あらすじ
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本書は、学部上級から大学院初級レベルの読者を対象として、現在のマクロ経済学を考えるうえで不可欠なモデルである動学的一般均衡モデルを解説したマクロ経済学のテキストである。NewIS-LMモデルを含む、いくつかの有益な動学的一般均衡モデルの簡略化したバージョンを再構築・紹介することで、学部レベルのテキストで紹介されるマクロ・モデルと一流学術誌等にみられる「複雑な」マクロ・モデルとの橋渡しをすることを意図している。
また、本書は現代のマクロ経済学のモデルから、現実の経済にどのような政策的含意が与えられるのかを紹介している。具体的には「失われた10年」をめぐる3つの論点、(i)貸し渋り、バランスシート問題、(ii)産業構造調整問題、財政政策、(iii)インフレ目標、金融政策について、関連する理論モデルとそこから得られる知見を紹介している。
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Posted by ブクログ
現在中銀や民間の実務家が用いているマクロ動学モデルの構造が本当によくわかる本である。New IS-LM, サーチ、Kiyotaki-Mooreいずれにしても、すべてRBCから発展しており、とても整理されていると思う。
DSGEの王道はやはり最適金融政策の実証にあると思う。timeless perspective policy ができればいいけれども、やはりコミットメントにおいて非現実的な気はする。これと同程度のパフォーマンスを発揮するものをもっともっと見ていこうという気になった。
また、サーチのパフォーマンスは自分が今のところ一番興味があるところかもしれない。労働市場の流動性を高める政策例を見ていきたいと思う。
Matlabで基本的な実装をtryしてみようと思う。
Posted by ブクログ
いきなりケインズ経済学の否定し、それまでの近代マクロ経済学から現代マクロ経済学の紹介をします。現代のマクロ経済学ではRBCモデルから派生したDSGEモデルを用いてますが、この本ではRBC、DSGEモデルの意義、そしてその活用法まで幅広く説明されています。薄くまとまった本である反面、基本的な数学、マクロ、ミクロ経済学の知識がないと読みこなせず、わからなくて終わっちゃうということにも陥る可能性もあります。
できれば、最適化数学、中級、上級マクロ、ミクロの知識を付けてから読みこなすことをお勧めします。
もちろん、分からなくなったら適宜調べてその知識を得るといった方法をとったとしてもかなりの知識をつけることができると思います。
Posted by ブクログ
現代マクロ経済学において標準となっている動学的一般均衡モデルについて、非常にわかりやすく解説している。経済学Ph.D.コースに行こうと思っている学生は必ず目を通すべき本。日本語文献に限ると、類書は存在しない。
この本が解説している、「摩擦がないリアルビジネスサイクル(RBC)モデルがピザの生地であり、その生地の上に価格の粘着性などを加えたのがニューケインジアンモデルである」という鳥瞰を理解しているかどうかで、マクロ経済学の授業の受け方が変わる。
Posted by ブクログ
RBCなんてダメ、ケインジアン最高なんて思っていた僕に鉄槌を落とした一冊。最初の章だけでも読んでもらえると同じことを考えている人には分かってもらえると思う。ピザの生地、なるほど。