統治し、男女が違う言葉を学ぶ島だった――。不思議な世界、読む愉楽に満ちた中編小説。
(以下ネタバレ)
島に流れ着いたウミ。ニライカナイからもたらされる物資によって島の人間は生きている。ウミはノロになることを条件に島に残ることを許され、女言葉を覚えることとなった。ウミがノロの試験に合格したとき、初めて歴史は明かされた。ノロ以外、島の歴史を知ることはできない。
日本という国が昔あった。疫病が流行り、結果男たちは殺戮を繰り返した。逃れた人々は島に辿り着き、島の元々の人々を皆殺し。また口減しのため仲間も殺した。男たちは、自分らの愚かしさに気づき、歴史は女に手渡された。
女は戦をやめ、風習を変えた。元々島にあった文化も取り入れた。外交もはじめた。彼岸花の麻痺させる要素をつかって、薬として、麻薬として…
ウミは日本から追い出されたのだった。男たちに。
実はオオノロも日本から来た過去を持っていた。ウミと同じ立場である。オオノロは今でも迷っている。なにが正しいのかはわからないと言った。
以上のような歴史を知ったノロになったウミとヨナは、男である、しかしとても島のことを愛している仲間であるタツに、それでも全てを話すことを恐れた。タツは裏切られたと思った。が、手の甲に刺青を彫るというノロになる儀式後にタツに全て話した。
⚫︎感想
芥川賞の中で、とても読みやすく、分かりやすかったので止まることなく読める作品。ウミが、島の言葉が少しずつわかってくるのも臨場感があって感情移入しやすい。
正しいか、正しくないか。だれにもわからないことを決断していくリーダーの務め。
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沖縄文化に関する本だと思って読み始めたが、台湾文化や中国文化に通じる部分が多くあった。
自分が生きている次元とは全く違う世界に行ける本。
登場人物の色がはっきりしてて話が面白いし、自分とは異なる生活スタイルにワクワクした。
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面白かった…!面白かったですし、なにが?と聞かれたら分からないのですが、なんかこう…独特の世界観に飲まれて気がついたら終わってました。
寝る前のお話を探していて、彼岸花が好きなので選んだのですが思った以上に良かったです。
ちょっとだけ浮世離れした雰囲気でお話が進みますが、ちょこちょこと現実に戻るような単語も。その塩梅が好きです。
でも聴くには少し難しくて本で読みたいなって思ったので、近いうちに再読します。
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異文化を受け入れ共生して行くこと、歴史と伝統を守ることと新しい時代に対応していくこと。正解はないけど(相対的なものだよね)それを考えさせる物語になっているんじゃないかな。
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第165回芥川賞受賞作。
いろいろ状況を想像しながら、ひのもとことは、ニホン語、女語を楽しみながら、読み方を何度も前のページに戻り確認しながら、読み進めた。
印象に残る作品だった。
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ストーリー自体は非常に面白かったが、呼んでいる途中でもしかしてフェミニズム小説ではないのか...??の感じる程に思想が強い部分があった。調べたら案の定フェミニズム作家であったので、評価は分かれると思う。
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架空の島(与那国をイメージしているらしい)に流れ着いた宇実は記憶喪失で自分がどこから来たのか覚えていない。助けてくれたヨナの家で暮らすようになる。
その島では女が主権を握っている。ノロという権力を持ち尊敬される役職に就くことは女の特権だ。ノロにならなければ島の歴史も学べず女語を話してもいけない。
決められた掟に男である拓慈は反発している。
ノロとなったら掟を変えればいいと言っていたヨナと宇実は、歴史を知り真実を伝えるかどうか苦悩する。
大ノロが亡くなり新しい日々が始まる。同時にヨナと宇実も新しい島を作っていくことに希望を感じている。約束通り拓慈に歴史を教えようとしている。
何か起きた時はその時に考えよう、楽観的に思える思考を持つことで島に明るい兆しが見える。
幼い2人が抗えない運命の中で奮闘し成長を遂げていく、心温まる一冊。
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コロナ媧、アジア情勢、性差などの風刺が込められたファンタジーなのかな、と浅く理解した。その後の拓慈の存在が危ういので、歴史を知った拓慈が狂って暴れてバッドエンド、まで想像した。
あとジェンダーの観念が異なる世界観での宇美と游娜の、親愛の延長のような百合描写がちょっとえっちで良かった。
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第165回芥川賞受賞作。
著者の李琴美さんは台湾出身の方。
日本への眼差しが、決して敵対的ではない突き放し方、というか、ちょうどよい客観性がある。
この小説の舞台は沖縄を彷彿させる架空の島。島外から流れ着いた少女・宇美と島で育った少女游娜が、島のまつりごとを司る〈ノロ〉へと成長していく物語。
ノロに男性はなれない。つまり男は島のまつりごとに参加できない、歴史も知ることができない。
小説の終盤でその理由が明らかになるが、納得。
やっぱり、政治は女性にお願いした方がいいのだ。
人によっては少し読みづらい部分があるかもしれないけど、日本語のおもしろさに気づかせてくれる小説です。
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Audibleで聴いた。
芥川賞受賞作。芥川賞は純文学のイメージだけど、エンタメっぽいお話だと思った。
設定は面白かったけど、島の描写が細かくてそのあたりは少し飽きた。
島の歴史と大ノロの過去が明かされるところは、やっと謎が解けた感があって面白かった。
最後、ヨナ達がタツ(男の子)にも島の歴史を教えてあげて規則を変えようとするところが良かった。
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物語独特の言葉が使われていて、読み進めにくかった感は否めない。
境界論的な見方をすると異世界ものとも取れる物語だと感じた。
タイトルにもある「彼岸花」。島では重要な経済的に資源。ただ、国の歴史を知る「ノロ」のみ彼岸花の本当に使い道を知っている。自国の幸せのために他国を陥れる。そんな読み取り方もできる。
ジェンダー論的な読み方もでき、いろいろな角度から議論を可能にする作品だと感じた。
最後、歴史的背景から女性中心の政治体制をとっていた島のルールを若い世代の「ノロ」が「男性」である友人に歴史を語ったあと、どうなったか。という視点が気になった。著者の考え方が気になり、そこが述べられていなかったのが残念。
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南西諸島のひとつを思わせる架空の島で繰り広げられる少女たちの成長譚。
こんなふうに「日本語」が外の世界に向かって開かれていくところに大きな可能性を感じた。
そう言われてみると、彼岸花ってけっこう毒々しい…。
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うーん…
私には合わないかな?
読んでたら、そのうち面白くなるかな?と思ってたけど期待外れ
飛び飛びで読んでしまった
一体、何を伝えいのか?何の話なのか?よく分からないまま終わってしまった
日本のようで日本でない話
にほん語と女語を話す国…
よく分からなかった…
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南の島に流れ着いたウミは記憶喪失だった。島のユナに助けられ、日本語と英語と中国語が混じる独自の文化の中で生活を始める。島の長老であるノロは女性しかなることができない。島の外での闘いの歴史から島では女がノロになることになった。よく考えてみればその方が正しいかもしれない。今もくだらない領土争いで亡くなっている人がいる。人はなぜ過ちを繰り返すのか?
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通読するのに長い中断を挟んで,ずいぶんと時間がかかった。
言語,民族,ジェンダー,セックス,歴史みたいなテーマを鏤めて,まとめてしまうとアイデンティティーについての成長物語だろうか。
日本語ノンネイティブによる芥川賞受賞作として手に取ったが,それを意識しすぎた故か,読みにくさが先だって,時間がかかった。その体験は,著者が日本語を習得する過程と重なっていると思われ,日本語ネイティブに自身の学習過程を追体験させることを意図しているのだとすれば,成功していると思う。
ストーリーテリングではなく,舞台設定で成立する小説だという気がする。
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女性中心になった理由については概ね予想はできていたものの、
”女語”という、女性にしか語り継がれない言語・歴史、というのは面白かった。
禁を犯して、他の女性より上手に女語を操れても、
男性だから、という理由で主要な職に就けず、また歴史も教えてもらえない、
というのは、同じ言葉を話していても結局は性別で差別されるのか、と思いもしたけど、別で言語が個人のアイデンティティに結びついているのかな、とも感じた。
Posted by ブクログ
前半は、島に流れ着いた少女と島に住んでいる少女・少年の三人の交流を中心に、島の風習や島の一員になっていく少女の成長が描かれており、爽やかな青春小説のようです。似ているけど異なる言語で会話する三人の会話が楽しいです。
後半は、島を守る存在であるノロに二人の少女がなり、島の歴史を知ります。その真相は結構な衝撃でした。
理想郷のような島の暮らしを想像すると、
人々が迷いなく心穏やかに生きるために
宗教や儀式がいかに重要かがわかります。
少しだけ、映画ミッドサマーを思い出してしまったのは私だけでしょうか。
まだまだ問題がたくさんありそうなのに
ページはどんどんなくなっていき、
どう終着するのか気になりながら読み進めました。
物語のはじまりのような清々しい結末でした。
だれよりも島を純粋に愛している少女が、
三年後の未来を見通す姿は眩く美しく思えました。
余談ですが、本書は癌を患っていた父が一緒に行った書店で買った本でした。面白かったよ、読んでみな、と薦めてくれたのですが、私がなかなか読み始めない間に父は亡くなってしまいました。
感想を伝え合うことができないのが、悔やまれます。父がこの本を読んでどのように感じたのか、聞いてみたかったです。
Posted by ブクログ
歴史を作り、国を起こす者は主として男、女性は僕に置かれ子供を産む道具としての存在しかないのが過去。だがこの島はそんな国々から避難してきた戦争の無い、人種差別もしない平和を求めた島民しかいない、を構築。男の世界は時にロマンティックかもしれないが戦争で全てを破壊、疲弊させ、国を独占的することに満足する、そんな世界を変えるのはやはり女性のパワーになるかもしれない。
Posted by ブクログ
正確に書くと星3.8。
読み終わった後は夢を見ていたような、不思議な話だった。
フィクションだがあり得る設定で、最初は説明が全くと言っていいほどなく、読みにくさを感じたが途中から話としての面白さに引き込まれた。
本を読み慣れていない人にはきついかもしれない。
ページ数自体は188ページで比較的早く読み終えれた。