【感想・ネタバレ】経営者格差 会社がワーキングプアを助長するのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

<要約>
 企業は経営者次第で決まる。だから、経営者は常に自らを律しなければならない。
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<抜粋>
p.3
「会社は、トップ次第でいかようにでも変わる」[...]。実際、会社が輝かしく成長するのも、惨憺たる敗北企業になるのも、トップの力量ひとつなのだ。さらにこう付け加えたい。「一人のトップが多くの社員の運命を握る。よくも悪くも、それが組織だ」と。

p.5
会社を統率し、社員の運命を左右する人間に成長するには、また別個のスキルが必要になる。人間的魅力、行動力、判断力、倫理観、清潔さといったことである。

p.6
会社の進む道を決定するのは、まぎれもなくトップである。
社員は「この人はトップたりうる人か」と問う。トップはトップで、「わたしは責任を果たしているか」と自問する。

p.18
経営者にとって最も大切なものの一つは、引き際ではないか

p.22
経営者は、権力が腐敗する怖さを常に意識しておかなければならない。長く権力に居座り、固執すると間違いが起きる。間違いは会社に甚大な損害を与える。その意味で、会社間の格差は、資本や技術の差より、権力者の姿勢の差だと、私はいつも思う。

p.23
経営者が腐っているかどうかを判断する簡単な方法がある。会社がつまらないことに金を使うようになっていないかを見ることだ。「見栄を張っていないか」ということである。

pp.25-26
お金をかけるべきところには集中して投資をするのが経営である。ただ、経営者が「お金をかけるべきところ」を見誤ることが問題なのだ。

p.26
経営者には高い倫理観と自制心が必要である。

p.29
権力の肥大と腐敗を防ぐには、トップが率先して「社長は会長にならない」という規則をつくったホンダのように、「期限を切る」ことが最も有効だと思っている。

p.31
私は、トップが交代する「期限」は、六年から長くて十年がよいと思う。業績が順調であっても交代するべきだ。

p.33
株主総会や取締役会というチェック機構はあるが、社長が強い意志、厳然たる覚悟を持てば、ある程度は企業を思い通りに変えられる。トップの決断は、会社を左右し、社員の人生を変えるほどの大きな力と責任が伴うのである。しかも[...]時には周囲の反対を押し切ってでも決断を下さなければならない。だから経営者は、孤独な独断専行者でもある。それが「誤れる独裁者」になるか、「英明な統率者」になるかの差は、決断から私心やエゴ、慢心をどれだけ排除できるかにかかっている。上に立つ人間には、みずからを律する高い倫理観が求められるのである。

p.34
耳の痛いことを平気で言ってくれる腹心や参謀を置くことで、倫理観を常に研ぎ澄まさなければならない。

p.44
人を育てる時は、「自分を凌駕するほどの人材」を育てることを目ざすのはトヨタ自動車の社風だが、一般的に言っても、人づくりにそれだけの熱意、情熱を傾ける経営者がいて初めて、その企業は生成発展できることになる。

p.50
いかなる時でもうまくいくように考えなければならない

p.51
大切なのは、コントロールできないもののせいにして言いわけをするのではなく、自分の力でコントロールできることに集中して、しっかりとやるべきことをやっていく姿勢だ。

p.63
「雇用を守る」「人を大切にすること」が甘えの構造を生んでも困りものだ。かといって、「クビ切りやむなし」とすぐにそちらに走るのもどうかと思う。トップは「人」に対する大きな責任を負っていると自覚することが大切になる。

p.68
部品や素材などの供給企業などの場合、取引先はメーカーであって、その先を意識することは、普段はほとんどない。だが、少なくとも経営者は、一般消費者のことを、しっかりと意識に刻まなければいけない。

p.74
経営者に、たくさんの課題の中から「これが最優先」と決める取捨選択能力がなければ、社員個々の営々とした努力も、しばしば水泡に帰すことになる。

p.77
経営者に求められるのは、「先か後か」「右か左か」を決めなければならない局面で、自分の判断と責任において、はっきりと方向を示すことだ。

p.87
やる気を引き出し、魂に火をつける能力は、トップにとても大切な才能といえる。

p.91
「できるまでやれ」は、「自分もやるから」という率先垂範の言葉であるべきだ。そうあってこそ、状況が悪化した時の撤退の決断も、きっぱりとできる。先頭で弾を受けることのない人ほど、いつまでもやめないものだ。

p.95
ほかの役職とは比べ物にならないほどの強い権力があるだけに、「何が何でもやる」という意志で臨めばものごとは前に進むが、「どちらでもいい」といった気持ちだと、下の人間は決して本気になることはない。強い力には責任が求められるのである。

p.105
経営者は、何百万円、何千万、何億円という単位のお金を操ることができる。それは、現場の社員が、十円、一円、十銭、という単位で営々と積み重ねたものだ。それを忘れなければ、一時の浮利に踊らされることはないと思う。

p.108
経営者は、業績にふさわしい報酬をもらえばいい。ただ、先憂後楽の気持ちで、会社が苦境のときには真っ先に苦しみ、順調時には最後にいい思いをすることが大切だと思う。

p.120
経営者はどんなに苦しくても安易にお金を借りる、あるいは行政や政治家の力を借りることがあってはならない。

p.125
社員は、リーダーの人柄、行動、考え方、本気度をよく見ている。「この人で大丈夫なのか」とシビアに査定し、「こいつはダメだ」と思えば、どんなに立派なことを言っても本気で取り組もうとはしないのだ。

p.131
あらゆることは気持ちの持ち方ひとつで変わる

p.137
「活私奉公」のためには、社員の努力だけでなく、経営者みずからが、みんなが知恵を出し、みんなが自己実現できる会社にする努力を続けなければならない。

p.139
経営者が理念や方針を徹底させるには、権威に頼るより、徹底した対話によるべきだ

p.143
うえに立つ人間にやましさや隠しごとがなく、信念を持って真摯に語りかければ、たいていの社員は会社を信頼し、動揺することもない。

p.144
企業が目標を達成するためには、社員全員が自社の置かれている現状を正確に知り、問題をつかんだうえで、全員の知恵と力を結集することが欠かせない。企業には公明正大で透明な経営が必要であり、トップには、真実をありのままに、信念を持って社員や株主、お客様に対して伝えていくという姿勢が求められる。

p.169
経営者は「自分の会社の存在理由は何か」「自分の仕事の必要理由は何か」をみずからに問いかけることだ。

p.183
企業にはそれぞれ創業の志、理念がある。それを持ち続け、守り続けることで、企業は一本軸の通った存在として成長ができる。これは経営者だけでなく、社員も、自分自身の問題として考えるべきだ。

p.186
誰よりも経営者自身が創業者に感謝し、創業の理念を受け継ぎ、磨き続けるという思いを持ち、実行することが必要になる。

p.187
経営者は経営を託された存在である。みずからの考えで企業をしっかりと運営していく一方で、企業の歴史に学び、創業の志を受け継ぐ気持ちも持たなければならない。歴史の重みを知り、歴史を大切にして初めて、歴史に新たな息吹を吹き込むことができる。

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2014年10月11日

Posted by ブクログ

伊藤忠商事会長、丹羽宇一郎さんいわく「最後に勝つのは、強い経営基盤を持った企業」。
松下電器産業、松下幸之助さんは1929年経営の危機的状況時「従業員を半減してはどうか」という進言に対して「従業員はただの1人も解雇しない。雇用を維持する」とこれを突き返した。この発言で社員を鼓舞して、最終的には活況を取り戻したとのこと。
ホンダの本田宗一郎さんは、「任意抽出によって不良部品を検出すれば効率的だ」という担当者の意見に対して「こちらにしたら不良率1%だが、顧客にしたら100%だ」と叱責したとのこと。
鉄鋼王アンドリュー・カーネギーは「富を持って死ぬ者は不名誉である」という言葉を残した。
以上、著名な経営者の印象に残った言葉を列記してみました。

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2022年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
バブル崩壊以降、かつて時代の寵児と脚光を浴びた名門企業が没落し、多数の社員がリストラの悲劇にみまわれた。
なぜなのか?
企業が輝かしく成長するのも、惨澹たる敗北企業になるのも、じつは経営者の力量ひとつである。
「上司ほど会社の金を使うな」「楽な道はたいてい下り坂である」「手の前に耳を働かせろ」「なぜ小粒な社長が増えているのか」―会社を統率し、社員の運命を左右する人間に成長するためのスキル(人間的魅力、行動力、判断力、倫理観、清潔さ)を鋭く考察した注目作。

[ 目次 ]
第1章 小粒な社長がなぜ増えているのか
第2章 責任体系が壊れてしまった日本の会社
第3章 やりがいより疲れを与えるトップたち
第4章 マネーゲームを疑うことから始めよう
第5章 壊れた「理想のボス像」を再構築する
第6章 ブレークスルー経営者はこう育つ
第7章 どんな場所でも自分が充実するために

[ POP ]


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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月21日

Posted by ブクログ

先日、講演を聞いた際、いただいたので読みました。いままで成功された社長達の言葉をうまく取り上げ、そしがうまくまとめられており、とても面白いです。講演もなるほど、ということが多かったのですが、正直、本の方が面白いです。

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2010年05月30日

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