【感想・ネタバレ】青空のルーレットのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

綺麗な言葉をたくさん紡いでいる小説。

青空にぶら下がり、太陽に灼かれながら、それでも窓を拭き続け、夢を見続ける夢追い人たちの物語。(高所窓硝子特殊清掃作業員)

0
2022年02月18日

Posted by ブクログ

温厚な萩原さんが言う
「夢を見るから、人間なんだっ」
「夢を叶える事よりも、夢を見ることで、
人間は人間になれるんだっ、
お前なんかに分かってたまるかっ」

この言葉を言うために、物語が つくられた。
高層ビルの窓ふきの人たちの物語。
その人たちは 窓を拭くだけではなく、
大きな夢を持っていた。
楽、小説、俳優などなど。

何かが、うれしいなぁ。
そういう想いをもって、シゴトをしていることが。

『多輝子ちゃん』
ちいさな街で、住んでいると すぐさま、噂に事欠かない。
多輝子ちゃんは、バスで1時間かかる 
都会の優秀な学校に通った。
オトコとキスしてた。
オートバイに乗っていた。
髪の毛を赤く染めた。などと、噂が立ったのだが、
多輝子ちゃんは、恋しただけなのだ。
彼氏は オートバイ事故で なくなってしまった。
それで、多輝子ちゃんは、死のうと思ったが、
ラジオから流れる歌を聞くことで、
死ぬのをやめたのだった。

0
2018年03月05日

Posted by ブクログ

タツオをはじめ宝栄の仲間たちが好きだ。男同士で好きって言葉を聞くことはあまりないけど、あいつらはそんな気持ちでつながってるんだと思う。社長もそんなタツオたちを理解してくれてるし、青空が似合うあいつらは何とも清々しい。多輝子の少年を思う「好き」もいい。誰かを好きになることで、日常が日常じゃなくてワクワクしたものになる。何を好きになるかって自分自身を決めちゃうくらいに決定的な選択かもしれない。この物語を好きって思えて良かった。

0
2015年05月11日

Posted by ブクログ

「俺たちが窓を拭いていたのは食べていくためだった
 俺たちが窓を拭いていたのは家賃を払うためだった
 だが誓ってもいい、
 俺たちが窓を拭いていたのは夢を見続けるためだった」

大人の青春物語。
健全に生きてくのって難しくて、だから格好いいのかなって最近思う。


「夢を叶えることよりも、夢を見ることで、
人間が人間になれるんだ」


ことばを言い放つ萩原さんが保雄のことを
尊敬と羨望をもって見守るのがまた、いい。

一斉に降ろされたロープに爽快感100%です。

0
2015年01月13日

Posted by ブクログ

2014/2月
読んでいい時間を過ごしたなーという2本でした。
辻内さんの文体と人生観みたいなものが好きです

0
2014年02月05日

Posted by ブクログ

夢を追いかける人達が集まる窓ふき会社での友情の物語。
胸に刻んでおきたい言葉がたくさん出てくる。
「夢を見ることは、夢を叶える事よりも上等な事だったのかも知れない」
「俺達が窓を拭いていたのは(誓ってもいい)、夢を見続けるためだ」
「夢を叶えることよりも、夢を見ることで、人間は人間になれるんだ」
人生はきっと ”人生は何だろう” って問われるために僕達にあるんじゃないかな」

最後、目頭が熱くならないなら、それは冷め過ぎでしょう。

0
2012年06月27日

Posted by ブクログ

純粋な気持ちを忘れないでいさせてくれる作品。
目の前が暗く落ち込んだときに読むと、心を明るくさせてくれる。

純粋で、汗くさくて、単純で。
でもそんな環境が羨ましくなる。
読み終えると今、見えている景色がすごく濃くなる。
辛いときに是非読んでみてください。

0
2012年03月09日

Posted by ブクログ

電車の中で、泣きそうになって困った(><)

この本の表紙のように内容も とても爽やか!

透き通るような青空や、陰りゆく都会の夕暮れ、雑踏が目に見えるように浮かんでくる。

夢見る窓拭きフリーターの彼らを応援したい!

作品の中に、素敵な言葉がたくさん書かれていました。

***********************************************************
内容(「BOOK」データベースより)
青い空に浮かんで、俺達はビルの窓を拭く メシを喰うために、家賃を払うために。
けれど俺達はそれぞれやりたいことを別に持っている。
音楽、芝居、写真、マンガ…。だから、俺達が窓を拭いているのは、夢を見続けるためなのだ!
熱く純なハートを持つ男達の夢と友情を感動的に描いた表題作。
ほかに、第十六回太宰治賞受賞作「多輝子ちゃん」を収録する。

0
2011年07月14日

Posted by ブクログ

昔読んだ本の再読です。青臭いと言われても仕方ない程、この作品の登場人物は幾つになっても夢を捨てられない(捨てない)人ばかり。現実はこうもいかない、、、と思いながらも、大事にしなければいけない事を目の前に突きつけられる。。。心を揺さぶられます。今まで読んだ本の中で、一番読後感が爽快!お試しあれ。

0
2011年07月04日

Posted by ブクログ

窓拭きおじさんフリーター達の、友情物語。
青臭くはないけどおっさん臭くもない、不思議な爽快感です。

0
2010年08月29日

Posted by ブクログ

人間は何歳になっても、夢を追いかけることをあきらめちゃいけない・・・・ということを

ストレートに呼びかけてくるストーリーが爽快です。

そして臭いけど、登場人物が「人生」について語る言葉の数々が

本当に味があっていいです。

0
2009年10月09日

Posted by ブクログ

先日「セイジ」を読んで、収録された2編が同じような作風だったので「こんな感じばかりなんだろうな」と思いながら読んだのですが、かなり印象が違いました。
気に入ったのは「青空のルーレット」。
ミュージシャン志望、漫画家志望、作家志望。そんな夢を追い続ける人ばかりが集まった清掃会社。社長は理解があるが病気がち。弟の専務はとんでもない小人で、特に40歳を越える作家志望の荻原を目の敵にする。誰からも弟のように可愛がられていた保雄の事故が元で、いつも穏やかな荻原は専務を殴り退社する。そして。。。。
まあ、途中で先のストーリーは予想はついたのだけれども、それでも面白く、最後のシーンでは思わず目頭が。。。
「映像化すると面白そう」と思ったら、すでに映画化されてました。逆に言えば、紋切り型の作品かもしれませんが、それでも一気に読ませてくれる力があります。
どうもこの人のテーマは「純粋な人」のようです。「セイジ」は純粋過ぎて世捨て人のようになった主人公でしたが、この作品ではまだまだ夢を追っています。その分物語が溌剌として感動的でした。

0
2016年08月07日

Posted by ブクログ

久々に、涙がポロポロこぼれる本を読みました。


高層ビルの窓拭きという危険な仕事をする男たちの物語。

コメディアンになりたい奴、ミュージシャンになりたい奴、

漫画家になりたい奴・・・それぞれが自分の夢のために働いていた。

そんなある日、自己中心的で夢の無い上司の、

ひねくれた気持ちによって、彼らに災いが降りかかる。。。

それでも、彼らの友情と男気は、青空の下で輝いて。。。

まるで、映画を見ているように、

いろいろなシーンを思い浮かべることが出来て、

すっきりとわかりやすい文章で、

感情移入しやすかったせいもあるのだけど、

涙が次から次へとあふれ出た。。。

もちろん、青空のようなさわやかな感動の涙です。



この本に併用されている「多輝子ちゃん」(太宰治賞受賞作)も、

とっても素敵な物語です。おすすめ!

0
2009年10月07日

Posted by ブクログ

子供のころに読んだ小説。
当時はタツオや萩原さんのような大人になろうと思っていたけれど、実際に大人になってみると保雄が一番近いのかもしれない。
奥田にはなってないといいな。そう信じたいな。そう生きていきたいな。

>「夢を 叶える事よりも、夢を見る事で、人間は人間になれるんだっ、お前なんかに分ってたまるかっ」
表題の『青空のルーレット』と『多輝子ちゃん』の二作品を収録。
前者は、夢を持ち、夢を見て窓拭きをする者たちの友情物語。
正しさや能力・才能には言及してないところがポイントかもしれません。何かを得るのではなく、心を開いてく作品だと思います。作品の清涼感が、時には冷静さを取り戻させてくれ、時には蟠りを吹き飛ばしてくれます。

『多輝子ちゃん』は、あとがきを見るに「青空派」の『青空のルーレット』と対照的な「星空派」の物語でしょうか。多輝子ちゃんが恋を知る物語。実は青臭いのはこちら。

どちらも夢そのものではなく夢が人(自身・他者)に与える影響を描いてるように思えました。都合の良い展開が目立ちますが、物語を締めるためであってハッピーエンドかどうかも本作にとっては重要ではないでしょう。夢を諦めた人、夢を見ている人、誰にでもオススメできる作品でした。

>「………人生はきっと、〝人生は何だろう〟って問われるために僕達に有るんじゃないのかな………」萩原さんは、そんな事を言った。  「………人生は、そう問われたくて、そこに有るんだろうと思う………それを問わずに生きていける人は、確かに幸福なんだろうけど、―――でも幸福は、それを問わずに居られない気持で生きている人の毎日の中にこそ、有るんだろう、と―――人生というのは、きっと、そういうものだろうと、僕は思ってるよ………」

0
2020年05月02日

Posted by ブクログ

1作目の「青空のルーレット」はビル清掃員をしながら、夢を見続ける若者(萩原さんは、お年だが・・・)の小説。そういった夢を見続ける若者を理解しない社会との対峙関係が見事に描かれていて、とても良かった。酷い仕打ちを受ける萩原さんを助ける同僚愛も描かれていて、読み終わるときに清々しい気持ちになる作品である。2作目の「多輝子ちゃん」は、一見すると青空のルーレットとは全く異なる作風で、鳥瞰的に描かれる文章が印象的な作品である。しかし内容は、恋に一途な多輝子ちゃんとそれを受け入れない周囲、音楽に一途な青年と薬物中毒の過去を受け入れることができない社会の対峙関係が描かれていて、「青空のルーレット」と共通する部分が多い。
「夢を叶える事よりも、夢を見る事で、人間は人間になれるんだっ」、「生まれて、生きて、小さな役に立ったー人間なんて、それで充分なのじゃないでしょうか。」など、人生観が垣間見れるフレーズもところどころに表れていて、2作とも読みごたえのある作品だった。

0
2015年01月31日

Posted by ブクログ

おいなり

よかった〜(^^)表紙の突き抜けるような青空とタイトルのとおり、爽やかな読後感。夢を追い続ける人たちのまっすぐで熱い思いが、胸にズドーンと入ってきます。ラストのタツオと萩原さんのやりとりには涙涙。 大宰治賞受賞の「多輝子ちゃん」は特徴的な文体だが読ませる作品。ひとりの少女の16才の夏の出来事。精一杯生きたあの夏があるから今を生きていけるというラストに共感。

0
2014年03月13日

Posted by ブクログ

硝子清掃員たちの熱い絆を描いた表題作と、ラジオで耳にした曲を心の支えにして生きる少女の物語「多輝子ちゃん」の2本。

0
2014年01月09日

Posted by ブクログ

なんだか読み終わって甘酸っぱい気分になる作品だった。
清々しい気持ちだけじゃなくて、社会の厳しさとかも感じさせてくれる本。
あぁ、いるんだろうな、こういうやつ。奥田みたいな悪役。
ホワイトカラーの人間が立派ってどこかで私も思ってしまってるけど、夢を追いかけ続けることも格好良いなぁ。
私も悔いのないように生きたいと思った。

たきこちゃんも読んでいて幸せな気分に。
そうだよなぁ、思春期の子供の気持ちって大人はわかってくれないよなぁ、なんて思いながら。
お母さんになったら読み直したい作品。
まさかあの爽やかで幸の薄い男の子が死んじゃうと思わなかったから、新幹線で読みながら泣きそうになってしまった。
どちらも悲しくも爽やかなお話でした。

0
2014年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「高所窓ガラス特殊清掃作業員」つまり窓拭き業社に集うのは、漫画家、役者、アーティスト、小説家、芸人、様々なモノを目指す男たち。

彼らの生き方、素直なエネルギー、そういったものが背景にあります。
そしてストーリーは哀しさも含みながら、たどり着いた最後は爽快で温かな気持ちでした。
なかなか良い本です。

中編「多輝子ちゃん」も、高校生の初恋を描いた秀品。
切なくてもどかしく、そしてやはり素直な気持ちになれる物語りでした。

0
2013年11月10日

Posted by ブクログ

ビルの窓拭きの仕事をしている人たちの夢や人生を語る小説。あとがきの最後の2行からしても、作者の経験にも基づいているだろうが、男たちの物語に胸が熱くなる。読後のソーカイ感という言い方とタイトルのルーレットにはちょっと引っかかったが、また読み返したい小説。もう1篇は少女の切ない恋の物語。

0
2011年12月04日

Posted by ブクログ

何か夢を持ちながらビルの窓拭きの仕事をする若者たちが主人公の表題作は、最後のちょっと痛快なできごとが出来すぎな感じだったけど、一昔前の青春ドラマみたいな飄々とした味わいが良かった。もう1篇の「多輝子ちゃん」も、そんな都合の良い出会いがあるかなぁ、とは思ったけど、味のある雰囲気だった。

0
2011年08月28日

Posted by ブクログ

学校の課題図書として
読んだのがこの本との出会いです。

読んだ後は、爽快感でいっぱい
ベタな展開ではあったけれど
素敵でずっと持っておきたい本です。
あんな仲間をもちたいと思いました

0
2011年01月16日

Posted by ブクログ

大分前に読んだんだけど、先日、ロープでの窓拭き隊を見て思い出しました。
爽やかでカッコいい窓拭きの男達の話です。

0
2010年03月17日

Posted by ブクログ

なぜこうした本(フィクションなのに)が好きなのかを自問してみると、結局のところ、小説として読むものは、読んだ後に気持ちがいい、と思いたいからなんだろうと気づいた。青春ものにはそうした小説は多いかもしれない。これまでに気持ちがよかった(niceな)小説は、タイトルや重要なキーワードに「青」が含まれることが多かったかな、というのが「青の本たち」の由来。

0
2009年11月07日

Posted by ブクログ

青空のルーレットと多輝子ちゃんの2編からなる文庫本。
青空のルーレットは夢を追いかける窓拭きの話。
多輝子ちゃんは主人公多輝子ちゃんの高校生のときの話。
共感はあまりなかったけど読みやすくはあったー、

0
2014年12月20日

Posted by ブクログ

夢しかないタツオと夢みる気力を亡くした多輝子ちゃんのカップリングの妙が効いた。誰かを助けたり誰かに助けられたり、知らないうちに僕等はどこかで干渉している。なぁんだ、さみしくないじゃん。

0
2013年09月28日

Posted by ブクログ

『夢』を追い掛け抜くというのは子供で有りつづけるということなのかな。確かに私達はそれを良くないことだと思うことに疑問を感じませんね。悲しい社会です。作者さんは夢に対して真摯に向き合ってらっしゃる方なんだろうなぁと感じましたね。後書きの青空のくだり、すごく素敵です。

0
2011年02月26日

Posted by ブクログ

俺たちは夢を見続けるためにビルの窓を拭いていた。普段は窓ふきをしていたけれど、それぞれ他に夢があった。音楽や小説の執筆など。熱い気持ちをもった窓ふきたちの夢と友情を描いたお話し。

0
2010年01月21日

Posted by ブクログ

友人の紹介で読んだ本。
表紙で見て頂いてわかるとおり、爽やかな読後感。
ラストシーンは文章を読んでいて情景が目に浮かんできました。

0
2009年12月13日

Posted by ブクログ

解説の方が〜本が人を呼ぶことがある〜と言われていますが、くしくも僕はこの本を100円で売っていたからと言う理由で、何の気も無しに購入しました。しかし、それは忘れられない一冊との出会いとなりました。特に目新しい展開があるわけでも、とりとめて文章や表現が良いわけでもありません。ですが、結果的に僕は本という物を読んで久しぶりに心から感動しました。それは主人公たちとの心境とこの上ないほど共感し、シンクロしたからです。作中の萩原さんの言葉は、夢を追いかける僕たち全員の言葉でもあります。作者自身、シンガーとして音楽活動をして夢を追いかけていたと言うことで、その経験からこの物語を描くことが出来たのだと思います。これはけして「あの頃」の話ではありません。今も夢を追いかけて生きている人達はたくさんいます。そんな人達に勇気を与えてくれる作品です。そして、この話だけでも十分なのに、もう一つ「多輝子ちゃん」も収録されていますが、こちらもいいです。どちらも爽やかな感動を心に届けてくれます。しかし、小説という物において「共感」「感情移入」と言う物がどれだけ大切かという事を、改めて知った様な気がしました。

0
2011年01月13日

「小説」ランキング