あらすじ
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ニホンオオカミに対する関心が高まる昨今、日本全国に残る狼像を追ったフォト・ルポルタージュ。好評を得た『オオカミは大神 狼像を巡る旅』の第2弾。各地に遍在する狼像の存在に関心を抱いた写真家が、実際に現地を訪ね、徐々に、日本人とオオカミ=大神との関わりの深さに目覚めていく。前作同様に、新たなフィールドワークで得た豊富な写真と、軽妙な文章で読ませる、オオカミの記憶を掘り起こすユニークな旅の記録。目次Ⅰ 疫病除けの狼信仰コレラ除けの狼信仰/武蔵御嶽神社のご利益/山梨県のコレラ騒動Ⅱ 東京狼ビルの谷間のお犬さま/新宿の稲荷鬼王神社/桜川御嶽神社の狼像/砧三峯神社の講中/壊された神社/武蔵国東部の狼信仰/武蔵野坐令和神社近未来の狼像Ⅲ 山の神と狼よみがえるニホンオオカミ展/群馬県の狼像と狼祭り「おぼやしねぇ」/栃木県の狼像/茨城県と千葉県の狼像/山の神の狼像・訪問した狼像・全リスト(関東地方+山梨県)
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Posted by ブクログ
何かあるときに頼りにしたくなるのは今も昔も変わらない。
江戸時代にコレラが流行したことがあった。安政5年(1853年)に流行した際、コレラ封じに狼信仰が盛んになった。
狼信仰で有名な神社といえば、埼玉県秩父市にある三峯神社だ。公式記録「日艦」によると、安政5年8月になると御眷属(けんぞく)、つまりお犬さまの拝借するための登山者が急増した。
12月には13000件にも及び、東海道各地と江戸から多くの人々が参拝した。
当時は、コレラについてよくわかっていなかっ
たので、お犬様に頼らざるを得ない事情があった。
三峯信仰は、北は北海道や東北、南は四国までに広がった。狼の迫力もそうだが、鹿など獣が作物を食い荒らすので、食べてくれる狼に感謝していた面もある。
各地に残された狼像は味わい深い。それぞれ個性あふれた表情をしている。
思いもしないような所にも三峯神社があったり、新たな発見がある。
1つ驚いたのは、根拠もないフェイクニュースによって、お犬さまの頬が削られたことだ。それは去年の暮の出来事だった。
お犬さまの削り粉を馬券など一緒に財布に入れると、馬券が当たって金が貯まるというウワサだった。
削られたお犬さまがあるのは、東武東上線の上板橋駅の近くにある桜川御嶽神社だ。
人間の強欲さにはお犬さまもびっくりだ。
それにしても各地に狼像が現代まで生き残っているのは貴重だな。