【感想・ネタバレ】理系研究者の「実験メシ」~科学の力で解決! 食にまつわる疑問~のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

理科系の研究者である著者が手当たり次第に食べ物について感じた疑問を実験する「やってみた」系のエッセイ。
個人的には、こういうしょうもない(と言っては申し訳ないのだが)ことに一生懸命というか真剣にやっている本は大好きです。
各項で、それぞれの専門家が見たら、指摘をしそうなこともあるかと思いますが、休日に家族も巻き込んで(きっと迷惑だったでしょう)ところがいいではないですか。
最後に、小学生の自由研究が大好きで6回楽しんだと書かれていましたが、これ自由研究のネタに本当にいいな、と思って読みました。
純粋に役に立ったのは、「目玉焼きも作れる炎天下のボンネット」で、日本自動車連盟のサイトから引用した表。外気温が35℃の時、車の室内の最高温度が57℃、車内平均温度51℃、ダッシュボード79℃という情報は、いろいろあって仕事でのヒントになりありがたいと思いました。まあ、卵白の変性温度が58℃で、卵黄が65℃というのも、うんちくを垂れるのにもgood。
また、超音波泡盛の項では、大学時代に有機合成の授業をしていた教授が、ウイスキーに超音波電極を入れると、まろやかになり、高級ウイスキーと同じ味になると話いてたことを思い出しました。その時には、エタノールと水分子の水素結合と聞きましたが、クラスターって、あぁなるほどと思いました。

料理の大さじが15mLで小さじが5mLとこっそり測ってみたとか、キツネ色になるまで揚げるって、キツネの色も種や季節によって違うじゃんとか、料理本を読んでいるときに感じるもやもやも言葉にしてくれている点も個人的には刺さりました。
ちょっとだけ真面目なネタもあり、生クリームからバターを作る項のコラムで「実験をしてみて、そして若干の調べものをして、ようやく理解した。自分たちが食べているものの工程とか、安全性は、ちゃんと一から理解してから判断することがとても大切なことだと。」と。まったくその通り。マスコミ、ネットともに、鵜呑みしない姿勢が重要やな~・・・と思って閉じました。

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2021年08月29日

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